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フューチャーリテラシー :「可能性の未来」を読み解くために

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本マガジンでは、2022/12/12に出版した、『フューチャーリテラシー Futures Literacy :過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために』についての情報を掲…
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#メディア論

書籍『フューチャーリテラシー 』関連情報リスト

Futures Literacy :過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために 本マガジンは、2022年12月12日に出版を契機にリスタートいたしました。 書籍『フューチャーリテラシー Futures Literacy 過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために』に関連する情報を掲載していきます。 【記事】1)『フューチャーリテラシー』出版記念トークイベント開催(12/20) 【読書のポイント】1月)宇宙・生命・脳の進化に見る、ネットワーク連鎖の入れ子構造

ヒトと文化・メディアの共進化

1.「集団とコミュニケーション能力」の共進化へ●人類進化の源泉,オルドヴァイ渓谷 今も続く進化のホットスポットのひとつ「アフリカ/グレート・リフト・バレー」。多くの哺乳類の進化をうながし,類人猿からヒトへの分岐は西リフト・バレーと東リフト・バレーに囲まれたオルドヴァイ渓谷にはじまる。 1000~500万年前,地下マントルの上昇によってアフリカ大陸を引き裂くように巨大なグレート・リフト・バレーの谷とそれを囲む高い火山がうまれ,そのいくつかから放射性元素を含むマグマが噴出する

未来創造につながるコミュニケーションの歴史編:ダイジェスト

「未来」を読み解くために、なぜ過去の歴史を読み解く必要があるのだろう。 1)「未来」は「過去」からの流れの上にある 未来を読み解くときには現在の注目する事象と変化があり、それが起きた要因は過去に、そしてそれが未来へとつながる。可能性の未来を読み解くには、それにつながる過去からの道筋を読み解くことが近道となる。 2)ネットワークの基本的なパターンをつかむ 物理は化学の、化学は生命の、生命は社会のネットワークを構築してプラットフォームとなり、プラットフォームの上に新たなネ

オンラインRPGという自由物語世界(1997年)

●とある冒険者の日々 冒険者を夢見るエルフの少女がいた、名をClariceという。厳つい甲冑に身を固めた戦士たちが、鍛錬のために危険な地下のカタコンベに潜り戦っている中を、場違いな緑の布服と弓という軽装で死人(シビト)たちを狩っていた。なぜ重装をしないのかと問われると、汗臭くて重い甲冑が嫌いなのだという。  いつものように狩りをしていると、呪文とともに突然ゲートが開き中から存在するはずのない上位死霊魔法使いリッチーが現れた。プレイヤー狩りをする盗賊たちの仕業だ。逃げ惑う戦士

ロールプレイングゲームという仮想世界

 ゲームは、人と人の知的コミュニケーションとイマジネーションのツールとして紀元前より深くかかわりを持ってきた。現代の花形、ロールプレイングゲームは、なぜヒトを魅了し続けるのだろうか。 ロールプレイングゲームという仮想世界 最も古い時代の遊戯盤は紀元前3000年頃のものが残されている。例えば、古代エジプトで遊ばれたツタンカーメンのゲーム盤として有名な「セネト」は、1対1で対戦する双六、バックギャモンのルーツであり、相手の移動を阻むことができることから、偶然だけではない戦略性が

【閑話】:ヒトと道具の共生って?メディア論おさらい

 「ヒトと道具の共進化」がヒトを進化の枝から分岐させ、「脳と道具(メディア)の共進化」「言葉と脳の共進化」がヒトの「思考」を変化させる。「ヒトと道具(言葉)の共進化」は「文化」をつくる。世代を超えて「文化」を伝える遺伝子として「ミーム」を提唱したドーキンスの着眼点に今更ながらに唸る。[3] 整理してみよう 【ヒトと道具の共進化】 ・ヒトは環境変化に「道具」を発明・改良して適応する。  ・「道具」は「文化」を形成し、世代を越えて伝えられる。  ・「道具」は、利用の学習に

知的生産のための道具:MacとHyperCardの描いた小世界

 それは、未来につながる「新しい言葉」の始まり、言語を描くためのキャンパスだった。 ●MachintoshとHyperCardの描いた小世界 2人のアーティスト、スティーブン・ジョブズとビル・アトキンソンらの手によりAltoを道標としたMachintoshが(1865年)、ハードディスクを搭載したパーソナル・コンピュータMachintosh Plusが発売され(1986年)、さらにマルチメディア・オーサリング環境HyperCardが搭載される(1987年)。 【Machi

