中年ではなく年中
【2015年4月15日】娘は4歳8か月
この春から、4歳の娘は保育園で青組に進級した。青組っていうのは「年中」に当たる。僕は着実に中年となりつつある中、娘は年中になった。同じ漢字を逆さにしただけで、こんなにも意味が変わるものなのか。
年中になったことで、次なるステージである「小学校」が射程圏内に入って来てしまった。まだ2年と考えるか、もう2年と考えるか。僕は後者のようだ。時の流れが油断できないような速さで動いているので、気を抜いたら一気に持っていかれる。小学生になってしまう。そんな気持ちでいる。
ここ最近、娘の貪欲なまでの「一番になりたい症候群」が加速している。前々から負けず嫌いだとは思っていたが、はっきりと口に出すようになったのだ。
「私、一番になりたい。…うううっ(泣)」
向上心があることは良いことだが、娘の場合はあらゆることで一番を目指し過ぎている。例えば、娘は背が高い。保育園の同級生の中では一番高いらしい。娘は、いつもそれを誇らしげに語る。身長も一番がいいのだ。
保育園で行われているイス取りゲーム。これも、もちろん一番を目指している。
負けて泣いて帰って来たこともあった。当然、家でイス取りゲームの練習をしている。少しでも上手くなるために、いや、一番になるために。「ナンバーワンにならなくてもいい~」と歌った曲があるが、娘には到底理解できないだろう。
中年になった僕は、あらゆる感情の中で、「悔しさ」こそが一番のモチベーションになることを知っている。さらに言えば、「悔しさ」の最上級である「後悔」こそは、形を変えた何かを生み出すには、もってこいの原料になる。今でも後悔だらけで生きている。だからまだまだ前を向いていける。いや、前を向いていかざるを得ない。あらゆる後悔を回収するために。
そろそろ、娘に何か習い事かスポーツをやらせようと思う。一番になりたいという衝動を上手くコントロールしてやるのも親の役目かもしれない。スポーツは「空手」がいいんじゃないかと思っているけど…どうなることやら。
<文・フルタジュン>
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