神戸映画資料館で初めて映画を観ました
2024.5.5
いつも映画の感想は、Filmarksにアップし、いくつかの記事は「映画.com」にも転載している。
今回、神戸は新長田の神戸映画資料館を初めて訪れている。
GW期間中は、《歌と踊りの映画まつり》として、少し前にニュースになったフィルムのことだと思うが、
◇笠置シヅ子の新発見戦前歌唱映画集
ほか、トーキー初期、1933年から1943年までのハリウッド・ミュージカル4本が日替わりで上映される。
最初の作品のみ、Filmarksには未登録のようなので、こちらに記録することにした。
本日のプログラムは、下記の3本立て。
以下、情報及び作品解説は、神戸映画資料館の公式サイト(下記リンク)から転載。
https://kobe-eiga.net/programs/1660/
①『笠置シヅ子の新発見戦前歌唱映画集』
25分 デジタル
NHK朝ドラ『ブギウギ』で話題になった笠置シズ子が歌う映像は、これまで戦後のものしか見ることができなかったが、神戸映画資料館が所蔵する戦前の歌唱フィルム3ロールを一挙上映する。内容は笠置シズ子による「ハリウッド見物」「ラッパと娘」「ほっとちゃいな」の他に、リズム・ボーイズの「お江戸日本橋」、やんちゃガールズの「支那の朝」などが含まれている。「ハリウッド見物」には作者不明の珍しいアニメーションも挿入されている。
製作・構成:大町龍雄、齋藤弥仁
企画:長田正美
演出:中山浩、齋藤弥仁
撮影:竹内光雄
録音:岩谷サウンド・システム
【スコア】
3.7
【レビュー】
同じ規格の3本のフィルムを連続上映。
音質ノイズ多く、音声の欠落もあり、画面も粗いがジャズのノリは充分伝わる。
[1本目] タイトル
*「HOT CHINA」と「聖林見物」の2つ表示されたような気がするが、本編で笠置シヅ子が歌うのは「ハリウッド見物」のみ。フィルムの繋ぎが錯綜しているのか。
(1)SGDスウィング・バンドによる序曲(?)
(2)4人組男性コーラス リズムボーイズによる
「お江戸日本橋」のジャズアレンジ版
コーラスの後をスウィング・バンドが引き継ぐ
コーラス、バンド演奏ともノリが良く一番の出来
(3)笠置による「紺屋高尾のハリウッド見物」
浪曲の「紺屋高尾」をベースにした曲
スウィングバンドが軽く伴奏するが和風味が強い
美空ひばりあたりが持ちネタにしそうな曲だが、
笠置もなかなかいい喉を聴かせてくれる
[2本目] タイトル「かっぽれ」と出たような?
(4)4人組女性コーラス「やんちゃガールズ」に
よる「かっぽれ」ジャズアレンジ版
結構長く、4人が歌いながら踊るのが楽しい
(5)笠置シヅ子による「ラッパと娘」
トランペッターを従えての歌唱
戦後まで愛された笠置の代表曲のひとつ
自由自在に身体を揺らして踊り歌うさまは圧巻
[3本目] タイトル「HOT CHINA」
(6)やんちゃガールズによる「支那の朝」
その前にもう一曲、中国ネタの曲があったかも
かなり長いコントミュージカル的な楽曲
相変わらず良く踊るし、演技も自由
(7)笠置シヅ子による「HOT CHINA」
「チャイナ、チャイナetc.‥」をひたすら繰り返す
チャイナ服姿の笠置はかなり「入ってる」感じ
迫力満点だ
(8)バンドによる後奏
以上
バンドによる序奏、後奏を除くと、メインは6曲かな。
予想以上に、本格的なジャズ演奏で驚いた。
スウィング・バンドは、グランミラー楽団並みの演奏技術だし、リズム・ボーイズのドゥーワップ的な「お江戸日本橋」も楽しかった。
神戸映画資料館のチラシには、製作年代が明記されていなかったけれど、楽曲の成立時期を見ると、「ラッパと娘」が1939年、「ホットチャイナ」が1940年で、1941年12月には敵性音楽が禁止されるから、1940〜1941年ごろということになるだろう。
とにかく貴重な映像だ、
②『ストーミー・ウェザー』Stormy Weather
アメリカ 1933年 78分 16mm 20世紀フォックス
監督:アンドリュー・ストーン
原作:ジェリー・ホーウィン、シーモア・B・ロビンソン
脚本:テッド・コーラー、フレデリック・J・ジャクソン
脚色:H・S・クラフト
撮影:レオン・シャムロイ
音楽:エミール・ニューマン、ベニー・カーター出演:レナ・ホーン、ビル・ボージャングル・ロビンソン、キャブ・キャロウェイ、ニコラス・ブラザーズ、ファッツ・ウォーラー
ジャズ、ブルースファンにはたまらない超豪華キャストで戦中に作られた奇跡のオールブラック・ミュージカル。80分足らずの映画に20曲もの楽曲が詰め込まれている。ニコラス・ブラザーズの伝説のダンスナンバーは超必見!
【スコア】
4.3
【レビュー】
これは素晴らしい!
詳しいレビューは、Filmarks に。
③『ゴールド・ディガーズ』Gold Diggers of 1933
アメリカ 1933年 90分 16mm ワーナー・ブラザース
監督:マービン・ルロイ
原作:エイヴァリー・ホップウッド
脚色:アーウィン・ゲルシー、ジェームズ・シーモア
撮影:ソル・ポリト
音楽:ハリー・ウォーレン、アル・ダビン
舞台演出:バスビー・バークレー
出演:ウォーレン・ウィリアム、ジョーン・ブロンデル、アリーン・マクマホン、ルビー・キーラー、ジンジャー・ロジャース
大恐慌の余波が残るショー・ビジネス界、共同生活を送る3人組のコーラス・ガールが恋と舞台に花を咲かせる。
【スコア】
3.6
【レビュー】
ラブコメ風なミュージカル。
詳しいレビューはFilmarksに。
なお、資料館としても、映画関係の雑誌や書籍を自由に閲覧でき、カフェも併設されているので、待ち時間も持て余すことがない。
このあたりは、阪神大震災で壊滅的な被害を受けた地域だが、撮影スポットとして有名な鉄人28号の巨像をはじめ、すっかり復興。復興施設内にこの館も入居した格好だ。
また、来てみたい。
(2024.5.5〜5.6記、5.15写真追加)
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