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医療者が「social good な耳鼻ゲーム」を作るまでの道のり① ~自己紹介&序章~


耳鼻咽喉科医がプログラミングを始めたきっかけは医療者向けプロトタイピングスクール


私はとある大学病院に勤める耳鼻咽喉科医です。
現在は博士号取得のため病理学教室で大学院生活を送っており、多くの時間を研究、論文、病理診断に費やしています。

プログラミングに興味はありましたが、これまで学ぶ機会がありませんでした。

耳鼻咽喉科 x 病理学研究 x 訪問診療

そんな私がプログラミングを学び始めたきっかけが2つあります。
1つ目は、「ものづくり医療センター」(通称もいせん)を知った事です。知り合いの先生から紹介された「もいせん」は医療者向けプロトタイピングスクールです。ここでは通常のプログラミングスクールと違い、技術だけでなく企画やアウトプット力を鍛えることができます。
2つ目のきっかけは、大学院に入学してから臨床の時間に追われることが少なく、研究もひと段落したタイミングでだったからでした。

ものづくり医療センター(=もいせん)のリンクはこちら


パワーポイント作りが限界・プログラミング未経験だった私が、もいせんで学んだ3ヶ月間で開発したプロダクトのDEMO発表まで経験できました。医療職同士でプロダクトを指摘し合える環境であるのも良かったです。また、講師はエンジニアの方なのですが、医療現場の課題感を理解しようとする姿勢、かつ、共にプロダクトの質向上を目指してくださる情熱と過程は技術面以外にも学びが多かったです。
さらに卒業後も活動をサポートする仕組み=プロトアウトジムがあるおかげで、医療者である私もプロトタイピングへの接点を持ち続けられています。

プロトアウトジムのリンクはこちら


なぜゲーム開発なのか?


医療課題と向き合うためにプロトタイピングを学び始め6ヶ月が経ちます。もいせん卒業後も、ものづくりを継続している方も多く、刺激をもらえています。私はこれまでフォーム入力によりカルテ記載と検査説明用紙が自動作成される仕組み、新人の目安箱Line bot(komatta bot)、当直日誌のアプリの作成などを行いました。

これまでの成果物

学んできた技術や考え方のおかげで、医療者の働き方や教育改善に関するツールを作成することができました。半年前の自分からするとすごい成長なのですが、できれば患者さんに直接アプローチできるようなツールを開発したいと思っています。しかし、私の勤める大学病院で患者情報を直接扱うとなると、セキュリティや組織内の反発(←偏見かもしれませんが、、)など実装までに多くの障壁があります

超えるべき実装への障壁

もちろんこの壁は「超えるべき障壁」なのですが、私はこの障壁に一人で立ち向かえるほど粘り強くありません。このままではせっかく学んできた技術を使う場所がなく、プロトタイピングを学ぶモチベーションが保てない!!ということで、「目の前の業務効率化以外の視点でも、プロトタイピングを使って楽しく医療課題と向き合い続ける」方法を必死に考えました。

そこで出会ったのが「ゲーム開発」です。

耳鼻咽喉科 x 個人ゲーム開発の可能性を考える

みなさんの耳鼻咽喉科のイメージはどんなものですか?実は、地域によっては耳鼻咽喉科外来のおよそ半数が小児であり、お子さんやお母さんとの接点がとても多い診療科になります。

耳鼻咽喉科の外来は小児が


小児の感染症やアレルギーは早めに治療を行う事、予防策を打つことが重要です。しかし、耳鼻咽喉科を受診し、検査、治療、生活指導を受ける過程では以下のような問題があります。お子さんの気持ちになってみました。

  1. そもそも病院なんて行きたくない、、、、

  2. 鼻、耳、喉を覗かれるだけでも怖い、、、、

  3. 検査怖い、、、、

  4. 鼻あらいはもちろん、手洗い、うがいの習慣が身につかない、、、、

  5. その他、、、、

大人であっても、病院が好きな人は稀だと思います。
生活習慣で予防できる小児耳鼻科疾患があります。

当然ですよね。病気になってから来るところなので、お子さんにとって、病院には辛い記憶や体験しかないはずです。

では、病院の外来待合室やキッズスペースに、面白いゲームがあったらどうでしょう?さらにそのゲームが「病気、予防について考え、検査や治療の重要性を伝える」体験を提供できるものだったらどうでしょうか?

病院に「超」面白いゲームがあったら、、、
ゲームをする事で小児の健康行動をデザインする!

こんな声が聞こえてきます。「そんなに甘くない、上手くいくわけ、、、」
しかし、私にはプログラミングを勉強し続けるために、ゲーム開発を耳鼻科医療にこじつける必要がどうしてもあるのです!
こうして「こどものみみはなのどに優しい社会」を作る仮想会社「耳鼻天道-Jibitendo-」が私の心の中で発足しました。*心の中だけです。

Jibitendo~耳鼻天道~
Jibitendoの理念


次章、いよいよゲーム開発の扉を開きます。乞うご期待。

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