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施工管理は新たな一歩を

施工管理という仕事

建設業界における施工管理という仕事は、本来は職人の棟梁が務めていた役割だろう。工事が大規模化するにつれ各種工事が細分化していく。現在ではゼネコンとサブコン、その下請け業者と何重もの階層で成り立っている。
各業者の作業と全体の工程。これらの管理こそ、施工管理という仕事だ。

施工管理に求められるもの

各業者の管理者は、業務と進捗や安全をコントロールする。資材調達から施工方法、資料の作成など多岐にわたる。ゼネコンの管理者は、それらの調整と全体的な品質と安全、工程を管理していく。さらに工事発注者や近隣との折衝も求められる。

ダメな施工管理は2つに分かれる

基本的に、工期が遅れる現場における管理者は「いいなりタイプ」と「抑圧タイプ」の2つが多い。
「いいなり」とは、職人の言うことを聴くことで精いっぱいの姿勢。「抑圧」とは、階層上位の立場を利用して、とにかく仕事を押し付ける姿勢だ。
どちらにも共通することは、知識がないゆえに有意義な提案や主体性がなく、結果として品質の低下を招く点だ。

管理のプロとして

労働人口が多く、高齢化も問題になっていなかった昭和の時代では、職人から棟梁へと進むことが管理者として最良のステップだと考えられる。だが、人材不足の現代においては悠長なことを言ってはいられない。
施工管理という「業種」として、専門化していく以外に解決策はないのではないだろうか。

集合知としての施工管理を

これまでのように個人の経験や能力に頼っていては、品質は保証されない。求められるのは労働法規や型どおりの知識ではない。導線や仮設備の配置、搬入方法や所要期間などのデータを蓄積し、誰でも参考にできるプラットフォームを作ることだ。
営業職と同じように正解がひとつしかない仕事ではない。個々人に合った方法があることも理解できる。しかし、中堅以降の世代が今後の業界を担っていくために残された時間は、思っているほど多くはないだろう。


IoT、デジタルトランスフォーメーションだのと流行り文句を言うまえに、これまでの知見をいまいちど整理してデータ化するべきだ。






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