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明るくて、少しだけ寂しい

北国の冬の夜は明るい。

皆が陽気という意味ではない。
光が明るいのだ。

それは、あたり一面を真白に覆った雪のせいだ。

流れる車のヘッドライトは、真白な道路に光のウェーブをつくり出し、テールランプはゆらゆらと路に揺れている。
信号の光、街の灯が、その白に眩しく反射し、街行く人々の服装がダーク系の色が多いのと対象的に、街はなんだか明るく華やぐ。
いつもの街、いつもの路がまるでステージの上みたいに。

人々が家路につき、行き交う車も人影もめっきり少なくなると、シンシンと降り積もった雪は、街灯の光に照らされオレンジ色に怪しくキラキラと光だす。
雪を踏みしめるギュッギュッという音だけに包まれた世界。
信号機の点滅と、たまに通り過ぎる車のライトが、オレンジ色と混じり合って滲む。
妙に静かで、そして明るい。

北国の冬の夜は明るい。
それでいて、少しだけ寂しい。

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