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常に価値を示し続けること ~JaSST'22 Kyusyuイベント参加レポート~

2022/11/05(土)に開催されたJaSST'22 Kyusyuに参加してきたので、その内容や感じたことについて共有したいと思います。

おことわり

  • 今回のレポートは非公式なものであり、自分なりに整理したものです。

  • 所感は個人の意見であり、所属企業・部門見解を代表するものではありません。

  • 「こんなこと言っているんだな~」と思ってみていただければと<(_ _)>

本イベントの概要

11月5日(土)開催の JaSST'22 Kyushu では、既存のシステムや採択している技術において、今選択している手法が時代に即しているものなのか、また、理想となる形を常に考え、現在あるものの課題と改善する余地を見つけ、今後5年、10年先を見据えたテストや品質管理を行っていくためにどう取り組んでいけばよいか、皆さまとともに考え、議論できればと思っております。

JaSST'22 Kyusyuの開催概要より

参加目的

  • 普段、テスト自動化関連の業務をしているため、基調講演を聞いて現場業務に活用したい

  • 自動運転にはあまりかかわりがないものの、非常に興味のある分野なので聞いてみたい

聴講したセッションの概要と所感

皆さんの自動テストは改善されていますか?

横断的なチームに所属し、自動/手動テストの基盤開発や開発フィードバックサイクルの高速化に向けた開発を行っている山口氏から、freee株式会社で実施している自動テストの構成と歴史を紹介しながら、運用面で意識していることをお話していただきました。

講演資料は公開されているため、詳細を知りたい方はこちらから確認できます。

【所感】
普段私はテスト自動化の立ち上げやパイロットプロジェクトの支援をメインで行っており、運用面はそこまで携わっていなかったため、今回のようなお話はとても貴重でした。
このセッションを聴講して、自分に足りていないスキルが分かったり、意識していない部分に気づかされたりととても有意義な時間でした。

まず、自動テストシステムの責務が明確になっている部分(スライド13)にfreeeさんのすごさを感じました。
ここまで明確に分けている組織をあまり見ていないため、自動テストシステムを長期的に運用するにはテスト戦略もしっかり考える必要があるなと思いました。

また山口氏は自動テストシステムの利用を拡大してもらうためには、開発チームに自動テストの価値を示し続けることを意識しているとお話していました。(スライド23
自動テストをうまく運用するためには保守性が重要であるということしか私は捉えておらず、その先の価値までは考えていませんでした。
利用者にとってどのような価値があるかを考えなければ、無駄な取り組みをしてしまうなと危機感を持つことができました。

最後にfreeeさんの自動テストシステムの改善の歴史を紹介していただきました。(スライド30~56
その紹介から、もっと学習すべき分野があるなと分かりました。
1つはデータ分析のスキルです。
改善をするためには日々のモニタリングが必要であり、freeeさんも日々のデータを取得して改善活動を行っていました。
現状の業務では簡単な自動化実装だけで完了する部分もあり、そこまで取り組んでいませんでした。
ただ、長期的に自動化に取り組んでもらおうという視点からみるとこの分野は必要だなと感じれました。

2つ目はCI/CDツールの運用知識です。
やはり効率化のためには並列実行が必要になってきます。
私のスキルで言うと、とりあえずJenkins/CircleCIで動かすという段階なので、もっとCI/CDツールを活用できるように学習していきたいと思いました。

このセッションを聞いて、いろいろとやらなければいけないことや足りていないスキルがたくさん判明しました。(まだまだだなぁと。。)

今の業務上、私のできることとしては、テスト自動化導入のハードルを下げることだと思うので、テスト自動化技術を学習して、導入してもらえるように資料などを作成していきたいと思います。(DockerとかCI/CDツールあたりを勉強しようかなと思います。)

自動運転ソフトウェアの大規模シミュレーションサービスの立ち上げとこれから

株式会社ティアフォーが開発している自動運転システムソフトウェア(Autoware)の自動テスト環境(CI/CD)を紹介しながら、現状の課題とこれからを共有していただきました。
Autowareの開発ではリファレンスデザイン(以下、RD)を活用しています。株式会社ティアフォーではソフトを変更しても各RDに影響がないことを確認するために、様々なシミュレータを用いて検証しているとのことです。
検証で使用しているシミュレータについて、その1つが動画で紹介されています。

自動テスト環境では、Github Actionを活用しています。
このように自動化環境を構築していますが、まだ手動で作業している部分があったり、各RDごとにシナリオを再利用出来ないなどの課題があるとのことです。
今後としては、デジタルツインの挑戦、メトリクスの活用や並列化による恋率化を進めていきたいとお話していただきました。

【所感】
個人的には自動車業界とはかかわりがなかったですが、実際のシミュレーション検証の動画や検出した不具合などを見せていくなど、貴重な情報を共有していただいたなと感じました。
まず、自動運転のソフトウェアがOSSで開発されていることに驚きを感じました。(気づくのが遅すぎたかもしれない。。。)
まだまだ自動テストシステムは作っている段階であったが、その途中経過を見てもすごく進んでいるなと感じました。

ただ、自動化を進める上での課題や今後のチャレンジしたい内容は、普段のテスト自動化と同じような道を進んでおり、業界は違ってもテスト自動化の進め方は変わらないんだなと感じました。
どの業界でもCI/CDツールの活用が必須であり、もっと学習していかないといけないなと思いました。

ライトニングトークス

このセッションでは4名の方にLTをしていただきました。
ペアプロ、静的解析ツール(SonarQube)、VDM形式仕様記述と機能共鳴分析FRAMによるテストシナリオ分析や探索的テストの効果等様々な分野のお話がありました。

現在公開されている資料を貼っておきます。

【所感】
このセッションで紹介された技術を現場で深く実践したことがなかったため、「こういう使い方もできるのか」「静的解析ツールやってみようかな」という小並感の感想ですが、今後の現場業務で活用できそうだなと思うきっかけになるセッションでした。

全体の感想

今回のセッションを聴講して、自分があまり意識していない部分や足りないスキルを見つけることができ、非常に有意義なイベントでした。
JaSSTはオンラインでしか参加したことないので、いつかはオフラインで参加してみたいなと思いました。

他にもJaSSTイベントは開催されるため、気になる方はご確認していただき、日程が合えば参加してみてください。

参考資料

JaSSTについて

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