知的生産のための道具:ヒトとコンピュータの共生

 ディスプレイとキーボードをつないで「コンピュータと対話する」ことが笑われる時代に「ヒトとコンピュータの共生」の実現に向けたチャレンジはじまる。 ヒトとコンピュータの共生[1] ソ連のスプートニック号打ち上げ成功(1957年)を契機に、1958年NASA(アメリカ航空宇宙局)とARPA(アメリカ国防高等研究計画局)が設立され、アメリカの科学技術を大きく加速する。ARPAには、リックライダー(1962年)、エンゲルバート(1962年)、アランケイ(1966年)らが集結し、タイ

エジソンの光がコンピュータとヒトの未来を灯す

 計算機の演算速度と精度の加速に連動して社会構造や道具の複雑度が加速し、相互作用の螺旋にのって近代社会が急激に変化する。 ●真空管が電子機械の扉をあける エジソンの電球実験(1883年)から生まれたフレミングの二極真空管(1904年)、次いで電子スイッチや増幅器(アンプ)のもととなるフォレストの三極真空管(1906年)が電子機械の扉をあけた。  ・ホレリスのパンチカード式集計装置(1890年)をIBMが受け継ぎ(1911年創業)データ処理入力の標準方式として広め、  ・ベ

【閑話】「メディアとヒトの誕生」つらつらと考える

 複雑系な話しをそのまま記述できて、そのまま理解してもらえればいいのだが、なかなかそうもいかない。n次元空間を2次元に投影する「ゲルニカ」さながらの日々。過去から現在に向けて直線で書いていると、方向性を見失うので、軸になる空間に碁の石を置くように書き進めている。  で、調査もしないで放置していた「コンピュータの誕生からアランケイ」あたりを書いてみようと思い立ち、となるとメディア論あたりも整理しなきゃいけなくて、だとすると「活版印刷」と「西洋思想」あたりか、いやいや「言葉」っ

正確な計算を行う機械:苦悩の歯車コンピュータ

 ヒトの営みが複雑化するに伴い、高速に、正しく演算することの需要 -- 数学・物理学・天文学などの科学演算、収穫を予測し、正しい航路を導き、商業を営む必要 --が、計算装置を生み出した。 歯車で稼働する苦難のオートマタ  農業によって巨大化した王国を統治する必要が、初期の計算装置を創らせる。納税を計算し、それを予測するための河川の測量、天体観測、また巨大建造物を建築するために小石や算木を並べ、計算結果を数表として使い、さらに算盤「アバカス(ソロバン)」が使われる。以降、長き

「書く言葉」で得たこと、失ったこと

 ヒトは「書く言葉」を発明したことにより、要素に分解して再構築する論理的な思考法=科学的な思考法を手に入れた。 ●「声の言葉」の語り手と聞き手の思考  「声の言葉」を操る語り手は、過去の常套句や慣用句、ことわざ、語りを用いるためにあらゆる知識を記憶する。さらに聴衆を惹きつけるアーティストとしての感性をもって、劇的な手法(抑揚・身振り・表情・言い回し)を効果的なタイミングで使い分ける技能を訓練し語りかける。  「声の言葉」の聞き手は、周囲の環境、聴衆の雰囲気、劇的な音響や視

「言葉」が変わると考え方も変わるということ:「言葉」使いとともに成長するヒトの「意識」

 ヒトは生まれた後に何年もかけて「言葉」を覚え「意識」し、自身に問いかけ、そして他者とのかかわりの中でしだいに「語彙」と「文法」を増やし、社会生活の中で「言葉」と「意識」を作り変えてゆく。 ●「言葉」使いとともに成長するヒトの「意識」  ヒトは、誕生から3年、10年、20年以上かけて、「言葉」の扱い方を学習・習熟する。最初は親に自分の欲求を伝えるために、しだいに他者と協調生活をするために「言葉」使いを覚える。「言葉」の扱い方が変わるということは、脳内での意識(認識・想起・思

「言葉」が変わると考え方も変わるということ:「コミュニケーション」とともに進化する「言葉」

 ヒトは、脳内の「イメージ」「感情」「意識」「経験」を「声の言葉」に乗せて相手とコミュニケーションをとりながら、「分業」とそれをつなぐ「言葉」を共進化させてゆく。 ●「言葉」を相手に伝えるということ 「言葉」は「思考」の「道具」であるとともに、他者・集団との「コミュニケーション」の「道具」でもある。  「言葉」は、「音声」に翻訳することにより脳内にある「イメージ」「感情」「意識」「経験」を外在化し、ヒトからヒトに伝えることができる。最初の「声の言葉」は「感情」の認識(意識