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【閑話】:「ミクロ・マクロ・ネットワーク」のリズムで「過去の物語」を読み解く

 前編(過去編)は、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」のリズムで未来を読み解く「イメージ」を構築できるよう、過去を物語りとして読み解きます。

●「ミクロ・マクロ・ネットワーク」のリズム

 過去・現在・未来を読み解き、物語の構築に使う道具が「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルです。

 「ミクロ・マクロ・ネットワーク」モデルとはどういうものでしょう。「細胞(ミクロ)」の動的ネットワークが集まって「人間(マクロ)」を構成し、「人間」のまわりには「地球環境」や「社会環境」などの「環境」があってその影響を受けて生活をしています。その「人間(ミクロ)」もまた動的ネットワークをつくって「社会、経済(マクロ)」を構成している。同様な視点で、原子、分子、生命、脳、メディア、社会、経済をとらえ直してみると、より小さいネットワークが「ベース(プラットフォーム)」となって、より大きなネットワークをつくって「複雑化」していく、そして次の「複雑化」のフェーズに入る直前に「大きなストレス」が溜って雪崩がおきるという「リズム」を繰り返していることが分かります。

ミクロ・マクロ・ネットワーク2

       図1. ミクロ・マクロ・ネットワークのイメージ

  

ヒトネットワーク

        図2.ヒト・ネットワークのイメージ

●「均衡状態」と「適応変化」

 「ミクロ・マクロ・ネットワーク」では、周囲の「環境」が大きく変化しネットワークに「ストレス」がかかると、最もエネルギーを少なく維持できる「均衡状態」となるよう「ネットワーク構造」を「適応変化」させます。一旦、「均衡状態」にネットワークが落ち着くとその状態を「記憶」し、わずかな環境変化ではネットワーク構造を変えない「維持する力(保守性)」が働くようになります。この「均衡状態」・「記憶」・「維持する力」⇒「大きなストレス」⇒「適応変化」が、「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の「複雑化」の「リズム」を刻みます。

 恒星や超新星爆発での原子の誕生、生命進化、社会の構造変化、メディアとヒト(脳)の共進化などです。

●「プラットフォーム」の上に新たなネットワークをつくる

 環境変化の度合いによりますが、通常、一旦構築してしまった「ミクロ・ネットワーク」の状態を維持して「プラットフォーム」とし、それをベースとして「マクロ・ネットワーク」が「適応変化」する傾向があります。

 例えば、光合成生物が誕生して酸素が増えるという急激な「ストレス」がかかり、窒素などを呼吸していた嫌気性生物は猛毒の酸素に囲まれ絶滅の危機に瀕します。絶滅の直前にあった嫌気性生物は、呼吸によりエネルギーを得るという「プラットフォーム」を維持しつつ、酸素によりエネルギーを得る仕組みに細胞のネットワーク構造を「適応変化」させることにより新たな「均衡状態」をつくり、酸素により膨大なエネルギーを生産できるようになった生命が多細胞生物などのあらたな「複雑化」の道のりを歩むことになります。

●前編執筆にあたって

 前編では、過去の物語を「ミクロ・マクロ・ネットワーク」のモデルの視点で再編集することにより、

 ・「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の営みを理解する
 ・「韻」・「リズム」を自分なりに体感する

ことを狙っています。脳内に未来を読み解くための「イメージ」を構築するためです。

 全部を読まなければ理解できないというわけではないので、気になったテーマについて参考書籍を深掘りし、広げてみるというのも良いかと思います。

 前編を執筆するにあたって同じリズムで理解するため、以下を執筆方針としています。

【前編執筆方針】
・縦横ネットワークを記述
 部分(ミクロ)の相互作用(コミュニケーション)、それによって生じたマクロな実体・事象、それを発生させた環境条件や環境変化(ストレス)について時間軸のシナリオ、それが次の時代に与える影響を記述。

・冗長な表現を避ける
 「~と思う、考える」「~と言われている」「~という仮説がある」といった表現を排除。
(大抵は、解明困難な事象をテーマにしているので、過去に遡るほど仮説の度合いが強くなります)

・独立したコンテンツ
 把握しやすいように時間軸に沿って記述するが、どの順序で読んでも良いように1000文字前後の単位で完結。

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