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耳が幸せな話

 最近、ポケットラジオを買った。セールで880円だった。
ブラック企業に勤めていた頃、車のラジオで「スクールオブロック」を聴きながら帰宅するのが数少ない楽しみだったのだが、車を売って以降はずっと聴いていなかった。
いや音泉などのインターネットラジオは聴いていたのだが、何と言うか番組を決めて聴くインターネットラジオとチャンネルを合わせて偶然の出会いがあるAMFMラジオでは違うのだ。
AMFMラジオは音楽番組も多く、最近の曲から懐かしい曲まで色々聴けるし、チャンネルを合わせていたらこれまで出会ってなかった人と出会えたりするのだ。


NHKFMの「ミュージックライン」という番組がある。
月~金曜の午後21時半から23時まで放送されている番組で、毎日ゲストを呼んでMCの南波志帆さんがトークと曲を流している番組だ。

その南波志帆さんの声で毎日耳が幸せなのである。


スピーカーよりイヤホンの方が電池が長もちするのでラジオについてたイヤホン(片耳)で聴いているのだが、とにかく耳が幸せなのである。
どんなお声なのかはぜひラジオを聴いて確かめてもらいたい。
一応説明すると優しくて可愛い耳が幸せなボイスである。声優さんに例えようと思っても例えられる相手が思い浮かばないくらい耳が幸せなのである。

それを毎日1時間半聴けるわけである。


まあ番組自体は曲を流している時間が長いので1時間半ずっと聴いていられるわけではないが耳が幸せなのである。

こうなると気になるのは南波志帆さんがどんな人かという事である。


ラジオは声だけの媒体である。なのでMCの人がどんな人なのか声しか分からない。
福山雅治さんとかももクロちゃんとか声を聞くだけで顔が浮かぶ人もいるが、それは元々顔を知っているからである。
私は南波志帆さんを存じ上げていなかったのでどんな人か知らない。
この耳が幸せなお声の持ち主は一体どんな人なんだろう。
声から人を好きになるという事はあると思う。
今は公式アカウントか何かで、収録語の様子などがアップされているという事がある。検索してみればすぐにヒットすることだろう。
私はちょっとドキドキしながらtwitterで南波志帆さんを検索してみた。

マスクしてた。


まあこのご時世だから仕方ない。仕方がないのだけど、マスクしてると人は顔が分からなくなる。顔、ほぼマスクである。また南波志帆さんがしてたマスクは割と大きめのマスクだった。
私は画像検索を諦めtwitterのホームボタンを押した。広告のツイートが出た。最近のtwitterはやたらと広告が出る。ちょっとしつこい。私はtwitterをログアウトした。

でもまあ相手の顔が分からないままというのもオツなものである。


それもまたラジオの良さな気がする。
声だけ、音だけという媒体だからこその楽しさ、良さというのがある気がする。
ラジオってそれがいいのである。
相手の顔が分からないからこその楽しさ、ドキドキ感というのがある。
世のリスナーには、気になるMCの人の画像をあえて検索しない人もいるのではないだろうか。
そうしてラジオを聴きながらドキドキしたり、幸せな時間を過ごしたりしてるのだろう。
「ミュージックライン」という番組では、1曲だけだがリスナーからのリクエストに応える時間がある。
もうちょっと増やしてほしいなと思うのだが、まだ聴き始めたばかりなのでもしかしたらリスナーからのリクエストデーというのもあるかもしれない。
今月のリクエストは癒しソングということなので私も1曲リクエストした。
競争率は高そうだし、マイナーな曲なので採用されるかどうかは厳しいかもしれないが採用されたら嬉しい。
その時お便りが南波志帆さんの耳が幸せなお声で読まれるのをひそかに楽しみにしている。

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