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#20 ふたりの育児休業1年間

24時間365日3人一緒の生活が始まる

今年の初め、東京で雪が降った日に、娘が生まれた。
この日から、私たち夫婦にとって初めての子育てが始まった。

私の妊娠中に「夫婦で同時に1年間の育児休業を取得すること」を決めていたので、”24時間365日、私・夫・0歳の娘の3人一緒の生活”が始まったのだ。

出産時の様子

文句の言い合い合戦

娘の生後1か月は、寝不足の日々だった。

1~3時間おきの授乳、1日約20回のおむつ替えで、一日のほとんどが終わる。というか、夜中も日中と同じ生活なので、一日の切れ目が無く「いつまでこの生活が続くんだろう」という絶望感で若干の鬱気味になっていた。

私の身体の回復のために授乳以外の家事・育児をほぼすべて担っていた夫も、私と同様に寝不足による鬱気味になっていた。

私は家の中で唯一会話ができる大人=夫に、よくイライラしていた。

私「夜中に授乳で起きたときに洗い物が残ってると嫌な気持ちになるから、洗い物はその日中にして」

夫「僕はほとんどの家事育児をしてて大変なんだ」

・・・。

娘が生後3か月経つ頃には、夜にまとまって寝てくれるようになり、生活リズムを取り戻せるようになってきた。

私たち夫婦は、娘の子育てを午前・午後のシフト制にして、それぞれが自分の時間を確保できるように工夫し始めていた。それでも、文句の言い合い合戦は続いていた。

夫「シフトにしてるんだから、時間通りに交代して」

私「離乳食のこと、もっと調べたりしてちゃんと考えて」

・・・。

生後1か月の娘


出産前はほとんど喧嘩をしなかった

ここまで読んだ方は、この夫婦大丈夫か?と心配してくれたかもしれない(笑)。

昨年の冬まで、つまり、夫婦ふたりだけで生活していた時までは、実はほとんど喧嘩をしなかった。
お互いの仕事や遊びのスケジュールには口を出さず、家計は折半という関係性で、今のような2~3日に1回繰り広げられる文句の言い合い合戦は無かった。

家の中に”子ども”という存在が増えると、急に”子ども中心の日常”になり、これまでの各自の自由は担保しづらくなる。

今振り返ると、出産・子育てはパートナーとの関係性に影響を与える大きな出来事だったと思う。

子育ての苦労も喜びも分かち合える

夫婦同時の育児休業の取得・24時間365日一緒の生活が始まったことにより、文句の言い合い合戦が生まれたが、夫と一緒に初めての子育てを経験している中で、ここに書ききれないくらいたくさんの良いことがあった。

私「ねえねえ、自分の足を顔に近付けるようになったよ」

夫「音楽に合わせて頭を揺らしてたよ」

と、娘の日々の小さな成長に気づき、喜びを分かち合える。

私「なかなか泣き止まないね」

夫「抱っこひもで寝かしてみようか」

私「・・・それでも泣き続けてる、どうしようか」

と、初めての子育てでわからないこと・大変なことを一緒に試行錯誤できる。

お互いに不満が生まれたときは、我慢するのではなくて、ソファに座ってとことん話し合う。

出産後に女性の夫への愛情曲線が極端に下がるという話を聞くが、娘が生まれ、夫と一緒に初めての子育てを経験しているプロセスで、私は夫への愛情が右肩上がりで高まった。

ふたりで育児休業を取り、初めての子育てに一緒に向き合うことで、パートナーシップはより良くなっている実感があるのだ。

近所の公園にて


親になる前にふたりで体験したこと

娘が生まれる前に、夫と二人で体験して良かったことがある。

一つは、NPO法人マドレボニータが主催する両親学級だ。
ここで産後の女性のココロとカラダの変化、産後うつは女性だけでなく男性も発症する事実を知り、夫婦で同じ知識を持って産後を迎えられたことはパートナーへの信頼感に繋がった。

もう一つは、私が運営しているNPO法人manma家族留学だ。
私の妊娠中に、男性で1年間の育児休業の経験のある子育て家庭に話を聞いた。

育児休業中の過ごし方や、お金のこと、自分の時間は取れるのかどうか、気になることを根掘り葉掘り聞いて、夫婦で育児休業中の生活イメージを揃えることができた。

そうすることで、心の準備もできたし(育児休業というと時間に余裕があると思っていたが、生まれて数か月は自分の時間はほとんど無いという事実を知り期待値を調整できた)、どうやって育児家事の役割分担をしていこうか、お金のやりくりをしていこうかという事前の話し合いができた。

家族留学の様子

まだまだ続くふたりの試行錯誤

今、私のお腹の中に二人目の赤ちゃんがいる。

今年始まった夫とふたりでの初めての子育ては、来年春に新しい命を迎えて、きっとまた新しい局面になるだろう。

ふたりで試行錯誤し、文句の言い合い合戦をし、小さな喜びを分かち合う、そんな未来に期待と不安を持ち合わせて、新しい命の誕生を待っている。



特定非営利活動法人manma 代表理事 越智未空さん

1994年生まれ。法政大学在学中に任意団体manmaが運営する「家族留学」に出会い、運営に参画。大学卒業後に株式会社リクルートに就職し、複業としてmanmaでの活動を継続。2021年にmanmaをNPO化し代表理事に就任。

■家族留学に関心のある方はこちら:https://manma.co/lp

■manmaの公式HP:https://manma.co/
■manmaの公式note:https://note.com/official_manma
■代表理事・越智未空のnote:https://note.com/misora_ochi_



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