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カルボナーラ大反省会

早速ですが、こちらは直近のカルボナーラ、もとい炒り卵パスタです。


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ぱっと見悪くなさそうに見えるのは卵黄とチーズと胡椒のおかけで、
よく見ると無事に炒り卵化しています。
貴様にカルボを名乗る資格はない。

カルボナーラ、何回作ってもこうなるんです。
作る度に心が折れます。
もう失敗したくないので、調理工程や私なりの理論をまとめておくことにしました。
いつか絶対リベンジする。なんなら明日するという気持ち。

材料

(1人分)
・パスタ 100g:バリラ社1.8mm。いい感じに太め。湯で時間9分
・全卵(卵液用) 1個:卵黄ではなく全卵。
・チーズ(卵液用) 20g:グラナパダーノ。大さじ山盛り2くらい。
・生クリーム 30ml:乳脂肪分35%
・牛乳 30ml:半量を牛乳に置換しました。
・オリーブ油 適量:ピュアオイル。ベーコン焼き付ける時に使用。
・白ワイン 30ml:家にあったもの。甘いので正直料理向けではない。
・ベーコン 40g:成城石井製。塩分控えめだけどスパイスフルで酸味も感じる

・卵黄(トッピング) 1個 
・チーズ(トッピング) 程よく
・黒胡椒(トッピング) 多めに

・塩 18g:パスタ茹でる用。水1.2Lに対して塩分濃度1.5%になるように添加

調理工程

1:全卵、牛乳、生クリーム、チーズを合わせておく
2:短冊切りのベーコンをオイルで炒め、旨味を抽出する
3:白ワインを加えアルコールを飛ばしつつ、茹で汁で水分量を調整する
4:パスタを茹でる(記載時間-1分)
5:茹で上がったパスタをフライパンに移し、旨味を吸わせる
6:一度火から外し、卵液を加えて混ぜる
7:再度加熱し、濃度を付ける
8:皿に盛ってトッピングを乗せる

とまあこんな感じ。
続いて、このレシピに至った経緯を、カルボナーラの定番論争に則って説明します。

論争①生クリーム入れるか否か問題

これに触れずしてカルボナーラを語るべからず、みたいなとこあるよね。

私は「どっちでも正解」派です。
どっちも美味しいと思う。自分の所属する会派に従って決めれば良い。
原理主義なら入れない。あと、あっさりさせたい場合も入れない方が吉。

今回は入れました。理由はカルボナーラ作りが苦手だからです。
一般に、生クリームを入れた方が失敗しにくいと言われています。
(失敗しないとは言っていない)
仕上がりが重くなることを警戒して、半量を牛乳に置き換えました。因みに卵を(卵黄ではなく)全卵にしたのも同じ理由です。

論争②茹で汁の塩分濃度問題

1%が基本かなと思っています。お吸い物だったら結構しょっぱい。
今回は1.5%にしました。お吸い物だったら怒られる。
カルボナーラの塩味はチーズ+ベーコン+茹で汁で決まるので、
グラナパダーノは塩分を強く感じないことと、今回使ったベーコンも塩分控えめだったので、茹で汁の塩分を強めにしてみました。
結果については後ほど。

論争③ベーコン・パンチェッタ・グアンチャーレ問題

カルボナーラの旨味の中核を担う食材なので、何を使うかは大事に決めたいところです。

私的には
ベーコン:スパイスや薫香が美味しい。火入れ具合を自由に決められる。
パンチェッタ:豚肉の旨味と塩気が美味しい。カリカリが◎
グアンチャーレ:パンチェッタよりも油が多く、風味も強い。
というイメージで、どれにも良さがあると思います。
パンチェッタは豚バラ肉の塩漬け、グアンチャーレは豚の頬肉の塩漬けです。原理主義者はグアンチャーレを使うそうです。

今回はベーコンを使いました。単純に成城石井のベーコンが美味しそうだったというのと、ベーコンなら他の料理にも使える(汎用性の低い食材を余らせると面倒)という家庭的な理由です。(大事に決めたいとは)

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成城石井「7日間漬け込んだベーコンブロック」

論争④チーズの種類

あまり詳しくないのでここはサラッと。
私が調べた限り、カルボナーラに使うチーズは
*パルミジャーノ・レッジャーノ
*グラナ・パダーノ
*ペコリーノ・ロマーノ
*パルメザン
の4択かなと思います。

今回はグラナパダーノを使いました。
粉チーズの強すぎる香りが苦手なので、風味が穏やかなグラナパダーノを選んでいます。ここも完全に好み。

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イタリア LSM 「427」 グラナパダーノDOP 16ヶ月熟成

