エッセイ『ウミカゼ突行隊』#003 キャンプめし
キャンプにハマったきっかけの1つが飯のウマさ。
火力も調整しづらい、作業台も無い、水道もない、包丁も、調理器具も限られた道具で作るわけだから、料理そのままの味で言えば絶対に家で作ったほうがうまい。
レストランで食べる料理がうまいのは、素材や技術もあるけど、店の雰囲気とお皿、盛り付けなどが何割かを占める。
コンビニのパックの惣菜だって、きれいな器にきれいに盛り付けて、客に食わせれば感激してウマいウマいって食う。
Burning Japanというイベントがある。
アメリカの本家Burningmanというギフトエコノミーなイベントの日本版(規模は小さい)がある。
2015年にキャンプ仲間と参加して、おでん屋をやった。
500食のおでんと200リットルの日本酒をキャーキャー騒いでいる参加者たちにギフトした。
みんな、ウマいウマいと大盛況。
「セブンイレブンのおでんなんか比にならないくらいウマいよ!!感動した」
と言ってくれる人ばかり。
セブンイレブンのおでんの汁なんだけどな…。
そのくらい、人間の味の感じ方は味以外の要素が多い。
なので、キャンプのときの飯はできる限り雰囲気とシナジーのあるものを作っている。
まずは、斧を担いで野山にまじりて薪を取りつつよろずのことに使いける。
これはファイアリフレクターという、焚き火の熱が返ってくるもの。
ぶっちゃけ、真冬に山でサバイバルするとかいう情況じゃないなら意味はない。
あくまで雰囲気作り。湿った薪を乾かすには効率がいい。
とうもろこしを皮ごと水につけて焼く。
水が蒸発したらまた水をつけて焼く×2回
皮が焦げるくらいまで焼いたら皮を剥き焦げ目をつけて醤油とバター
焚き火で燻された香りがほんのり。これがウマい。
肉は塊。無骨な感じのフライパンで焼く。
アルミホイルを巻いて予熱で火入れ。
胡椒はアホほどぶっかける。そのままかぶりつけばラピュタのドーラの気分を味わえる。
肉系はとにかく分厚きゃウマい。
無駄に串を打つのもあり。雰囲気でるから。
雰囲気を出すために、ブッシュクラフトで鍋を吊るすシステムを作る。
機能性はまったくない。
冬はすき焼きなんてのも最高にウマい。
ハゼが釣れる川は面倒臭がらずに天ぷら
ニジマスが釣れるような渓流はまずは塩焼き。さっきまで生きていた魚は新鮮でウマい!
※正確に言うと新鮮な魚はうまくない。一番美味しいタイミングというものがある。生き物が生きているときのATPというアデノシン三リン酸が、死んで旨味に変わるところが一番うまい。後の『魚にハマる編』で詳しく書くので、今はこういう大卒みたいなことを言ってくるやつには「うるせー!」と一蹴。こういうやつは採りたての魚をその場で食ったことが無いヤツなのでシカトでOK。
そしてアクアパッツァ。ニンニクとオイルに火を通し、魚とアサリとキノコぶち込む。白ワイン(ビールでもいいや)を入れて魚に火が通ったらミニトマトを入れてちょいと煮込む。最後にイタリアンパセリと胡椒かければ最高にうまい!帆立の貝柱スープの素(顆粒)で旨味をブーストするのもあり
丸太を真っ二つにパッカーン。
間に熾った炭を入れれば10時間くらい燃え続けるスウェーデントーチができる。
この上にダッチオーブンを置く。
するとどうだろう。雰囲気だけが出る。(バーナーで作ったほうが火加減ができる)
炭で上から熱を入れる。
五徳があると下からも上からも火を入れられて便利
ダッチオーブンで作るグラタンは無限に食えるほどウマい。
熱燗はシェラカップをそのまま火に打ち込む。
灰が入るけど、ダイジョブ。このときに入る灰は無菌だから。
正月キャンプならおせち料理。(女房が作った)
富士山の麓で初日の出を見ながら食べるのは最高!
朝ごはんはたいした感動がないので簡単に済ますのが良い
朝ごはんは焚き火にアルミの皿ごと打ち込む。
それをうっすい小麦粉の皮みたいなやつにくるんで食べる。
ラピュタが好きな人はラピュタパンでも食ってればいい。割と美味しい。
誕生日は米を炊いてキャンドルをぶっ刺す
ぜひ誕生日にソロキャンプでやってみてほしい。
きっと悲しさに咽び泣くだろう。
キャンプめしのコツ
1.調理器具
まな板と包丁はあったほうがよい。
かっこつけて、ナイフで調理をすると切り口が曲がり不格好、かつ切り物の効率がわるい。
あとは鍋、フライパン、網あたりがあれば何でもできる。
調味料は、塩、胡椒、油、醤油、味噌、小麦粉、帆立の貝柱スープの素だけあればいい。あとは好み。マヨラーならマヨネーズ持っていけばいいし、アムラーだったらマスカットでも持っていけばいい。
これがあればとりあえずなんとかなるのでおすすめ
おすすめ調理器具
包丁とまな板
スノーピークの製品の中で唯一、素晴らしいと思う商品。
メスティン
主に米を炊くときに使う。1合の米をいれて、ビスの部分まで水を入れればちょうどうまく炊ける。水色の固形燃料1個で炊ける。他の料理にも鍋代わりで使える。
ダグのクッカー
軽くて丈夫で量もある。蓋も調理につかえるし器にもなる。真っ黒になるのが嫌なら、バーナーを使うか、黒くなったら100均のクレンザー付き金たわしとかボンスターとか使えばきれいになる。
コロダッチ
蓋の裏が凹凸になっているので、肉をやくと良い焦げ目がつく。
大きさがちょうどいい。
ムーリッカのフライパン(バッタモンのやつでも問題なし)
取っ手を自分で自作する。キャンプに行っていい枝があるとナイフで削ってこのフライパンにぶっ刺す。女にはわからない男心をくすぐる商品!女はだまっとけ。
2.火床
直火OKじゃないところもあるので焚き火台は持っておいたほうが無難。
火をおこすときのコツは、大きめの太い薪を2本平行に置く。
2本の薪を近づけると火力が強くなり、遠ざけると火力が弱くなる。
こうやって火力調整を行うことで料理の失敗率を減らす。
炭を熾す場合は、火の強い所と弱い所を作っておけば調整可能。
3.食材
食材も酒も現地のものがいい。理由は雰囲気。ぶっちゃけ大して味は変わらないし、地酒はどっちかっていうとマズイのが多いけど、やっぱり雰囲気。
次回は釣り編に突入。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?