
056話:足に合わせた木型によるコードバンのシワ
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コードバンのシワといって、どんな感じを想像するでしょうか。
オールデンを紹介するサイトの画像から転載させていただきますが、オーソドックスにはこんな感じになるかと。(出典:Alden Style)
2014年当初に作った、同じホーウィンのシェルコードバンを用いたエイジング例がありましたので、紹介させていただきます。
◆新品時はどんな靴か?
サドルブーツを作りました。(実はちょっぴり苦い思い出がこのブーツにはありますが、それはまた別の話)
ホーウィンのシェルコードバン(ダークコニャック)を素上げで仕上げたため、ツヤは出ておりませんが写真と同じタンナーによる同じ鞣しの革。(明るい部分は日本のコードバン)
余談ながら他の写真はこんな感じ。
少し、サービス精神膨らませて、タンの部分にはホーウィンスタンプを配置しています(両足分)。
◆履き込んだら
ビフォーアフターでお見せします。ビフォー。
3ヶ月高頻度で履いたアフター。
冒頭の写真より、シワがかなり細かく付いているのがわかりますでしょうか。革が甲にピタリと寄り添うと、靴に力が関わる箇所が細やかに分散されて、それぞれにシワが刻まれます。
そのために、細やかなシワがつくことになります。
同じ革でも、木型によってシワのつき方がここまで違うこと。コードバンだけではなく、カーフにおいても同じことが言えます。
この記事をきっかけとして、エイジングを考える時は革素材の質や靴の作りだけでなく、木型にまで目を向けて頂けたら、一介の制作者として嬉しいです。
◆一般企業に勤めながら趣味で靴木型を設計◆ふつーの勤め人が、プロの職人さんと競り勝ってアマチュア初のジャパンレザーアワードグランプリを受賞◆製作側の立場で、雑誌にはない靴情報を書いていきます◆世界一の靴を作る!◆記事一覧まとめ https://goo.gl/DHPJbq