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令和3年度(2021年度)学内研究会開催報告

タイトル:大学における書類(文書)管理の効率化
日 時 :令和4年2月25日(金) 13:30~14:40
講 師 :後藤秀彦氏(マネジメントシステムコンサルタント)
方 法 :Zoomウェビナーによる配信
 
 講師の後藤秀彦氏は、本学総務部で文書管理コンサルティングをされている。本講演では、米国流レコードマネジメントシステム(文書管理システム)の考え方に基づく、実用に耐えうるシンプルな文書管理システムについて、本学総務部の活動を事例にして述べられた。
 事務棟(1号館)建設にあわせ、総務部が文書管理制度の構築、文書削減に特化した推進事務局を設立し、後藤氏がコンサルティングをされている。なお、文書削減には、リバウンド(文書量の再増加)防止も含まれている。
 氏はリバウンド防止のため、ソフトウェア(理念、ルールおよび制度運用支援ソフトウェア)、ピープルウェア(6S教育(整理、整頓、清潔、清掃、躾、作法)、点検・監査・改善活動)、ハードウェア(オフィス環境・キャビネット・ファイル用具、PC・スマホ・ネットワーク環境等)の必要性を主張された。6S教育にある「躾」とは、決められたことを正しく守る習慣づけのことである。
 この考えのもと、マネジメント・システム(PDCAサイクルによる計画・実行・監査・改善・継続)を基本とするシンプルで実用的な文書管理システムであるKINDS(KINdai Document System)が構築された。これは、制度的な文書管理支援システムの組み込みのほか、リバウンドの防止も視野に入れたものである。
 現在、KINDSはうまく運用されており、6Sが定着し、リバウンドがない状況ということである。最後に、このような状況を維持するためには、継続的なKINDS運用に関する監査が必要であることを強調された。
 なお、校史に関する史資料については別途整理・保存しているが、これをKINDSにどう位置づけるかは今後の課題である旨にも言及された。

文:広報室建学史料室研究員・近畿大学短期大学部教授  田窪 直規
写真:近畿大学東大阪キャンパス 学内から見た西門


(2022年12月1日公開)


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