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円満夫婦は、養殖できる?! 心理カウンセラー夫婦が実践する3つのこと

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夫婦やカップルの本音をシェアするコミュニティ「フタリノ」です。

「ふたりのA面B面」第6回は、ご夫婦で心理カウンセラーとして活躍している渡邊さんご夫妻! 夫婦をテーマとしたイベントに登壇するほど仲睦まじいおふたりですが、自分たちを "養殖夫婦" と定義しているようで……?

養殖夫婦とはなんなのか? 
パートナーシップやコミュニケーションのプロであるおふたりに、夫婦円満の秘訣についてお話を伺ってきました。

ふたりのA面B面」とは?
夫婦それぞれの視点から「ふたりの転機」について取材をするインタビュー企画。夫婦の人生の重要な局面での喜びや葛藤、決断の背景にはどんな想いがあったのかを、それぞれの視点から紐解いていきます。

プライベートも仕事も、昼食でさえもずっと一緒に過ごしているという渡邊さんご夫妻。ずっと一緒で、しんどくないの? とつい思ってしまいそうですが、一切ないとのこと。今回はA面として、夫の義さん視点で、夫婦やパートナーシップのコツについて語っていただきました。

ぜひ最後までご覧ください。


夫婦円満のおふたりは
天然ではなく、養殖夫婦!?

ーーーおふたりは「私たち夫婦は、天然物ではなく養殖の夫婦だ」とおっしゃっていましたが、養殖の夫婦とはいったいどういう意味なのでしょうか。

義さん(以下:義):私の両親は仲の良い夫婦なんです。でもそれは天然物の関係性ではなく、お互いに努力した上で培われたものだったんですね。なので、私は子どもの頃から、努力をすれば、仲の良い結婚生活がずっと続くんだなということを肌身に感じてきていました。

結婚というものは「良い気分でスタートするけど、現実は大変なことが山積みだ」という心構えが最初からありましたね。なので逆に言えば、好きな相手と一緒に暮らしたら幸せになれるはずだ、と結婚関係に淡い期待をあまり持ってなかったんです。

そもそも感情は揺れ動くもので、気持ちや関係性は思うようにコントロールできないと思っています。

感情は冷めるし、変動もする。だから、結婚した後もふたりの関係性は調整し続ける必要があるとだと思うんです。それぞれに気持ちがあって変動する。けれども、せめて自分の機嫌は自分で取っておく。

ふたりとも心理学やカウンセリングが仕事なので、学びながら日々実践しています。それが養殖の夫婦と自分たちを呼んでいる理由ですね。

出会いは学生時代
ロッテリアのアルバイト

義:彼女との最初の出会いは、学生時代のロッテリアのアルバイトでした。当時妻は、高校生で年齢は年下ですがバイトの先輩だったんですよ(笑)ただ、そのときはお互い恋愛感情もなく、お付き合いをするようになったのは、数年後に再会してからでした。

とても元気がいい人で、楽観的で度胸がありますね。私は緊張するタイプですが、彼女は大きなイベントをやるときも武者震いをするそうで、緊張したことはないらしいんです。

さっぱりしていて小さなことに拘らないので、自営業をしていく中で、すごく助かっています。会社にお勤めの方は、事業計画があって、そこからタスクを決めていくと思います。一方で自営業(個人事業主)は、計画自体をその時々の状況に応じて自ら作り出していくものなので、未来はほとんどわからないんです。

繊細なタイプの方だと、不安感が強くなってしまうと思いますが、妻は楽観的で、小さなことにこだわらない。そういった意味では、ふたりで事業をしていく上でブレーキがかかることがほぼないので、すごく助かっています。

仕事もプライベートもずっと一緒。
コツは、夫婦関係と自分を一体化させないこと。

ーーー義さんと奈都子さんは、仕事もプライベートも、お昼ごはんでさえも一緒に過ごすと伺いました。長時間ずっと同じ空間にいると、しんどかったりトラブルは起きないのでしょうか。

義:私たちは、仕事とプライベートを切り分けてないんですよ。むしろ切り分けるとうまくいかないと思っています。職場で仕事してるときも、家でご飯を食べてるときも、キャラクターや会話は全く変わらない。本当にシームレスなんです。

ウェルビーイングにも関係すると思うんですけど、夫婦で仕事をしていく中では、ワークライフバランスよりもワークライフインテグレーション(※)の方がうまくいくんじゃないかなと思っています。

※ワークライフインテグレーション……「ワーク(職業生活)」と「ライフ(個人生活)」を別のものではなく、人生の構成要素として「インテグレーション(統合的)」に捉え、「仕事」と「生活」両方の充実を求める考え方。

おそらく自営業で時間で雇用されてないことが大きな理由ですが、退社をしても仕事は終わらず結局は頭の中でずっと考えてるので、時間で区切っても仕事とプライベートは分けられないんです。

私たちは夫婦で仕事をやっているので、同じようにパートナーシップも時間で切り分けることが不自然なんですよね。

知人からも「ずっと一緒でしんどくないですか?」と言われるんですけど、一緒にうまくやっていく方法を学びさえすれば、仕事とプライベートで妻との関わり方を変える必要はないと思っています。仕事とプライベートという分け方ではなく、自分と奈都子は別々の存在だ、という風に分けて考えていますね。

私と奈都子のふたりで「夫婦関係」なんです。別々の人格が合わさって結婚という関係性を作っているので、夫婦関係と自分を一体化させないっていうのは、意識していますね

コントロールするのは、自分自身。

ーーー義さんは、自分のことはコントロールをするけれども、奈都子さんのことはコントロールしない、という考え方が印象的でした。心理学について学ばれたり、実践されていく中で取り組んで良かったことがあれば教えてください。

