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【あれこれ】ユニゾンで人生変わった?


好きなアーティストって話したら止まんないですよね。今回は、なすとうまさんの好きなバンドのお話です。(スタッフ・古川)






ユニゾンが好きなんです。
すごく好き。燃え上がるように好きだし、波もあるけど冷める前に何かに気づくかライブが来る。ユニゾンはいいぞ。ライブもいいぞ。

珍しく書くのが不調で、12月に入ってからこれを書いてます。なんもかんも不調です。不調なことは珍しくもなんともないんですけど、ここまで書いてないのは珍しいのです。5日前が締切と言われながら2週間以上前にお渡しすることが多いのに、9日前から書き始めてます。

どないしようと思っていたらエラルドさんがヤバTのことを書いてるのを見ました。じゃあ便乗しよう、ということでユニゾン(UNISON SQUARE GARDEN)のことを書きます。


まずは出会いから。初めて聴いたのは高校1年生の時でした。2011年『オリオンをなぞる』がリリースされて一つ目のブレイクをした時です。
でも私はこのときあんまりはまってません。ある程度聴いていたけれど、まあまあ聴く中の一つというレベルでした。当時はメタルとかハードロックっぽいものが好きだったのもあって、だいぶジャンルが違ったのも大きいでしょう。

はまったのは高校2年生の冬です。映画館で『harmonized finale』を聴いて捕まってしまいました。
なんというか「1年以上は友だちの友だちとして大勢で遊んでてその時はなんとも思ってなかったのに、たまたま2人で帰ったら好きになっちゃった」みたいな。

次の日からYouTubeを見て、TSUTAYAで今までのアルバムをごそっと借りてきました。TSUTAYA、今どんどん減ってますね。10年くらい前はサブスクでは音楽を聴けませんでした。サービス自体はあったかもだけど主流派にはなってないはず。当時はTSUTAYAで借りてPCに取り込み、それをiPodに入れてました。

iPodも最近の子はわからないんでしょうか。CDを選んだり買ったりして取り込むのも楽しいんですけどね。手軽になると大切な気持ちも軽くなります。たぶんCDプレイヤー世代の方やレコード好きの方からは、私のこともそう見えていたんでしょう。


そうそう、それで映画を観た次の日とか次の週にアルバムを全部借りてきました。
これは異例のことです。iPodは持ってても自分でCDを買ったり借りたりしたことは無かったので。全部母や姉のお下がりというか、家にあるから入れて、それを聴いていました。なんて自我が無いんでしょう。音楽以外も大学生になる頃まではそういう時期でした。
その後はエンディングを聴くためにもう一度映画を観に行ったり、『harmonized finale』入りのアルバムが貸出される日に炎天下の中TSUTAYAに並んだりします。さらっと並列で言ったけど、この間5ヶ月くらい空いてます。買いはしないけど、借りられる最速日に借りる。まだ微妙な距離感です。

でもこのアルバムを聴いて決めました。次のCDを買うことと、次のライブに行くことを。ライブのお作法みたいなものがあったらどうしよう。よくわかんない怖い人がいたらどうしよう。そういう気持ちもあったけど、それでもいいやと思えるものがありました。

彼らの曲が「好き勝手やれ」と言っています。そんな言い方はしてないけど、そういうことを言っていました。「ふぞろいに出そろった心ステンドグラスはキレイだろう?」くらいなら言ってます。『オリオンをなぞる』からして「僕がいてあなたがいてそれだけで十分かな」ですし。周りと一緒にいえーいとか言わなくても、手拍子しなくても良いんです。この好き勝手やれ、というのが大切でした。

炎天下のTSUTAYAから半年ちょっと、大学生になった私は軽音サークルに顔を出します。ほんとに顔を出しただけで、新歓ライブと飲み会だけ参加してすぐに抜けました。全体的にうぇーいってノリが嫌で、まあ続かないのは確定です。
でも新歓ライブでものすごい違和感を覚えたのも強烈でした。

「お前らが盛り上げるんだぞ」みたいなことを言われたんですよね。それがすごく嫌でした。当時はライブであってもごくごく静かに聴いていました。手元でドラムに合わせてパカパカやって、それ以外はほぼ無表情で棒立ち。
演者からしたら詰まらないのかもしれないし、サークルのノリ自体にも合ってません。でも、そんなのこっちの勝手じゃん。いえーいってさせたいなら、いえーいってなるようなものを見せてよ。そういう気持ちです。これは今も変わってません。
「踊れる曲」ってなんなんでしょう。踊るための曲って宗派が違うわ、と思ってしまいます。踊れる曲はいりません。心が踊ってしまう、おかげで体を動かしてしまう、そういう曲をください。

だから、ぼーっとしてても不揃いできれいなステンドグラスの一部と言い切ってくれるのが嬉しかった。周り気にしてたらステージで起きてること見逃しちゃうよ?というスタンスも心地よかったんです。初ライブには怖さもあったけど、魅力もメッセージもその障壁を取っ払うには十分でした。
そこから1ヶ月もしないうちに『シュガーソングとビターステップ』がリリースされ、さらに2ヶ月後にはついに初ライブとなりました。しかも10周年(というより10年完走の11年目突入)ライブ。

そこで私は踊りました。手元でパカパカは相変わらずやっていて、でも無表情にはなっていません。満面の笑みで、いえーいとは言わないけれど、たぶんうわあとか言って。声も手も上がって勾配がきつめの上の席なのに飛び跳ねました。周りの反応を気にする余裕もありません。ぎりぶつからないようにするのが精一杯。体中に彼らの血が流れてる。演奏するたびに湧き上がってどんどん加速する。

そんなことは初めてです。今だって、ユニゾンのライブ以外でそこまでのことは起きていません。
近かったのは6月に行ったさくらももこ展でしょうか。沸き立ってはいないけど、この人の血も自分に流れてるのがわかりました。


そんなユニゾン、来年で20周年を迎えます。もう準備万端というか余裕綽々というか、侃侃諤諤というか。勝手に言うと、彼らはすごく大人になりました。
たぶん私も少し、良い方にも悪い方にも大人になりました。折り合いがつかない時はぶち破って、少し傷ついてきました。心がふわっと浮かんだら引き戻されてきました。ほっといたら少しずつ楽しいことが減っていきます。だんだん感覚が麻痺して彩度を失っていく。
そうならないように抵抗しています。彩度を失わないように絵の具を集めている最中です。
そうやってキレイなステンドグラスに色をつけたり磨いたりして、誰かの視界に映っていたら嬉しいですね。



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