見出し画像

シナリオライター、案件の選び方(クラウドソーシング編)

 今回はクラウドソーシングで、シナリオ制作の案件を選ぶ・獲得する方法について書いていきたいと思います。

正直、クラウドソーシング上には高単価のシナリオ制作案件は少ない印象です。そのため、できることなら最初から直営業に踏み切って、案件を獲得した方が良いというのが個人的な見解になります。手数料もお高いからね。
しかし、クラウドソーシングは実績作りには最適なんです。「シナリオの実績が欲しいよー」という方はまず、クラウドソーシングで案件を受注することをおすすめします。

ちなみに、私がクラウドソーシングで初めて獲得した案件は、YouTube動画のシナリオ(ホラー系)、文字単価1.5円、実績公開不可のものでした。

当時は単価重視で選んでいたため、「わーい!1.5円だー!」と喜んでいましたが、やはり今考えるとメリットとデメリット、両方あったなというのが本音です。ということで!当時を思い返しつつ、まずは案件の選び方について述べていこうと思います。


1. 案件の選び方

私が一番最初に利用をしたクラウドソーシングは、『ランサーズ』でした。
ランサーズは【未経験者可】や【主婦の方大歓迎!】といった案件もよく見かけますし、今は文字単価2~3円の案件もあるため、個人的にはおすすめです。ただデメリットとして、シナリオ制作の案件数はかなり少ないと思います。数重視でしたら、『クラウドワークス』や『ココナラ』も視野に入れておきましょう。
とりあえず、今回はランサーズを例に説明していきます。

まず、シナリオの案件を探しましょう。

ランサーズ、トップページより
【仕事を探す】→【カテゴリー:ライティング・ネーミング】→【小説・シナリオ・出版物の作成】
この順にクリック。

すると、案件がどちゃーっと出てきます。実際に見てもらえると分かるんですが、ほとんどがYouTube動画のシナリオ案件です。
そのため、特にこだわりがなければ最初はYouTube動画のシナリオ制作に挑戦することをおすすめします。

とはいえ、悩みますよね。特にシナリオやストーリーにまったく触れたことがない人にとって、案件選びは最初の難関かもしれません。
もちろん、ご自身が「やりたい!」と思った案件を選ぶことが一番ですが、ここでいくつか注意点があります。

■発注者の評価は低すぎないか
■文字単価が低すぎないか
■専門分野に特化したものではないか
■マニュアルと参考動画は用意されているか

順を追って見ましょう。

発注者の評価は低すぎないか
シナリオの案件に限ったことではないですが、まず、クラウドソーシングで案件を選ぶ際、トラブル回避のためにも発注者の評価はきちんと見ておきましょう。私はなるべく、評価が4.5以上の発注者に絞って案件を探していました。100%とは言いませんが、火のないところに煙は立ちません。

文字単価が低すぎないか
これ、何を重要視するかで変わってくるんですが、やはり極端に単価の低い案件は避けた方が身のためです。
特に初心者の方は、「シナリオは書いたことがないし、最初は0.5円でも仕方がないか~」と、安価な案件に手を出す人も多いかもしれません。しかし、個人的にはたとえ初回でも、1文字0.8円以下はおすすめしません。なぜかというと、1文字1円以上の案件は探せば意外とあるからです。そのため、できることなら最低でも1文字0.8~1円から始めて、スキル取得と共に少しずつでも単価をあげていくことがベストだと感じます。

ただ、実績作りを優先する場合、ポートフォリオで公開OKなら最初は0.5円でもやる価値はあるかと思います。やはり、ライターを続けていくうえで実績は大切。私は初っ端から実績公開不可な案件を選んだため、その後特になんの役にも立たないポートフォリオが完成した記憶があります。まぁ今となってはいい思い出です。はい。
しかし、実績を作ることと同じくらい、心が疲弊しないことも大切だと思います。シナリオでも小説でも、物語を書くというのは、意外と体力勝負です。低い単価で何千文字も書く日々が続けば、書くことそのものが嫌になってしまう可能性があります。それだけは避けましょう。

専門分野に特化したシナリオではないか
最初のうちは、専門知識が必要となるシナリオ制作は避けた方が無難でしょう。たとえば……

・【昇給あり!】野球解説動画の台本制作
・【鬼滅の刃】ショート動画の台本作成依頼【漫画、アニメ好き歓迎!】
・【主婦の方歓迎!】スピリチュアル系ゆっくり台本作成【長期継続】

クラウドソーシングを見ていると、上記のような案件が意外と並んでいます。なかには、【初心者歓迎!】や【未経験者可】といったフレーズがついている案件もたくさんありますが、最初のうちはあまりおすすめしません。
正直、そこまで内容に詳しくなかったとしても、リサーチさえ手を抜かずに行えば書けるものもあるでしょう。しかし、シナリオのライティングは通常のSEOライティングとはまったく違います。PREP法やSDS法は確実に使いませんし、構成も、基本は起承転結か序破急のどちらかです。(案件によっては、起承転転結だったり結末から書き始めるなどさまざまなため、都度クライアントに確認しましょう)

