起こったミスをミスした人のせいにすると組織は成長しない理論②

各部署の役職者が集まる朝礼のスピーチ原稿です。前回アップしたものも修正版です。本来なら11月13日にスピーチするはずでしたが諸事情で先送りになってしまいました。また次の機会にスピーチしたいと思います。

皆さんは『起こったミスをミスした人の問題にすると組織は成長しない理論』をご存知でしょうか。
誰も聞いた事がないと思います。 なぜなら私が考えた名前だからです。 ベースの考え方は西野亮廣さんです。要するにミスを個人のせいにすると組織は成長しないけどシステムのせいにすると組織が成長する。という事です。
なぜミスをシステムのせいにすると組織が成長していくのか。私が過去に経験したことを基にお話したいと思います。この話は愚痴のようになってしまうかもしれませんがこういう生々しい体験から得られる学びはとても貴重な物だと私は思うのであえてお話したいと思います。

ある時私は業務の一部をやり忘れるというミスをしました。その仕事は1分位で終わるような事務作業の様なもので患者さんには直接関わるような事ではないのですが多少業務に支障が出てしまいました。別の人が気付いて注意をしてくれ、その時はすみませんと伝えました。なぜミスが起こったんだろうと考えてみると、実は自分がミスした工程はやらなくても何とかなりそうな、2つの物を1つにまとめられるような内容でした。むしろ自分のミスした工程をなくして1つにした方が早く終わるしミスそのものが起こらないシステムになります。ちなみに1日1分とはいえ月曜から土曜までやっているので年間5.2時間の節約になります。
私はその人にやり方を変えてみる提案をしました。しかし、その人はあなたが間違えたのだからあなたが注意すれば済むこと、私は今のやり方でミスしたことはないし張り替えるのも大して手間に思ってないからやり方を変えるのはおかしいと言いました。ちなみにその人も自分と同じミスしてました。

これが私の体験です。私はこの人を悪者にしたい訳ではありません。むしろ今回自分の考えを深めるきっかけとなりこうしてスピーチできる機会をもらったことに感謝してます。良い気付きを貰える貴重な経験だったという事が言いたいのです。なぜその人が私の提案を受け入れなかったのか、私にも非があったと思います。私はどんなに気をつけていても人間である以上はまたミスする可能性があるのでミスしないやり方に変えましょう。ということが伝えたかったのですがその際に伝え方が悪く責任感がないようにとらえられてしまったのだと思います。
今回の件も私が意識すればいいだけの話なのかもしれません。確かにミスをした人がミスが起こらないように注意することはとても大事なことだと思います。
しかし、どんなに優秀で完ぺきな人でも人間である限りは必ずどこかでミスをします。病院なのでミスが許されない場面もあると思います。でもミスしちゃだめだと常に気を貼って仕事をするのはかなりのストレスのかかることだと思います。ストレスをかかえるあまり周りの人にあたってしまうような良くない影響がでることがあるかもしれません。ミスをしやすい人もミスするたびにどんどんネガティブな気持ちになるかもしれません。それならば事務作業のようなものでミスが起こらないシステムに改善して気を張り詰めるような場面を少しでも減らす事は大切では無いでしょうか。

では本題であるなぜミスをシステムのせいにすると組織が成長するのかについてお話します。
今回の件でもしも私が注意してホワイトボードのマグネットを忘れずにできるようになったとします。 それはそれで私の成長につながるとは思います。ただこの仕事を今のシステムのまま次の人に引き継いだらどうなるか、恐らく同じミスがおこるでしょう。その次の人も、また次の人も同じミスをすると思います。 どういうことかというと同じレベルのミスが続くということです。
ここでシステム・やり方を変えるとホワイトボードのマグネットを貼り替えるというミスは起こらなくなります。中にはある程度ミスさせた方がその人の成長になるという人がいるかもしれません。 でも人間なのでまたどこかでミスをすると思います。ただその時のミスというのはホワイトボードのマグネットを貼り替え忘れるよりも高いレベルのミスだと思います。後輩にはレベルの高いミスをさせるのが上の人の役割ではないかと思います。
例えば昔の電話機で電話をかける時は毎回番号を入力しなければいけませんでした。でも携帯電話になって、正しい番号を登録しておけば番号を掛け間違えるミスは起こりません。また、ガラケーで「お」という文字を打つときに5回ボタンを押しますが、一つボタンを多く押すと「あ」に戻ってしまいもう一度5回押さなくてはいけません。しかし、スマホならフリック入力できるので間違えて「え」と打ってもクリアボタンを押して「お」に直せばいいだけなので3回で済みます。つまりスマホに代えたらガラケーの時に起こっていたミスは起こらないのです。 時間も短縮できます。仮に全員がガラケーの集団と全員がスマホの集団に仕事をさせたらどちらの方が生産性が高いでしょうか。 絶対にスマホの方が生産性が高いと思います。
システムを変えるということはガラケーからスマホに乗り換えるということです。これが『起こったミスをシステムのせいにすると組織が成長する理論』です。そして皆がこの考え方を頭の片隅にでも思っていたらレベルの低いミスが減るかもしれませんし、今まで解決困難と思われていた問題も解決するかもしれません。
私が今回の経験を通して学んだことが2つあります。
1つ目は
この理論の真の意味することです。それは何かミスが起こった時に相手のせいにしないというマインドを持つことです。自分の問題としてとらえることです。起こったミスを100%相手のせいにすると自分は何も変える必要がありません。何も変わらないということは成長しないということです。成長するためには必ず変化が必要です。相手の行動を変えることはできませんが自分の行動は変えられます。1%でも自分の問題はなかったのか考え、ミスをなくすためのシステムを考えることで自分の成長につながると思います。特に上司の立場になるほどシステムを管理していることが多いと思います。 なのでミスが起こったら自分や組織を成長させるチャンス。と思うべきではないでしょうか。

2つ目は
自分が正しいと思った事を貫いてちゃんと発信という事です。今回の経験には後日談があります。ミーティングで今の考え方を簡単にまとめて伝えたところ数名共感してくれる人がいました。私は相手の反応を気にしてどちらかというと自分の意見をあまり言わない性格です。でも自分の気持ちに正直になり自分が正しいと思ったことを伝えたらそれに応えてくれる人もちゃんといるんだということを再確認しました。仮に誰かに反対されても自分の言ったことをどうとらえるかは相手の課題であって自分がどうこうできる事ではない。常に学び続ける姿勢を忘れずに自分が自分の気持ちにうそをつかなければいいんじゃないかと思うことが出来ました。
最後に私から皆さんに提案するアクションプランとしては。
何か問題が起きた時に「これは自分の問題だ」とまずとらえることです。これが自分や組織を成長させるためのスタートラインです。皆んなでスタートラインに立ち、この職場を良くしていきましょう。

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