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転職して良かったこと・良くなかったこと

さて、前回までの記事で転職活動のいきさつや体験談をまとめてきました。
今回は、転職から約半年が経った今、ぶっちゃけ転職して良かったのか悪かったのか、転職後の心境について記しておこうと思います。

転職して良かった事

お給料が上がった

転職で年収が1.2倍になりました(まだ1年経っていないので、想定年収ですが)。ただこれは結果的に上がったということで、年収を上げるために転職をしたわけではありません。また、内定後に交渉したわけでもありません。にもかかわらず年収アップできたのは本当にラッキーだったと思います。

当初の採用過程では、先方の企業からは「現状並みの給与で考えてください」と明言されていましたので、そのつもりで臨んでいました。ただ、その後実際に内定通知をいただき、そこに書かれた待遇条件を見ると、年収は大きく予想を上回るものでした。

これにはいろいろカラクリがあり、「管理職で採用された(前職は一般社員で残業ほぼゼロだった)」「月額が大幅にあがったというよりはボーナスが想像以上に良かった」という2点が大きいです。また、前者について補足すると、採用の当初は一般社員での採用が前提で進められていたものの、選考の結果管理職として迎え入れることを決断してくださったとのことです。そのように評価していただけて、本当に感謝しています。

仕事の裁量・範囲が圧倒的に広がった

会社員という立場は変わりませんが、自分一人が携わる業務の範囲と、裁量の大きさがかなり広がりました。(もちろん管理職という立場の違いもありますが)

これは前職と今の組織の大きさが違うということが大きいかもしれません。前職は自動車メーカーで、社員数万人が(当たり前ですが)すべて自動車事業に携わっていました。今の会社の全社員数は半分程度、さらにその中でもいくつかの事業部制に分かれており、一つ一つの事業部の社員数といえば、前職の10分の1程度だと思います(数えたわけではありませんが)。

私は企画系の間接職ですが、人数当たりの仕事量の感覚としては、以前は300人くらいでやっていた仕事を50人で回しているイメージです。その分、業務の粗さが目立ったり、組織やルールも洗練されていない印象はありますが、必然的に一人当たりの仕事量は圧倒的に多いと言えます。

組織もフラットで、会社・事業部としての大きな上位方針はありつつも、個々の業務での判断はかなり個人に任されていると感じます。なので、いちいち上司に判断を仰ぐことは比較的少ないですし、進捗さえ報告していれば自由に仕事を進められることに非常に満足しています。

自己肯定感が高まった

今まで、組織の大きさや仕事の性質上、同じ部署にいれば誰もがやっている汎用的な仕事をしているという感覚でした。良くも悪くも、いつも他のメンバーとの比較・競争にさらされているという環境がありました。

その一方で、前職で海外赴任を経験して、より小さな組織で、よりスキルベース(例えば事業開発やプロジェクトマネージメント)で個人の専門性を高めていく仕事のスタイルを経験できました。

海外赴任から帰任したあとは、一度はもとの横並びな環境に戻ったわけですが、転職を機会にまた以前の海外赴任のときのような面白さを味わっています。なぜなら、現在は社内に自分と同じようなスキル・経験を持った人がおらず、第一人者として新たな業務を一手に引き受けているからです。

さらに、業界がBtoCからBtoBへ変わったことで、業務を通じて社会に貢献できているという自己肯定感が上がり、「転職して良かったな」と思えます。

転職して良くなかった事

会社の風土が古い

今の会社でもリモートワークやデジタルツールは前職と遜色ないレベルで充実していますが、風土は非常に古いと感じます。

まず、男性のほぼ全員がスーツスタイルであることです。頻繁にお客様に会ったり、フォーマルなシーンがあるわけでもないのに、みなさん申し合わせたように上下スーツにカッターシャツを着ています。少なくとも私のいるフロアでは100%がそのような状況です。さすがにネクタイはクールビズの浸透で無くなっていますが、あまりの個性の無さに愕然としました。

前職では、夏場はポロシャツ、秋冬もロンTくらいならOK、ズボンもあからさまな青いジーンズ以外なら問題ないくらい自由度は高かったです。服装というのは仕事の雰囲気やアイデア創出にも影響を与えると思うので、ここは孤軍奮闘しながらも少しずつ改善していきたいところです。そのために、タートルネックのシャツにジャケパン(下は綿パン)スタイルで出社したりしていますが、今のところ誰にも何も言われません。むしろ「オシャレですね」という言葉をかけられるくらいです。

