怪談01 幼い頃の話
幼い頃、不思議なことをよく体験する子供でした。
近くにあった鉄塔が、カッチッコッチッとメトロノームのように揺れる夢を見たり。おーい…という呼び声がするので外を覗くと、誰もいなかったり。
あーん、あーんと泣いている自分をベッドの上から見ていて、気がつくと同じようにベッド泣いている自分のところに母親が駆けつけてくるところだったとか。
そんなことが、ちらりほらりとある子供でした。
ある日のこと。豆電球をつけて寝ていました。兄弟がいたので、二段ベッド。私は上で、兄弟は下。
しばらく経ったときでしょうか。いつの間にか、遠くから部屋に浮かぶ、自分の体を見ています。特に何も考えていませんでした。ただただ、ベッドの隣に浮かんでいる自分を見ていました。
そのうちに、ドン!という衝撃があり、親や兄弟がそばに来たのを覚えています。
「大丈夫?!ベッドから落ちたんで?!」
床に寝そべる私に、苦笑い半分・心配半分。そんな感じだったと思います。
大人になった時のこと。所謂見える人から『あなた、体から魂が出てるよ。気をつけな。』と言われることがありました。
あの時…落ちる瞬間を、私の脳がそのように捉えただけかもしれません。もしかしたら、本当に何かあったのかもしれません。
今となっては何が真実かは分かりませんが、少なくとも、あの時に戻りたくはなく。今とこれからの時間を、大切に生きたいと思います。
このお話は、ノンフィクションとフィクションの隙間で制作しています。非日常を感じるお楽しみとして、ご覧ください。
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