シリーズ:コロナと激動の消費者心理【10-12月期調査⑤】若者がブランド物を爆買い!?リベンジ消費の兆し
企画・製作 株式会社矢野経済研究所 未来企画室
このシリーズでは、WEBアンケート定点観測調査(年4回実施)をもとに、日本の消費者の消費・心理・生活がコロナ禍でどのように変化したのかについて、気になるトピックを調査ごとにお届けしています。
当シリーズ投稿の趣旨や出典元の消費者調査につきましては、初回の記事でご紹介しておりますのでご覧ください。
若者がブランド物を爆買い!?
「宝飾品・貴金属、高級腕時計、高級ブランド」の購入率と購入の見通しを調査した。下図は世代別の結果を示している。
今回10-12月期調査では、宝飾品・貴金属、高級腕時計、高級ブランドを購入した人の割合が、ゆとり世代とプレッシャー世代の若年2世代で急激に上昇した。
詳しい原因は分からないが、ワクチン接種が普及し、第5波が収束したことで、外出が活発化し、他者との交流や比較が増える中で、自身を装飾する宝飾品等が欲しくなったと考えられる。コロナ禍で使えずにたまっていたお金を今回一気に消費に回す、いわゆるリベンジ消費として、ブランド物などが売れたと考えられる。ただし、増加幅があまりに急激であるため、何らか特別な要因がある可能性が高そうだ。
最近の若者消費において、ブランド物を購入するということは、実はそれほど負担の大きい行為ではなくなっている。メルカリなどのフリマアプリが普及し、中古で売りやすくなったためだ。実質の負担額は再販する価格との差額でよい。したがって、むしろ再販する時の価値、すなわちリセールバリューが下がりにくいブランド物の方が、合理的な買い物になっている。今回、そうしたことも、若年2世代での消費急増に影響を与えていると考えられる。
今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。