みどりの肌

種をとらなくなって
しばらく経ったらしいな
空を覗かなくなって
首が凝ってしまった
擦れる音がほしくて
余計に探すことがあったよ
そして考えるのは
きみのこと
大きな雀蜂の死骸が
転がっているまどべ
わたしたちが恐れたのは
乾燥した仔犬のふんで
気付かぬうちに
桜の花が降り積り
窓は軋んで
こないだ見たら木枠が割れていた
取り返しのつかないことは
ないよ
ないよ
「急行列車が通過します;ご注意ください」
毎週木曜日
良い子のやくそく 守れなくて
大きなひすいの玉を
呑んで心臓に入れてた
茨の道から救われる絵で
泣いてしまったよ どうして?
「はなれていても げんきでね」
を書けない子の手紙
に見えてしまったの
パズルのピースが融けてしまっても
不正解だなんてもう言わせないで
苔がむして 元のかたちはみえないね
それで 大好きってわかるから
忘却が甘いうちに
ひすいのみどり、沈めよ沈め

短歌や散文詩、曲を作ります。スキやフォローしてくださる方本当にありがとうございます、励みになります。ブログもやってます。