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アーカイブズ研究活動報告

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広報室建学史料室研究員の建学史料室研究プロジェクト「近畿大学の大学アーカイブズと校史関係史資料の収集・整理に関する調査・研究」における史資料調査や研究会などの活動報告を掲載してい… もっと読む
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研究会報告(令和5年12月9日 第3期第3回 通算第28回)

 議事に先立ち、Zoomのブレイクアウトルームを使って、少人数グループでの交流を5分間、「Web 化後の広報誌に関する感想」のテーマで実施した。  藪下信幸研究員の司会によって進められ、議題1(研究報告)として、2つの研究報告が行われた。  第1の研究報告は、荒木康彦特別研究員による「前身校専門学校に於ける『御真影奉戴』と奉安施設について」であり、昭和15年(1940年)に本学の前身専門学校に於いて「御真影」が奉戴されたプロセスを、一次史料に基づいて詳細に解明した内容であった

研究会報告(令和5年6月2日 第3期第2回 通算第27回)

 第3期第2回研究会は上﨑哉研究員の司会によって進められた。  議題1は本日の進行に関する提案であった。冨岡勝研究員より、研究会のオンライン開催では出席者の情報交換などを行うことが困難なため、Zoomのブレイクアウトルームにて5分程度の近況報告などを今回試験的に実施したいという提案趣旨が説明された。出席者からの異論がなかったため、議題2である各グループでの交流を行った。  議題3は、研究会の進行に関する協議であった。①記録及び広報誌記事の確認手順、②研究会の司会及び記録の分担

研究会報告(令和5年2月17日 第3期第1回 通算第26回)

 勉強会は、今回から「研究会」として開催することになった(これについては後述する)。  冨岡勝研究員の司会によって進められ、議題1は研究・調査が2つ報告された。  まず、荒木康彦特別研究員による校史関係の学外史資料調査「前身校のキャンパス変遷に関する諸史料」の報告が行われた。前身専門学校の校舎建設や敷地に関する公文書等の一次史料を綿密に検討しながら、荒木特別研究員がこれまで発見・入手した前身専門学校等の絵葉書(「日本大學大阪中學校落成記念」絵葉書を含む)や「学則要覧」掲載の校

アーカイブズ調査・研究 第2期の活動報告

はじめに  この記事で、広報室建学史料室の研究プロジェクト「近畿大学の大学アーカイブズと校史関係史資料の収集・整理に関する調査・研究」(以下、アーカイブズ調査・研究と略)の第2期の活動について、調査・研究を担当した一人として報告したい。  なお、この調査・研究プロジェクトでは組織または個人の活動記録を保存する施設のことを当初は「アーカイヴズ」と表記していたが、令和4年(2022年)2月7日の第2期第15回(通算第24回)勉強会で、「アーカイブズ」の表記へ変更した。そのためこの

令和3年度(2021年度)学内研究会開催報告

タイトル:大学における書類(文書)管理の効率化 日 時 :令和4年2月25日(金) 13:30~14:40 講 師 :後藤秀彦氏(マネジメントシステムコンサルタント) 方 法 :Zoomウェビナーによる配信  講師の後藤秀彦氏は、本学総務部で文書管理コンサルティングをされている。本講演では、米国流レコードマネジメントシステム(文書管理システム)の考え方に基づく、実用に耐えうるシンプルな文書管理システムについて、本学総務部の活動を事例にして述べられた。  事務棟(1号館)建

勉強会報告(令和4年2月7日 第2期第15回 通算第24回)

 今回の勉強会は田窪直規研究員の司会により進められた。  議題1は前回勉強会(令和3年7月29日)から本日までの状況報告であり、教務上のコロナ対応などが続き、本プロジェクトが予定通り進捗していないという説明が冨岡勝研究員からなされた。  議題2は100周年誌編纂委員会と同委員会の「アーカイブ構築作業部会」の活動報告であった。100周年誌編纂委員会と同委員会の「アーカイブ構築作業部会」については田窪研究員・冨岡研究員から、「100周年誌編纂WG」については田窪研究員・冨岡研究員

翼賛選挙に於ける同交会の動向:校史関係の学外史資料調査➀

第2期第15回(通算第24回)勉強会報告  世耕弘一先生の「同交會之記」を手掛りにして、昭和17年4月30日に実施された第21回衆議院議員総選挙、いわゆる翼賛選挙に於ける同交会の動向に関する一次史料を多数採取した。特筆すべきは、アメリカ合衆国の国立公文書館(National Archives Records Administration)所蔵国際検察局(IPS)関係文書の中から翼賛選挙運動中に蒙った甚だしい妨害や弾圧の実態を世耕弘一先生から聞き取った非常に貴重な英文史料を発

「學則要覧 日本大學専門學校」:校史関係の学外史資料調査➁

第2期第15回(通算第24回)勉強会報告  「學則要覧 日本大學専門學校」と題するパンフレットを発見・入手出来た。サイズは縦約19センチ・横約13センチで、表表紙・裏表紙を含めて8葉から成り、表表紙の見返しから裏表紙の見返し迄に頁付け(「(2)」~「(15)」)がなされている。表表紙には「學則要覧 日本大學専門學校」、 「大阪市外長瀬 電話小阪一〇一番」と記されており、しかも表表紙から裏表紙にかけて当時の3階建て校舎の前面の画像が印刷されている。発行年月日は印刷されていない

勉強会報告(令和4年7月2日 第2期第16回 通算第25回)

 今回の勉強会は井田研究員の司会で進行された。  議題1は荒木康彦特別研究員による校史関係の学外史資料調査①「自校史に於ける災害について」、および校史関係の学外史資料調査②「近畿大学の新制大学としての設置認可の経緯」の報告であった。  学外史資料調査①の報告は、昭和9年の「室戸台風」や昭和20年の大阪大空襲による前身校の被害についての史料を博捜した結果、これらに関する一次史料等を発見して、従来不明であった具体的な被害状況や空襲の具体的な日付などについて詳細に解明できたという内

自校史に於ける災害について:校史関係の学外史資料調査➀

第2期第16回(通算第25回)勉強会報告  「近畿大学 創立70年の歩み」(近畿大学 平成7年)収録の「学校法人近畿大学沿革」によれば、「昭和9年9月21日 室戸台風により校舎大被害」、「昭和20年6月 空襲により校舎一部罹災する」となっている。昭和9年9月21日の「室戸台風」による「校舎大被害」とは、具体的にはどの様な状況であったのかについて、不分明であり、昭和20年6月の「空襲」の具体的な日付は記載されておらず不明であり、「空襲」による「校舎一部罹災」とは、これまた具体

近畿大学の新制大学としての設置認可の経緯:校史関係の学外史資料調査➁

第2期第16回(通算第25回)勉強会報告  「近畿大学 創立70年の歩み」(近畿大学 平成7年)収録の「学校法人近畿大学沿革」では、新制大学としての近畿大学の設置及びその直後に関しては、次の様に記されている。  新制大学としての近畿大学の認可が何故にこの様な過程を辿ったのかについては、従来全く未解明であった。この点を解明すべく、昭和23年から24年にかけての『朝日新聞』及び『讀賣新聞』に掲載された新制大学認可についての記事から丹念に近畿大学の認可の過程を確認し、国立公文書