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風庵紗良/亜矢
2021年12月14日 14:57
時々、自らの出生を恨みたくなる夜がある。もう過去には戻れないと分かっておきながら、ぐずぐずと考えてしまう。もう進まなくてはならないのに、後ろを振り返っては悲しくなる。私は前に進めなかった。独りで人生という長い旅路を進もうというのはあまりにも長すぎるのかもしれない。でも「誰かのお荷物になんてなりたくない」というくだらないプライドを捨てきれなかった私は、長らく安心できる居場所を持た