また、いまだに上司や目上の方に対して役職で呼ぶ(〇〇課長、とか)、メールにも役職、最悪の場合は「殿」が使われたりします。さすがに少しずつ変わってきているようですが、前職は社長まで「さん付け」だったので、ものすごい違和感です。

さらに女性は事務職、というテンプレートが根強いようで、請求書の処理やルーチンワークなどを任されている多くの女性事務員さんがいらっしゃいます。近年、ようやくメイン業務の正社員で女性が少しずつ増えてきているという状況です。

多様性の時代に、さまざまな古さ・時代遅れを感じるのは、とても残念な事です。

家族が離れ離れになった

これは転職が原因というよりは、私と家族の決断の結果なのですが、転職先が元の家からは通勤が難しい場所でしたので、単身赴任することを決断し、家族と離れ離れになってしまいました。

単身赴任の方が仕事に集中できるのでは、プライベートも自由に暮らせるのでは、など、メリットらしいことも挙げられるかもしれませんが、「家族は一緒に暮らす」のが理想であることには変わりありません。

家事・育児は妻に任せっきりになりますし、子供の成長に寄り添う事ができないことは非常に残念です。それから、生活費に関しても会社からの補助はいくらかあるにせよ、2拠点生活は経済的な負担が大きいです。家賃は新たに必要ですし、光熱費や食費は2倍とまでは行かずとも1.5倍くらいにはなってしまいます。帰省にもいろいろとお金がかかります。

先述したように理想は家族と共に暮らす事なので、子供の成長や経済的な条件などのタイミングを見て、新しい拠点に引っ越すなどを検討するつもりです。

どちらともいえない事

帰属意識がまったく無くなった

いいとも悪いともいえない変化ですが、「自分はこの会社のために尽くす」とか「この会社でずっと頑張ろう」といった”帰属意識”がまったくもって無くなりました。これは以前の会社に勤めていたときとは正反対ですし、自分でも想定していなかった変化です。前職では「いかに自社に貢献するか」とか「いつかこの会社で偉くなろう」といったように「〇〇という会社にいる自分」という意識が非常に強かったからです。

今はただひたすら、「自分の業務を通じて社会に貢献できているか」、「自分のスキルを活かして問題解決できているか」というような、一人称の視点が強くなりました。もちろん勤め先の評判を傷つけるような言動は取らないように十分に注意していますし、新しい同僚とも信頼関係を大事にしながら仕事を進めています。また、仕事に対するモチベーションややる気が無くなったわけでもなく、むしろ責任感とやり甲斐はこれまで以上に感じています。

ただ、自分のパフォーマンスが下がったらこの会社に居場所はないかもな、とか、より良い仕事が見つかればまた転職してさらにステップアップしよう、といった、今の会社に縛られない、ある意味冷めた姿勢で仕事をしている気がします。

これはいいことのような気もしますが、まだよくわかりません。しばらく時間が経ったのちに、判断できるのかもしれません。

若い人たちと気さくに話す事ができない

これは私がコミュ障という意味ではなく(おそらく)、新しい職場に来て上下関係も組織のパワーバランスもわからない中で過ごす上で、「誰にでもフラットな対応」を心がけた結果、見た目や年齢に関係なく敬語でコミュニケーションをとっているからだと思います。

以前は在籍年数も長かったことから先輩・後輩が明確で、先輩には敬語、同期・後輩にはタメ口といったように無意識にコミュニケーションを使い分けていました。そのためフレンドリーな関係も多かったですし、同僚とプライベートでも付き合いがあるなど、比較的深い付き合いができていたと思います。

今は、どちらかというと上述の帰属意識のなさも相まって、同僚は仕事の関係性だけと捉える節もあり、自分からはあまりグイグイ行かないようにしています。

これも時間が経つとともに関係性も変化してくるかもしれません。なので、まだ「良くなかった」とも言えないと思い、どちらとも言えないと考えました。

まとめ

全て書き切れたわけではありませんが、以上が転職して良かったこと・良くなかった事、そしてどちらとも言えないが、前職から変化のあった自分の考え方や行動をまとめてみました。

基本的には、今のところとてもポジティブに捉えているのですが、このように改めて文字にして書いてみると、自分の頭も整理できたり、新たな発見もあったりして、とてもスッキリしました。

転職して良かったかどうか、というのは相対的なものだと思うので、前職の職場環境や規模、仕事内容などによって大きく印象が変わってくると思います。私の経験談が多くの人に参考になるとはあまり思えないですが、「転職ってどうなの?」と思っていらっしゃる方のひとつの解として読んでもらえれば嬉しいです。

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