「鬼滅の1巻~5巻まで、セリフは全部暗記しています!!」といった天才オタクなら難なくこなせる可能性もありますが、「鬼滅はアニメも観てたし、リサーチすれば書けるっしょー!」くらいのノリで飛び込むと、シナリオの書き方そのものに時間がかかってしまい、リサーチが不十分!なんて事態にもなりかねません。思わぬところでつまづく可能性も踏まえ、専門知識が必要となる案件は避ける方が無難です。
それでも「やってみたい!」の気持ちが強い方は、私の意見は無視してください。応援しています。

マニュアルと参考動画は用意されているか
依頼概要を見ると、内容や単価、文字数と共に【参考動画】として、既存のYouTube動画を貼ってある案件がほとんどです。イメージを掴むためにも、その動画は必ず視聴しておきましょう。
しかし稀に、参考動画が用意されていない案件もあります。私も過去、深く考えず、参考動画のない案件に応募をして受かったことがあるのですが、いざ蓋を開けてみると、シナリオのライティングではなく、すでにスプレッドシート上に書かれているセリフを並び替える(?)といった作業だったことがあります。うん。

また、できれば【マニュアル完備】と記載がある案件を選んだ方が良いです。
やはり、きちんとマニュアルを用意してくれているクライアントは信用できますし、なかには「え、こんなに勉強になるマニュアル、見せてもらっちゃっていいんですか?」と思うほど、ストーリーの書き方の極意が詰め込まれたマニュアルを提供してくれるクライアントもいます。こういったマニュアルは、シナリオライターを続けるうえで非常に勉強になるため、こっそりとっておきましょう。
そして何度も述べているとおり、同じ「漫画動画」のシナリオ制作にしても、書き方や注意点は本当にさまざまなため、自分が苦戦しないためにも、マニュアル完備の案件を選ぶようにしましょう。

2. 提案文の書き方

次はクラウドソーシングで案件を獲得した際に、私が実際にクライアントへ送った提案文を晒そうと思います。(恥ずかしい)
ただ、こちらはあくまで参考程度に見てください。というのも、私は当初ポートフォリオを作成していない状態で案件獲得に挑んでいました。なぜかというと前述のとおり、実績が何もなかったためポートフォリオを作ることができなかったからです。(言い訳)

しかし、私が所属しているライターサロンのオーナーから言わせると、「ポートフォリオがない状態で営業をするのは絶対にやめて」とのこと。まぁそりゃそうですよね。履歴書を持たずに面接に行くようなものだ。

では、なぜポートフォリオがない状態で、私は初回から1文字1.5円の案件を受注できたのか。
実は当選後、そのクライアントとZoom面談があった時に理由を尋ねたことがあります。するとクライアントからは、「熱量がすごかったから」との回答がありました。

その時の提案文がこちら。

提案分を閲覧くださりありがとうございます!!
私は今年の6月より、オンラインスクール【SHElikes】にてライティングを中心に学んでおります。ライターとしての実績はまだありませんが、幼い頃から書くこと・読むことが大好きで、書籍化を目指し小説サイトにて執筆を続けてきました。そのため、文書を書くことやストーリーを作ることには慣れております。また、ホラー小説を中心に書いているため、これまでの経験や現在学んでいるスキルを活かしたいと考え、今回応募をさせていただきました。
目に見える実績は少ないですが、クライアント様、読者様に心から楽しんでいただけるようなシナリオを制作できますよう、精一杯頑張りますのでぜひ、ご検討のほど宜しくお願い致します!!

今見返すと、とんでもなく暑苦しい提案文ですね。「!」がウザい。
これを『熱量』という形で受け取ってくれたクライアントには感謝しかありません。
それと、小説サイトで選出いただいた作品の受賞歴も一緒に送ったため、その効果も多少はあったかと思います。ただ、熱量で乗り切れる事例もあるよ!ということが伝われば幸いです。

ただ、上記のように「実績はまだない」ということはあまり強調しすぎない方がいいです。それよりも「本をたくさん読んでいるため、ストーリー制作には自信がある」や「参考動画のようなYouTube動画を日々視聴しています」など、なるべく前向きなことを書きましょう。

また、シナリオの実績とは別に、SEO記事など、他に公開できる実績がある方はそれも一緒にポートフォリオとして送ってください。一見、「SEO記事なんてシナリオ制作に関係なくない?」と思われがちですが、そんなことはありません。
今まで面談をしたクライアントは「基本的な文章力も見ています」と仰る方がほとんどでした。そのため、たとえシナリオに関係のないものだったとしても、自分の強みとなる実績はドシドシ提供していきましょう。

はい!ということで、今回はクラウドソーシングでシナリオ制作の案件を選ぶ&獲得する方法について書いてみました。少しでも参考になれば幸いです。

あと、これは余談ですが、私はライターとは別に本業の仕事もしているため、つくづく感じることがあります。それは「仕事を選べるって素敵!」ということ。
企業で働いていると「うわ~これやりたくないなぁ」と思う業務内容もたくさん出てきます。だけどライターの仕事を始めて、「仕事も仕事相手も、自分で選んでいいんだ!」ということに、すごく感動を覚えたんですよね。「選ぶ」というと、良くない印象に捉える方も多いかもしれませんが、「選択の自由」は誰にでもある特権です。
せっかくやりたい仕事をしているんですから、心がわくわくするような案件を選んで、がんがん責めていきましょう。みなさんのご健闘をお祈りしています。では、また!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?