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#1 ふたりの自由

はじめまして。
パートナーシップについてリレーで語っていくフタリノさんの企画。
第一走者として書かせていただきます、三木智有と言います。

いただいたテーマは「ふたりの〇〇」。
ふむふむ。そう言えば先日結婚して12年目を迎えたばかり。干支が一回りするほどの時間をともに過ごしてきました。

なのでぼくは、妻とのパートナーシップについて書いていこうと思います。

結婚前から大切にしてきたこと。「ふたりの自由」について。

妻がくれた自由

ぼくは12年前、なかなか彼女にプロポーズをすることができずにいました。
それは「起業したいな」と思っていたから。

もともとフリーランスでインテリアの仕事をしていたので、もう独立はしていたのですが、そのときに思っていたのは少し事情が違います。

「NPO法人」を起業したいと考えていたのです。
これまでやってきたインテリアではなく、「家事シェア」を広める活動をしたい。

そう考えたのは、ぼくがずっと「居心地の良い家庭をつくる仕事をしたい」と思い続けていたから。
ただ、当時やっていたインテリアの仕事では、その手応えをあまり感じることができませんでした。
そこで100人のパパやママに、「居心地の良い家庭ってどうすればできるんだろう」って聞いて回ったのです。

そうして教えてもらったのが

「家事や育児。こうした生活を夫婦で協力し合えることこそが、家庭の居心地良さだよ」

ということ。

これまで続けてきたインテリアというアプローチではなく、中に住む家族の関係をより良くするためにできることをしたいと思ったのです。

また、当時NPOで働いていた彼女の影響もありました。

「社会を良くするために働くって、なんて素敵なんだろう」彼女の働く姿を見ながら、ぼくは大いに感化されたのです。

「いまの仕事を続けながら、NPOを起業しようと思うんだ」
ぼくがそう言うと。

「え、そんな中途半端なことしないで、いまの仕事辞めて起業しなよ」

「でも、それじゃ収入なくなっちゃうから生活できないよ」

「わたしのお給料があるから、大丈夫だよ」

そんなこと、思ってもみませんでした。
いつか結婚をしたら、彼女をぼくが養うことはあるかもしれない。けど、自分が養ってもらいながら夢に向かってチャレンジする未来なんて想像もしていなかった。

そして、ぼくは起業(と言う名の無職)と同時に、彼女と結婚をすることになったのです。

家族の挑戦を、家族で応援する

それから数年。仕事も軌道に乗り、娘も産まれました。
ぼくたち家族は、それまで住んでいた東京から、京都へと移住。
移住の理由はふたつ。娘の幼稚園環境を変えるためと、ふたりで小学校を作りたいという、新しい夢を叶えるためでした。

子どもが産まれたことで、ぼくたちの関心は「教育の世界」へと急速に向かっていっていたのです。

ぼくたちの意識を教育へと向けたのが、東京にある東京コミュニティ・スクール(TCS)という小学校でした。
ここはNPO法人で運営していて、17年以上も探究型の学びを実践している学校。
この学校のカリキュラムを受け継ぎ、姉妹校のような形で京都につくろうと準備を進めていたのです。

ところが、ある日妻が唐突に言ってきたのです。

「TCSの理事長にならないかって、言われた」

びっくりしました。まさか、憧れていた学校そのものを引き継がないかと言われることになるなんて。
でもそれは、わが家にとって大きな変化を伴う誘いでもありました。

まず、ふたりで進めていた京都での学校づくりはなくなります。
ぼくはTCSに就職するわけじゃないので、縮小しようとしていた事業をもう一度再開しなくてはならない。
東京に再び移住することになる。
娘はTCSに通うことになる。

妻はその申し出を受けたい気持ちがある一方で、ぼくのキャリアのことを心配していました。
自分の事情で、家族を振り回してしまうのは申し訳ないと。

でも、そんなのは杞憂。

11年前。ぼくの起業の夢を応援してくれた恩返しをするときが来たのです。

「こんなにありがたい話はないよ。心配せずに、全力でがんばろう」

ぼくたちは、再び東京へと戻ることになったのです。

結婚は、ふたりを自由にする

東京へ戻って1年。
妻は、毎日必死になって新しい分野での挑戦を続けています。
ぼくも、新たな気持で自分の事業で新しい挑戦をたくさんしている。
娘は、妻とともに入学したTCSで毎日楽しく学んでいます。

結婚前。ぼくは色んな既婚先輩に言われていました。

「結婚したら、自由なんて一切なくなるから今のうちに遊んでおかないとな」

そんなものかな、と思っていたけど全然違った。

家族が、お互いの人生を自分の人生と同じように大切に思いながら向き合う。
それだけで、ふたりはひとりでいた時の何倍も安心して自由になれる。

結婚は、ぼくたちをとても自由にしてくれたのです。



NPO法人tadaima!代表 三木智有さん

NPO法人tadaima!代表・家事シェア研究家・インテリアコーディネーター
リフォーム会社でインテリアプランニング、施工管理、営業販売などの業務を経て独立。フリーのコーディネーターとしてマンションオプションの販売、内装工事、個人宅のコーディネートなどを行う。
2011年。家は家族にとって何より”自分らしくいられる居場所”であって欲しい。そうした想いから、「10年後も”ただいま!”と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、NPO法人tadaima!を起業。
日本唯一の家事シェア研究家として、家事シェアを広める活動を行う。

●HP https://npotadaima.com/
●公式LINE https://lin.ee/38WQ6Yk


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