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中古のスプーンを買う人がステキな理由

僕は零細古道具屋。

僕にとっての古道具屋っていうのは

所謂リサイクルショップだ。

アンティークショップじゃない。

そこで売ってるカトラリーは

中古だったりするんだけども

お値段は50円からと

ソコソコリーズナブルプライスだと言えよう。

当然

売っても売っても儲からないが

店主オススメである。

その零細中古生活雑貨屋では

古い木箱の中に放り込まれた

無数の中古カトラリーの中から

お気に入りの一本を楽しそうに探す人がいて

その楽しそうな顔をレジから眺めるのが好きな店主がいて

いつもぼーっとしてるだけの店主にため息をつく

愛すべき奥様もいて

それはそれはピースフル。

そんな

中古のカトラリーは

当然

中古品であって

誰かが使ってたモノだ。

それを店主である僕が

せっせと磨いて

お店に並べている。

だから零細なんだけども

それはまぁいい。

いや

全く良くはないけれども。

実は

どこかで誰かがカレー食べてた

傷だらけのスプーンを

そのリサイクルショップで買うためには

手放さないといけないものがある。

それは

若干完璧主義的な新品への執着

だったり

中古品は不衛生という思い込み

だったり

もしかしたら

無意識に感じている

人の目

かもしれない。

人によっては

そういうものから少し開放されて

心が軽くなる

魔法の中古スプーン。

だから

ごくごく自然に

中古のスプーンを選んでいる人は

魅力的

そう

とても

ステキなのだ。







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