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JaSST東北 x アジャイル札幌コラボイベント「テスト自動化の成功を支えるためのチームと仕組み」に参加してきました

2022/7/7(木)に開催されたJaSST東北 x アジャイル札幌コラボイベント「テスト自動化の成功を支えるためのチームと仕組み」に参加してきたので、その内容を共有したいと思います。

おことわり

今回のレポートは非公式なものであり、自分なりに整理したものです。
また所感の内容は私個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません。
「こんなこと言っているんだな~」と思ってみていただければと<(_ _)>

お伝えしたいこと

本講演の資料が無料で公開されています!!
テスト自動化を検討されている方は一度目を通すことをお勧めします。

このイベントについて

概要は以下の通りです。

2022年5月27日に実施されたJaSST東北。
井芹さん@トヨタ自動車が「テスト自動化の成功を支えるチームと仕組み」というタイトルで招待講演をしてくれました。膨大な知識と経験に裏打ちされた素晴らしい講演でした。
後日公開された資料は1日で約2000PVを記録しました。
https://speakerdeck.com/goyoki/success-factors-for-test-automation
もちろん資料は公開されていますが、このままでは業界のためにならない、せっかくなので井芹さんの講演を色々な人に聞いてほしいということでアジャイル札幌で鑑賞会を企画しました。処々調整の結果、今回はワンコインになりますが、圧倒的に価値>>>価格だと思います。尚、JaSST東北の参加者は復習会扱いで無料になります(学生も無料)。
https://agilesapporo.doorkeeper.jp/events/139186

JaSST'22 Tohokuで好評だった招待講演をワンコインでもう一度聞けるイベントという非常に貴重なイベントでした。

講演を聞いて学び/気づきになった部分

この講演を聞いて、どれも勉強になることが多かったのですが、その中でも個人的に学び/気づきになった部分を記載します。
資料のスライドページに沿って、書いていきます。

テスト自動化の目的(スライド7,13-16)

これらのスライドでは、以下のように説明しています。

自動化の目的は活動スコープによって変わる
■ テスト担当者に閉じた目的
■ チームレベルの目的
■ ビジネスレベルの目的

またチームのニーズ・シーズ・制約、チームの状況によって達成できる目的が変わる。
そのため、それらの要素を整理し、ステップバイステップで目的達成を目指すべき。
https://speakerdeck.com/goyoki/success-factors-for-test-automation

いままで私は活動スコープで言うと「テスト担当者に閉じた目的」しか考えていなかったことに気づきました。

またビジネスと紐づけて説明すれば、自動化の導入も検討しやすくなると思ったのと同時に、ちゃんとチームのニーズ・シーズ、制約を整理しなければ自動化はうまくいかないと改めて認識させられました。

費用対効果を高める活動(スライド18-25)

この部分ではテスト自動化の費用対効果を高めるために必要な活動が記載されていました。
個人的には何が重要なのかまではなんとなくわかっていましたが、このスライドに記載されているレベルまで具体化出来ていなかったため、非常に勉強になりました。

【とくに勉強になった部分】

自動テストにとってのテスタビリティ(試験性)を高める(スライド19

このスライドでは実践ソフトウェアエンジニアリングに記載されている品質特性定義の1つである試験性を、井芹さんがテスト自動化に当てはめたスライドです。

具体化されており、自動化を検討する際はこのスライドを再確認しようと思いました。

内部品質を作りこむ(スライド21

このスライドも詳細に記載されています。
テスト自動化の重要な要因の1つである保守について記載されているので、ここも非常に勉強になりました。
ただこのスライドを見て、開発知識をある程度持っていないと検討できないことだなと感じました。
開発経験がない私にとって、非常に胸の痛い内容でした。。

