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違う価値観を持った嫁さんが僕の視野を広げてくれた

ここからちょっと、嫁さんの話をしていこうかと思う。
これまでも何度か、このnoteのなかで触れてきたけれど、嫁さんとの出会いが僕の人生においてものすごい沢山のことを気づかせてくれたことは間違ない。

以前にもこんな記事を書いたけどね。

僕と全く違う環境で育った

これまでも書いてきたように、僕は、東京生まれの東京育ち。
父親は高校教師、母親は尋常小学校の校長先生の娘として生まれ、親せきには教師がゴロゴロいるという環境だった。
七つ年上の双子の姉はとても成績が良く、中学校の先生たちの中には伝説の双子姉妹として記憶している人も多かった。
時代は超学歴社会で受験戦争が最も激しい時代に育った僕は、当然のように、将来のために受験戦争を勝ち抜くことが大切であるという価値観のもとに育てられた。
そして、国立大学の大学院を卒業して、誰もが知っている一流企業の関連会社でエンジニアとして働くようになった。

一方で、僕の嫁さんは全く違う環境で育った。
彼女は僕より四つ年下で、長野県の北部に位置する木島平村というところで生まれ育った。
木島平村は、冬になると雪が沢山降る。山に降った雪は、雪解け水となって豊富に流れてくる。冷たい雪解け水が豊富にあるので、コメ作りに適している土地なのだ。
そんな土地柄なので、農業を営む人が多い。
スキー場がすぐそばにあるので、民宿を営んでいる人も多い。
嫁さんの実家も、スキーブームのころに民宿を始めた。
農業と民宿と、それから、お義父さんは農協の職員という環境だった。

農業をやるにも、民宿をやるにも、学歴はさほど重要ではない。

民宿を経営するお義母さんの手伝いをするなかで、料理を作ることに興味を持った彼女は、高校を卒業して上京し調理師専門学校に入学した。

専門学校を卒業後は、パティシエを夢見て、修行できる環境を求めて職場を転々と変えていた。僕と知り合ったころには、日本におけるシュガークラフトケーキの第一人者の会社でパティシエとして働いていたのだ。

彼女は、子どものころから学歴には興味がなかったし、それを求められるような環境でもなかった。
それに、勉強も好きではなかった。
嫌いなことはやらない、でも、興味を持ったこと、好きなことには純粋にのめり込んでいく。
自分の気持ちに正直に生きている人だったのだ。

僕が教えられた生き方とはまるで違う人生だった

僕の両親は、しっかりと勉強して、将来のことをちゃんと考えて足元を固めて、安定した収入を得て、それを継続することが良い生き方だということを、繰り返し僕に教えていた。
少なくとも、僕はそういうメッセージを受け取った。

しかし、嫁さんは全く違っていた。
好きなことはとことんするけれど、嫌いなことはしない。
将来のことは考えてもわからないから考えない。
より良い職場を求めて職場を転々と変えても構わない。
そんな感じなのだ。

僕が、「そういう生き方はダメだ」と教わっていたような、まさにそのままの生き方をしていた。

それでも、長野の田舎から出てきて、自分がやりたいように生きている彼女を見て、「なんだ、こういう生き方でもちゃんと生きている人がいるじゃないか。」と思わせてくれた。

彼女と僕は、育った環境があまりにも違ったので、違う価値観をもっていたのだ。
違う世界に生きていた、と言ってもいいかもしれない。

出会いはスポーツクラブのトライアスロンサークル

そんな、まったく違う世界で生きていた僕たちがどこで出会ったかというと、それは、新宿にあるスポーツクラブのトライアスロンサークルの忘年会だった。

僕は、そのサークルの初期のメンバーだったのだけれど、福岡に転勤となって3年間のブランクがあった。

3年後に東京に戻ってきたのだけれど、仕事が忙しくてなかなか顔を出せないでいた。
そんなときに、スポーツクラブのスタッフだった友人から電話がかかってきた。

「東京に帰ってきてるのに、なかなか顔を出してくれないじゃないか。今度忘年会があるから、それには参加するように。絶対に来いよ。」

顔を出さなかったもう一つの理由は、3年前とはメンバーがかなり入れ替わっていて、僕の知らない人ばかりになっていたからだ。
そんなわけで、顔を出すのが億劫だったのだ。
しかし、直接電話がかかってきたのをきっかけに、久しぶりに顔を出してみようかと思った。

久しぶりに参加した僕は、知らない人ばかりの中に放り込まれることになったのだけれど、その時に僕の隣に座って、気を使って盛り上げてくれたのが彼女だったのだ。
彼女のおかげで、その日の飲み会は気分良く終わることができた。

その後、そのサークルにちょくちょく顔を出すようになった僕は、当然のことながら、彼女とも顔を合わす機会が増えていったのだ。

趣味の繋がりが違う世界の人に会わせてくれた

趣味の繋がりはとても大切だと思う。
違う世界に住んでいる人と会わせてくれるからだ。

中学を卒業すると、同じような世界に住んででいる人にしか会えなくなる。
同じような学力の人間が集まり、その後の人生も似通ってくる。
さらに、同じ業界の勉強会などでも、似通った人にしか会えない。

でも、趣味の集まりは違う。
本当に、様々なバックグラウンドを持った人に会わせてくれる。
こういう出会いが、人の視野を広げていってくれる。

人は、人の間で成長していく。
自分とは違う価値観に触れたとき、視野が広がっていくんだ。

嫁さんとの出会いが、僕をどんなふうに変えていったのか。
その話は、今後ぼちぼちと書いていきたいと思う。

(つづく)


自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!