日本一マッチョの縄文人がいた保美貝塚の整備ボランティアに参加してみた
「日本史上最高のマッチョ」は愛知県渥美半島に暮らした縄文人。
奇しくもそんな記事が地元中日新聞に掲載されたちょうどその日に、その骨が出土した保美貝塚の整備ボランティアに参加しました。
適当に言っているわけではなく、東京大学総合研究博物館の特別展示「骨が語る人の『生と死』日本列島一万年の記録より」で、そう展示されているのです。
(リンク先はこちらから)
尋常じゃないほど太い骨。江戸時代の男性の倍以上の太さとか!筋肉が発達していないとそうならないそうで、海での舟漕ぎをしていたことが保美貝塚の男たちが筋骨隆々になった原因だそうです。
そんな男たちも眠る保美貝塚が草ぼうぼう。
そして、不法投棄する不届者まで!
こんな状況を改善すべく、田原市教育委員会の方々と一緒に作業。素人部隊は草を集めてトラックに載せるのです。
ひっつきまくるあの痛いやつ(名前忘れた)が生えまくり。貝塚の地表面など見えない。草刈り部隊が落ち着くまでは危険なので眺める。これも、あちこちで草刈りボランティアに参加して得た技。笑。草刈り機もさることながら、刈った草を集めることが一番大変なので、機械がなくても草集めをする。
今回、このフォークをお貸しいただいたのですが、これを初めて使いましたが優れもの。草を何度も突き刺すように救うと草が絡まって集まり、そのままトラックの荷台へ運ぶ。あとはテコの原理でくるっと回転させるとそのまま荷台へ草を落とせる。これいい!買おうかな。ただし、背の高い草向けなので場所を選ぶかな?
草がトラックの荷台に溜まっていくと作業量が目に見えるのでやる気が出る。この作業を続けると、俺もマッチョになれるかもしれない。保美貝塚の男のような逞しさを。なんか、新聞の下段広告のような感想が頭の中を駆け巡りながらまもなく50歳になる自分を思う。
途中休憩を挟みながら、作業を続けると貝塚が綺麗に現れる。
この草刈りをすることで現れる風景を見て満足感を感じるのが草刈り整備ボランティアの醍醐味。あちこちを見て周り、一人ほくそ笑む。
そして、最後に学芸員さんからの特別解説が!これは嬉しい!
貝塚の地表面に見える貝殻は縄文時代のものだそうで、その上を普通に歩いていることに驚く。後世に捨てられたものかと思ってました。
何より、ここでは鏃(やじり)や動物の骨や人間の骨も出土するそうです。そもそも、貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく、命を終えたものを送る場所としての意味合いがあるそうです。食べた貝や動物もここで送られるため集められる。そして、人や仲間であるイヌも大切に葬られる。
そして、保美では貝を加工したブレスレットも作られており、大切な交易品になっていたとか。加工に失敗したと思われるブレスレットの欠片も見つかる。
もちろん持ち帰ってはダメなわけで。そもそも、持って帰ると、何か霊的なものまで付いてきそうですから、とても持って帰る気にはなりませんけど。
イヌも大切に埋葬されていたことが発見されたそうです。犬好きとしてはすごくうれしい。
また、第二弾の衝撃的な発表もなされるとか。聞くとすごくほっこりする内容でしたので、公表されるのが楽しみです。
貝塚も奥が深い。なにせ、太古の昔の骨やら鏃やらなんやらが普通に落ちている。掘れば人骨も出てきてしまうとか。掘っちゃダメですけど。
解説付きだとすごく楽しい。こういう話を聞けるのは極めて贅沢な時間。しかも、一緒に参加された地元の方から焼き芋の差し入れまで頂いてしまいました。
ちなみにゴム手袋の私は大丈夫だったのですが、軍手だった方はこのような状態に・・・。
とにかくすごく楽しかった!
近くには温泉もあるし、大アサリなどの食べ物や灯台や夕陽など観光スポットも多い。ボランティアしながら観光というのもアリだなぁと、思う。泊まって温泉とかに入れたら気持ちよかろう、と、思いを馳せながらも、時間がなかったので帰宅しました。それにしても山から海まで東三河は良いところだ。
皆様も次回はぜひ。
保美貝塚(〒441-3614 愛知県田原市保美町平城110−1)
なお、12月9日(土)は設楽原決戦場の馬防柵修繕ボランティアが予定されています!武田の騎馬隊を防ぎたい方は、ぜひご参加ください。概ね朝8時半から9時頃スタート予定です。