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おなかも心も満たされますように

母は夜、仕事に行きました。

近くのファミリーレストランです。

火曜、木曜、土曜でした。




あぁ、今日は夜お母ちゃんおるなあ、

あぁ。今日は夜お母ちゃんおらんのかあ、

毎朝、目が覚めた時に頭に浮かぶのが何曜日かということでした。




母は出勤前に、簡単に仕込んだ夕食の説明をしてバタバタと出かけます。


私は心もとなくて、泣きそうになりながら見送っていました。

母のいない夕食は
それはさみしいものでした。

お酒ばかりでほとんど食べない父と、私と、弟。

せっかく準備してくれたおかずも残りがちでした。

心は満たされない食事の後、片付けを済ませます。

洗い物を当番制にしていても、いつも弟は上手に逃げていました。


何度も目をやる時計の針が、9時15分をさす頃です。

バイクの音と共に、窓ガラスにライトの光がさしこみます。

私の気分もとたんに明るくなるのでした。




真面目な母は、もちろん仕事も一生懸命。

帰るなり、メニューや仕事の段取りをメモした、くしゃくしゃの紙を私に渡します。

読みにくいからきれいに書いて欲しいというのです。

母は自分の字が嫌いでした。

運動神経が抜群で、よく気がついて社交性もあるけれど、字を書くのは苦手。

私は要点を聞いて、きれいに書き直しながら、

お母ちゃん、がんばってる
私もがんばらなあかん

そう思うのでした。


当時私は小学校高学年か中学生くらいになっていたと思うけれど、

それでもひどくさみしかった。

長女だけど、内弁慶でわがまま、甘えん坊な私にとって、母のいない夜は
家の中がひんやりするようでした。




ごちそうがなくていい。

いつもの夕食。

お母さんがいるだけで、

おいしい夕食になる。

子供たちといられること、

この毎日に感謝だなぁと。

そして働きづめの暮らしの中でも、

愛情をかけ

私たちを必死で守ってくれた

両親に感謝だなぁと

今日、ふと思い、書いてみました。

家族といっしょにいられる時間は

そう長くないから

このひとときを

大切にしたいですね。




読んでいただき、ありがとうございました。

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