![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99116677/rectangle_large_type_2_fe45f9d824d146901afe08f18273db84.jpg?width=800)
漆黒の森の少女
君はうずくまり
全てが終わるのを待っている
見上げたそこには
誰もいない 何もいない
ざわめく音と 刺さる風
君は何かを 誰かを 待っている
*
いつから私は ここでこうしているのだろう
何も始まらないことは知っている
何も終わらないことも知っている
それなのに私は 何かを 誰かを ここで待っている
そこに漆黒の闇があって
音も 光も 香りも 温度も 全てがそこに吸い込まれていく
最後に一筋の光が見えたのは いつ頃だっただろう
*
ここにおいで
大丈夫だから
僕は君と遊びに来たんだ
漆黒の森も君とだったら 言うほど悪いものでもないかもしれない
さめざめと泣く音も 森の風音と重なれば
きっといつか そのまま 愛せるのだから
だから大丈夫
全てを委ねて
深く深く 奥へと進むんだ
そこにはきっと何もないけど
何もないからこそ それをそのまま愛することを 僕たちは思い知るんだ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?