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日本茶の単価は高い?安い?

先週日曜日は日本茶の検定試験でした。
分厚いテキストに専門知識がずらり。本当にギリギリまでページをめくりながら記憶違いをただす、、、、なんとも実力不足を感じ得ないありさまでした。とほほ。

そんな中でもやはりお茶の歴史を学ぶと面白く、中国の変遷とともに日本のお茶文化が変化したことや、岡倉天心、千利休だけではない様々な文化人や僧侶、実業家、医者などお茶に傾倒していた歴史人が日本のお茶文化を深めて行ったことを細かく体系的に知っていくと(もちろん全てが全てではないですが汗)その奥深さとお茶のもつ、追随し得ないその魅力に改めて気づかされ勉強しながらさらにハマっていきました。

日本では”お茶は無料で飲める”という文化があります。これはおもてなしの心を表すため、まさにホスピタリティから来ていますが、当たり前にお店側がお茶を買ってお客様へ振る舞っています。しかしその感覚がどうしても消費者側に身につき、お茶は簡単に手に入り安く飲めるもの、という価値観が分厚く現代の日本人には残っています。

私自身、気軽に飲めるということはとても大事だと思っています。
スポーツをしている時、
パソコンに向かっている時、
洗濯や掃除をしている時、
疲れ果てて家に帰って来た時、
そんな時にお茶は助けてくれます。細かく言えばテアニンやカテキン、ビタミンCなどの効果で実際に栄養補給をしてくれますし、それが気軽に飲めるペットボトルやティーバックは時に非常に助かります。

けれどもそれだけ日常に溶け込むお茶が本当に無料や安価であっていい?…というよりはその価値観に自分が慣れ親しんでいいのか?という疑問はあります。

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(全国茶生産団体連合会調べ。平均単価は100gあたり500円前後で横ばい、近年は低下傾向)

飲食店で出しているお茶は、おもてなしの心です。
あなたが来てくれて嬉しい、幸せな時間を過ごして欲しい、ここに居てくれてありがとう、そんな想いがこめられています。

しかしそれは、あくまで想いに対して受け身な時が無料です。
けれども、ほんとうに美味しいものほんとうに飲みたいものが、無料や安価のもので自身が納得できるでしょうか。


中国でお茶がなぜそこまで高いのか?
100gあたり1400万円で取引されるのか?

それはお茶がアートだからと中国人は感じているからです。
文化的にも歴史的にもまた健康面でも価値があるお茶。
その価値を何世代も引き継いでいるということもあり、様々な思いはあるでしょうが、自ら本物を手にしたいという、主体的価値観が備わっていると感じます。

お茶にこだわることは何より主体的に自分の口にしたいものを選ぶ、ということだと思います。そしてそれが本当にその対価に見合っているのだろうか、と考え直すことは必要不可欠だと感じています。

「50gあたり1,000円です」というと「高級茶だねー」とよく言われますが、本当にそうでしょうか・・・。煎茶は1回2g/人が適量なので、1杯40円です。2〜3煎まで飲めることを考えると百貨店で売られているお茶ですら相当安いと思います。

・流通量が減っているのも、美味しいお茶に気が付いてないから。
・その対価を私たち自身が考えることに至ってないから。

だから、日本茶は安い。
なぜそうなるのか考えると、その工程を知る手はずも少なく、お茶の良さやこだわりを知る機会があまりにも消費者とかけ離れているからかもしれないですね。

それにしてもまだまだ、作業工程からすると単価としては安い気がしてなりません。日本中の茶農家さん、仕上げ加工業者さん、問屋さんの努力が正当評価されるには、やはり自分たちが日本の歴史や自分の審美眼を評価する気持ちを持って主体的に動いて行かないといけないな・・・と勉強して感じたのでした。あくまで資格は資格なので気にせずやっていきます。

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