015話:はじめて自分以外に提供した靴

ブーツが初めて提供した靴でした。

革は、イタリアの子牛革を伝統的なバケッタ製法で仕上げた、ポラリスという革でした。すこしだけムラがありながら、繊維が密集しつつ柔軟性があり脚を少しだけ細く見せるブーツにはうってつけ。

ベルトに使われているルイ・ヴィトンのモノグラムは、ヤフオクで使えなくなったカバンを調達し、切って加工。

もともとオレンジの革にトゥだけ赤いクリームをBrift.Hの長谷川さんに入れてもらい。仕上げてもらいました。

このブーツ制作で学んだこと

結果から言えば、足と脚にフィットしました。もちろん今のレベルから言えば赤点ギリギリですが。。。それでも、市販のレディスのロングブーツに比べて良いフィット感。

ここで、実感したのは世の中にある靴は、いかに人の脚と足に向き合っていないかということ。

たかだか、木型を削り始めて間もないひとが、経験ないけれど真剣に向き合い削った木型の方が優れていたこと。

よく、「ラストメイキングには深い経験と実践が必要で、靴職人でも手を出すのが難しい領域」という、一見ごもっとも風なことが出回っていますが、それは完全にウソ。

足りないのは、経験ではなく、足と向き合い、それに沿って形を作ること。それを自分なりに考え、アップデートしていくこと。もちろん素人であれば、型を削りすぎたりして、プラスチックパテを盛って、また削ったりという無駄がありましたが、それは効率だけの問題で、いずれ解決します。

これからラストを削る方へ

・足と向き合い特徴を捉える
・自分なりにラストを作ってみる
・人に作ってもらっても、自分でやってもいいから靴にする
・自分で履いて検証する
・改善する

これを繰り返すだけ。数十年もいりません。1−2年あれば十分です。気軽に始めてみましょう。

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