義:まずは自分の機嫌は自分で整える。そして、コントロールできないものは受け入れて、コントロールできるものに焦点を合わせること。気分良く過ごせる時間をともに過ごすことも意識しています。

1.夫婦関係の優先順位を上げる

義:まず夫婦関係において、子育てや仕事、親戚との人間関係など、夫婦関係以外のモノの優先順位が高くなると、問題が起きやすいと思っています。

もし問題が起こったら、その都度「自分にとって本当に優先順位の高いものは何か?」と考え、自分の中で調整することが大切ですね。

私は最初、鍼灸師として起業をしたんですが、漢方薬局をしている実家のビルで仕事をしていました。働いている間、同じ空間に両親がすぐそばにいたんですが、私は夫婦関係の優先順位を高く置きたいと思っていたので「僕の中で優先順位が高いのは夫婦関係だから、妻を優先するからね」と親に宣言しました。

あとは一緒にいい時間を過ごすことも意識しています。些細なことですが、毎日私がコーヒーを入れて楽しんだり、旅行に行って一緒に楽しんだり……。最近は、マイクロツーリズムのように近場へ旅をすることが増えて、気が付けばよく2人で出かけるようになりました。

2.自分のコンディション整える

義:「自分の状態を良くするためのアイテムを、どれぐらい知ってるか」が、自分のコンディションを整えるために大切だと思っています。

私の場合は、散歩をすることやコーヒーの匂い、音楽、靴磨き。すぐにできるものが多ければ多いほど、調整がしやすくなると思うんですよ。

「何をすると、気持ちがささくれてしまうのか、逆に何をすると気分がよくなるのか」など、自分のことをどれだけよく知れるかが大切なんです。

そして自分のコントロールが難しくなったり、誰かにきつく当たってしまうシチュエーションを事前に認識しておく。自分の気持ちがザワついているときに、夫婦で一緒にいると嫌な雰囲気になってしまうこともあるので、自分の気持ちが収まるまでは1人の時間を持つようにしています。

3.コントロールできるもの/できないものを仕分ける

義:そして最後は、相手をコントロールしないこと。

つい色んなことをコントロールしたくなるんですけど「他人や過去や環境の大部分は、コントロールできないものだ」と理解することが大切だと思っています。

まずはコントロールできるものとできないものを仕分ける。そして「コントロールできるものは何か?」としっかりと理解して行動すること。これはカウンセリングを学んですごく役立ったことで、夫婦関係にもすごく大きな学びになっています。

ーーー養殖というと、合わないものを合わせていくというように、頑張らなきゃいけない矛先が2人向くのかなと思っていましたが「自分自身が自律しているからこそ、2人が整っていく」という意味だったんですね。

「私」と「あなた」ではなく
「私たち」のために

ーーー自分の気持ちを自分でコントロールしようとしても、身近な人に対して、どうしても甘えが出てしまうこともあると思います。そんなときはどうされているのでしょうか。

義:セミナーでもお話していることですが、私たちが夫婦関係で行ってるものは、すべてfor us (私たちのために)なんですよ。

最初の段階は、お付き合いしてる相手に喜んでほしいという思いから、for you(あなたのために)と行動をすることが多いと思います。結婚した後は、育児や家事など「アレもコレもしてくれない」とfor me(私のために)の思考になります。

for you と for me だけだと、常に綱引き状態になってしまいます。でもここに、第3の選択肢として for us というパートナーシップの関係があるとする。
私もあなたも「私たちのパートナーシップ」を育てるために〇〇をする、という風になると、関係性はどんどん豊かに育っていくわけです。

夫婦愛とは、分かち合いと慈しみあい

ーーー義さんにとって、夫婦愛とはなんでしょうか。

義:夫婦愛とは、「分かち合い」と「慈しみ合い」が大切だと思います。

若い頃はあまり感じませんでしたが、老いを感じるようになってくると、明らかに体力が落ちるんですよ。そうすると、できないと感じることが多くなる。でも、そこも含めてお互いに慈しんでいければ、ウェルビーイングなパートナーシップを保ち続けられると思うんです。

亡くなるときに「よく関わったな」と思える関係性でありたい

義:そして、相手のできないことも受け止めて、分かち合っていくこと。

介護の話に繋がりますが、もしもどちらかが寝たきりの状態になっても、受け止めて分かち合う気持ちがあれば、介護しがいがあると思うんです。「なんか嫌だな」と不満を感じながらではなく、亡くなるときに「よく関わったな」と思えると素敵ですよね。

介護という言葉が、「する/される」という印象を与えますが、この世に生まれて成長し、やがてピークを迎えてだんだんと色んなことができなくなり、命の火が消えていく……そんなときに、最後まで慈しみあいながら関わることができれば、すごく本望だし、幸せなことだと思うんですよね。

それが役割として「こうしなくちゃいけない」という義務感で最後の人生を終えると、両方にとって良くないと思うんです。だからこそ、パートナーが亡くなるときに「命が続くまでよく関わったな」と、介護しがいがあるような状態や関係性に突入できたらいいだろうなと思っています。

ーーーー義さん、ありがとうございました!


夫婦には、天然と養殖がある。
何もしなくても、ラブラブなご夫婦もいいけれど、実は世の中の円満なご夫婦は、うまく"養殖'できているからなのかもしれない。

養殖とひと言で表してしまうと、相手をコントロールするかのように思いやすいですが、その対象は、常に自分自身。

義さんのお話を伺うなかで、終始感じたことは、奈都子さんというひとりの人物に対するリスペクトと愛でした。

お互いが「私」ではなく「私たち」のために、努力をし続け、パートナーシップを養殖することが、円満なふたりの秘訣なのかもしれません。

妻・奈都子さんのB面もぜひ併せてご覧ください!




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