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【あおの奇跡】その時(脳死)について「決めておくこと」

海外での心臓移植を選択した場合、日本人は保険が効かないため何億円もの膨大な費用が掛かります。

その費用を集めるために、両親と救う会が必死に募金活動を行い、多くのご支援の中で渡航し、やっとアメリカの移植を待つ子供たちの後ろに日本人の小児が並ばさせていただくことになります。(費用が高額なのは保険が効かないからであって、決して順番に割り込む費用ではありません。)

また、2008年のイスタンブール宣言では「自国の臓器移植は自国で賄う」となっており、本来、国際ルールからは外れますが、アメリカの一部の病院がその選択肢(心臓移植)しか無い海外の小児を年間5%以内で受け入れている、というのが現実です。

今は世界的な物価上昇や円安の影響もあり、今回の募金金額5億3千万円のようにどんどん高額化する海外での心臓移植を今後いつまで選択できるかは分かりませんし、やはり、国内のドナー数が増え国内で心臓移植が賄える社会が良いと私は考えています。

そのためにも心臓移植で苦しむ小児と家族が多く存在すること、
世の中に知られることなくひっそりと命が失われていること、
海外臓器移植を選択しても亡くなってしまう命もあること、
こういった事実をあおちゃんをきっかけに多くの日本人に知ってもらいたいと考えるようになりました。

脳死により失われる命があるからこそ、心臓移植で助かるということの難しさは勿論あり、決して臓器提供を推奨する話ではありませんが、

本来、もっと家族の中で脳死や臓器提供について知識を深め話し合うことが必要だと感じています。

突然、家族にその時(脳死)が訪れた際、完全に死に至る数日間のわずかな時間の中で、臓器提供の有無を家族がその場で決めるのは非常に困難だと思います。

想像して欲しいのです。

まだ体温があり見た目は生きている家族に対し、いきなりお医者様から「脳死です」と告げられた時のことを、、

だからこそ、脳死とは何なのか?国内心臓移植の現状、臓器提供意思表示について、家族の中で日頃から話し合い「知っておく」「決めておく」ことが大切だと思います。

そして、脳死について家族や学校や国など多くの場で日常的に会話され、多くの国民の理解が進み、結果として国内で心臓移植が行える環境が整い、2つのうち少なくとも1つの命を繋ぐことができるようになる。

あおちゃんが大人になる頃には、そんな社会になっていてほしいのです。

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