論争⑤カルボナーラ液の加熱方法

いろいろ方法がありますが、卵を過剰に加熱しない、というのが至上命題なので、少なくとも熱々のフライパンに直接液を流す方法はNGです。
しかし、今回私はコレをやってしまったのである。
カルボ液を入れる前に火から外しこそしましたが、効果は焼け石に打つ水以下。あれよあれよと言う間に炒り卵が生成されていきました。
書いていて恥ずかしくなってきた。材料とか塩分とか結構ちゃんと考えたのに………本当に意味が分からない。

だって動画でシェフがそうやって作ってたんだもん………(小声)
※この辺の考察は後ほど


今後のために、私が調べていて見つけた方法を書いておきます。
①パスタにベーコンの旨味を吸わせた後、フライパンを濡れ布巾に当てて急冷し、そこにカルボ液を加え、混ぜながら再加熱する
②ベーコンの旨味を吸わせたパスタを別の冷たいフライパンに移し、そこにカルボ液を加え、混ぜながら再加熱する
③ベーコンの旨味を吸わせたパスタをボウルに移し、そこにカルボ液を加え、ボウルを湯煎にかけながら混ぜる

下にいくほど洗い物が増えます。
旨味のベースを単体でパスタに吸わせず、カルボ液と合わせて一緒にまとわせる方法もあります。むしろこっちの方が多く見られましたが、先に旨味をパスタに入れたかったので採用しませんでした。
美味しいカルボナーラって、ベーコンの出汁が効いてるというか、旨味をしっかり感じる気がするんです。
パスタに旨味を単体でしっかり入れることで、理想に近付くかな、と。

卵の凝固温度は、
卵黄は65℃。75℃まで加熱すると完全に固まる
卵白は60℃。80℃まで加熱すると完全に固まる
という具合で、卵黄だけより全卵使用の方が凝固しやすいことが分かります。
湯煎なら直火に比べて温度上昇が穏やかですし、なんならお湯の温度を測りながら作業することもできるので、特に全卵使用の場合は湯煎が最適解のような気がします。

大反省点まとめ

さて、散々御託を並べて参りましたが、結局何が駄目だったのか。
ここまで読んだ方にとっては最早愚問でしょう。敗因はズバリ火入れと言えます。もっと詳しく言えば、

・カルボ液を入れる際、フライパンの温度が高すぎた
・ステンレス製のフライパンを使っていた

以上の2点かと思います。
前述したように、フライパンを火から外す程度では全然温度が下がらないのです。しかも使っていたフライパンはよりにもよって蓄熱性最強のステンレス製。
そして参考にしていた動画ではことごとくアルミ製が使われていました。
熱しやすく冷めやすいアルミ、熱しにくく冷めにくいステンレス。
こんなの成功するわけがない。アホかと言いたい。

因みに何故ステンレス製のフライパンを使ったのかというと、シルバーカラーなのでオイルやソースの色が分かりやすいからです。これは結構大事だと思うんです…

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フィスラー プロコレクション フライパン 20cm
6年程使っています。コツは要りますが、扱いやすい良い子です。

味に関しては、炒り卵化してしまったことを除けば、まあまあ及第点といった感じでした。ベーコンの旨味も感じられたと思いますし、グラナパダーノの風味がよく合う、軽やかな仕上がりになりました。
ただ、ちょっと塩味が強かったです。茹で汁の塩分は普通に1%で良いと思います。

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塩事業センター クッキングソルト 800g
茹で汁に入れる塩は全くこだわってません

次回やるならこうだ!

・最後は湯煎で火入れする
・或いは、パスタを別のボウルに移してカルボ液と合わせる。その間にステンレスパンを急冷させる
・茹で汁の塩分濃度は1%

この辺を改善するだけで成功率上がるんじゃないでしょうか。
あとはベーコンの切り方や火入れ具合も、いろいろ試したいですね。
ごろごろも美味しいけど、薄切りも旨味が出やすくて良い気がします。
パスタもフェットチーネにしてみるとか、ショートパスタでも良さそうだし、ブランドもいろいろあるし、本当に無限です。
材料に関しては「コレが正解!」というものはないと思うので、臆せず試していければなと思います。

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Barilla スパゲッティ No.5 (1.8mm)
表面が滑らかで、プリッとした食感が楽しめます


だいぶつらつらと書いて参りました。
本当は湯で時間とかそういう話もしたかったのですが、もう本当にきりがないのでこの辺でおしまいにします。
また作ると思うので、そしたらまた反省会しますね。
では!皆さんも良いパスタライフを!

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