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地元の自治会の総会に出席したらモヤモヤした話。

ちょっと思うところがあったので、結構ナイーブな話題ではありますが、細心の注意をもって記事を書いてみます。

我が家は、地域の町会・自治会に加入している。正直、私はこの組織については深く理解していないけれども、ざっくり定義するならば以下のようなものらしい。

「地域に住まう住民の人たちが互いに手を取り、住民たちによる、住民たちのための、地域生活をより良いものにするために活動を行っている任意団体」
https://offer.able.co.jp/oshieteagent/room/neighborhood-association-merit/#i-2

この組織の役割としては、各団体や地域によってまちまちではあると思うが、おおかた、地域内のお祭りや防災、清掃活動などを住民たちで協力して行っていたりすることが多いらしい。ほかにも、普段関わり合いのない近隣住民の方同士で親睦を深めたりという目的もあるらしい。あくまで地域の住民が自分たちで、地域の行事を支えたり、助け合いによって住みよい街にしていくコミュニティ。そのため、行政機関による直接の団体でもないし法的にこれに加入する義務は無い。で、そういった諸々の活動や組織の運営のために、活動費(会費)が月単位とか年単位とかで各世帯から集められる。その組織をコントロールする主体として、会長とか会計とかそういう役員を決めたりする。

我が家は今の家に引っ越してきてから約二年経つが、その転居してきたタイミングでこの地域の自治会に加入した。正直言って、何が何やらよく分からないまま加入することになった。これから子供も大きくなるし、地域の住民の方たちとも仲良くできたら嬉しいという思いからだ。

ただ、その当時は、自治会員の人たちと一度だけ飲み会をしたきりで、それ以降すぐにこんなパンデミックな世の中になってしまった。そのため、地域の行事もすべて中止になってしまったし、もちろん人が集まるお祭りや清掃活動も基本的に無いから、この自治会に所属していることでの何か行事などの地域活動的な恩恵のようなものは、正直に言ってほとんど無かった。

先日、我が家の所属している自治会では、次期役員を誰(どこの家)にするかの総会が開かれたので参加してきた。こういった時代にも関わらず、書面決議でなく、わざわざ対面で集まって会を開くということは、何か重要な議題でもあるのかと思って話を聞きに行った。

しかし。
要約してしまえば、「次の役員は誰がやるのか?」「私はやりたくない」「お前がやれ」といった議論が堂々巡りで交わされるだけの集まりだった。

どの町も似たようなものかもしれないが、我が家が位置する地域は、年配の方が多く、昔からのしきたりを大事にしているようだった。そのため、「誰が役員をやるのか」ということに関して、本来は、記録(めちゃくちゃ古い紙の冊子があるらしい)を辿ると、誰々さん、誰々さん、と昔からそこに住んでいた家で、輪番で務めていたという経緯があるようだった。であれば、今回も順番でいいだろうと思うのだが、どの家も非常に高齢になっており、もう六十代、七十代オーバーは当たり前。そんな状態が続いているものだから、自治会の活動自体もかなり厳しくなってきているようだった。

その中で、親の代からそこに住んでいる若手のとある方、Sさん(それでも恐らく五十代くらいだろうか)が一生懸命頑張って、長年、会長の役を務められてきた。輪番を無しにして、自治会活動の一切を一手に引き受けてくれていた形だ。ところが、 Sさんは普通に会社勤めしていることもあり、いい加減、プライベートを自治会活動に割く時間があまりに大きくなってきたことで、そろそろ別の方に会長の役を譲りたいということだった。

そんなとき、一度、私が新たにこの地域に越してきて会員になったことで、役員にどうだろうという話になった。私もまだ三十代なので、世代交代という意味ではたしかに適任ではある。ただ、そうは言っても、私も現役で働いていることもあるし、何より、地域のそういった行事なんかも今まで全く経験していない。そもそも、同じ地域にどのような方が住んでいるかも、正直全員を把握できてはいない。

そのような事情から、いきなり新入りに任せるのはマズイということになり、やはり従来の輪番制に一旦戻しましょうということになった。にもかかわらず、自治会員のうちのかなりご年配の何名かは、現会長のSさんに対して「いやいや、やっぱり長年ここまで頑張ってこられたんだから、Sさんには是非もう一期会長をがんばってほしい」とか言ったり、順番通りで言えば次は誰々さん、というところが分かっているのに、その人が会を欠席していることを理由にそれを飛ばして次の順番の人に打診をしたら、「欠席裁判でこの場に居ない人に決めるわけにはいかない。今の会長である Sさんから直接その人に連絡して話をつけるべきだ。順番を飛ばすのは絶対ダメだ」などという意見が出たりで、もう、しっちゃかめっちゃかな状態だった。

そのような二転三転した意見が出るたびに、現会長のSさんは、汗をかいて困りながらも、笑顔で柔和に対応していたのが、見ていて辛かった。

私の気持ちを表すなら、役員については、いずれ務めてみたいという思いがあった。それは子供たちがここで育ち、成長していくうえで、町の発展のために自分ができることが少しでもあるならば、尽力してみたいという思いからだ。

しかし、このような自治会のやりとりを見聞きしていると、言い方は酷いかもしれないが、「一体この街に未来なんてあるのか」と思ってしまう。

若者が、町を、地域を引っ張っていくことは賛成だが、この様子は「若者に面倒ごとを押し付ける年配者」に見えて仕方なかった。口では偉そうなことを言っていても、客観的に見れば、結局「自分は、役員も、そしてその調整すらもやりたくありません。だからそっちで何とかしてくれ」というふうに映る。これまで頑張ってこられたSさんに対しての敬意や感謝の気持ちは、微塵も感じられなかった。

もちろん昔からこの地域に住み、町をそして生活を、守りそして支えてこられた方々がほとんどだと思うし、年齢を重ねて体が思うように動かないということもあるのだろうけれど、その引継ぎ方法というか、コミュニケーション自体が正しいようには見えなかった。

言いたいだけ文句を言い、頑張ってくれる人の話を聞かず、自分の思い通りにしようとごねる。
そのような仕打ちを受けながらも、果たして、次の若い世代が頑張りたいと思うだろうか。かなり嫌な言い方をすれば、「貧乏くじ」のような役回りでなく、それを担うだけの価値を、果たして先輩方は今まで守って継承することが出来ていたのだろうか。
それを全うせずに、「体が動くのだから」「若いのだから」という理由だけで任せるのは、いささか強引に見えてしまう。

結局、一時間以上も会議の時間を使っても次期役員は決まらず、Sさんは、昔からの順番に戻ると次はKさん、断られたらその次はTさん、それもダメならその次はMさん、というふうに自ら打診して役員をお願いしてみることで持ち帰るとのことだった。総会が終わり、私は、今回は自分に役は回ってこないものの、なんとも後味の悪い思いを抱えたまま帰路についた。

実は他にも色々と言いたいことはあるけれども、あまり愚痴っても仕方が無い。一つ言えることは、「未来のために何ができる」それを考えないといけないと思った。それは地域や町もそうだけれど、自分も、自分の家族にとっても。自分がまだ「若手」のうちだからこそ、ちゃんと未来を考えて動かないといけない。

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