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スマホを出さずに、ビッグマックセットを完食できるのか。

マルチタスクが当たり前の昨今、あなたはスマホをポケットから取り出さずにビッグマックセットを完食できるだろうか。

先日、マクドナルドのフライドポテトが無性に食べたくなった。何年かぶりに訪れた店内では、誰もがスマホ片手に食べ物を摘まんでいる。

あれほど油まみれなポテトを誰も気にしていない。ビッグマックは、さすがに両手で持って食べていたけれど。情報を処理し続けることに慣れすぎた姿だった。そこで閃いた。

山に登る理由がここにある、と。

別にスマホを否定するつもりはない。むしろ、便利。登山計画、GPSデータ、天気予報、全てが一台で事足りる。

しかし、これがあるかぎり仕事や人間関係などの「日常」がアクセスしてくる。本当に気分転換したい時、それらの情報は必要だろうか。

登山にはスマホを手放して、生き残ることに集中できる瞬間がある。

自然界には、さまざまな危険がある。ただ登山道を歩くだけでも、道迷いや転倒・滑落、低体温症など死と繋がるリスクに晒されている。

意識しているかいないかに関わらず、その瞬間瞬間に生還への決断が積み重なっている。その緊張感は「非日常」として、あるいは「新鮮さ」として記憶に刻まれていく。

「生きるためには、ここを切り抜けなければならない」、「目の前の道、岩、雪のことだけしか考えられなかった」。山に登って、そんな没入感を味わってみるのも一興だと思う。

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