テスト自動化の計画とアプローチを工夫する(スライド22

ここで、井芹さんは「段取りの悪さ」を自動化失敗の要因に挙げています。

  • 自動テストシステムの完成がリリース間際であまり使われないものになる

  • 見積もりが甘い

ここも個人的に胸の痛い内容でした。。
いつも段取りが悪いのでここはちゃんと動かないといけないなと感じました。(プロジェクトマネジメントの勉強が必要だなと。。)
テスト活動でも同じですが、いろいろな人を巻き込まないと行けない部分は同じなのだなと改めて感じました。

自動テストの活用と頻度と幅を広げる(スライド23

このスライドではテストチームだけでなく、いろいろな方が活用することで費用対効果が上がるという説明をしていました。
このスライドで記載している通り、活用方法とその効果をちゃんと伝えることができるとより導入を検討してもらえるのかなと感じました。
個人的にはまだテスト自動化をどう活用すればよいかが明確になっていない方は多いのかなと思います(自分も含め。。)

テスト自動化の成功を支えるチームとしくみ(スライド28-)

ここからのスライドは、自動化を成功させるためのチームと仕組みを説明しています。
個人的には自動化チームを作り上げるというよりかは一人前の自動化エンジニアになるという段階なので、その立場から感じたことを共有します。

テスト自動化の能力を持つ人とチームの確保

このスライドではSETに必要な能力とチームに必要な人材が記載されています。
井芹さんによると、自動化をうまく進めるためには開発技術がかなり重要だとおっしゃっていました。
先ほどもちらっと説明しましたが、私は開発未経験なので、非常に胸が痛くなる内容でした。。
だからと言って、あきらめるのも良くないなと思うのでコツコツと開発技術を上げていきたいと思いました。

感想

この講演を聞いて、改めて自分は「テスト自動化のこと何も知らないな~」と感じました。
今回の講演を1回聞いただけではすべて理解できないと思うので、改めて見直したいと思いました。
またこの講演後のQ&A(詳しい内容は補足に書きます)にて、テスト自動化のスペシャリストの井芹さんでも自動化を取り組むときには結構不安になるということを聞き、そんなすごい人でも不安になるのかと少し安心しました()

学んだ部分にも記載していますが、自分にはまだまだ開発力が足りないと思うので、少しずつ勉強していきたいと思います。

非常に勉強になったイベントだったので、またこういうイベントがあればよいな~と思っています(笑)

再演後のQ&A

聞き取れた範囲ですが、講演後のQ&A内容を記載します。

自動化しやすい/しにくい判断はどうやっているのか

  • 費用対効果が稼ぎやすいか、またテスタビリティが高いかどうかで判断

    • 自動化しやすい部分でいえば、なるべくI/Fが安定しているかつ、費用対効果があるところ

SET/SETIは開発者の方がやりやすいのか

  • 開発者の方がスムーズに自動化を進めやすい。

    • ただ開発者の中にはテスト技術がないため、テスト自動化技術を持った方と並走するのが良い。

テスト自動化を先導する人を専任で立てる必要があるのか

  • テストレベルによって違う。

  • ユニットテストでは不要だが、結合テストやシステムテストの場合は自動化の難易度が難しく、また、継続的に運用しないと費用対効果が出ないため必要になる。

まずどこからの自動化を始めれば良いか

  • CI/CDツールの構築はどこも喜ばれるので、そこから始めるのが良い

    • そこからユニットテストを書き、CI/CDツールで回していけば良い

自動化がうまく回るまでの期間はどのくらいか

  • SET確保できるか/出来ないかによって大きく変わる

  • 開発スキルのないテストチームであれば、かなり長期間になるかもしれない(最悪、失敗する)

テスト自動化を始めようと思う時の井芹さんの感情は?(めんどくさい以外で)

以下の感情になることが多い

  • そのテストは人じゃ無理だと感じる時

  • ロボットみたいと感じる時

  • 人が実施するとミスしそう/結果がバラバラになりそうと感じた時

👆を感じると同時に、テスト自動化は失敗するリスクが多いので不安になることもある

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