フリーランスは厚生年金に加入できない!?
「会社員からフリーランスになった場合、厚生年金はどうなるの?」
「何か特別な手続きが必要なの?」
こんにちは!フリカツ(Twitter@taka_taka_59)です。
フリーランスになる前に知っておくべきこと。その1つに年金の制度があります。
会社員からフリーランスになる場合、年金について気になる方も多いのでは?
この記事では、フリーランスの年金について気になる方に、
・フリーランスは厚生年金に入れないの?
・厚生年金と国民年金の差とは?
・厚生年金の代わりに使える制度にはどんなものがあるのか?
について紹介します!ぜひ参考にしてください。
そもそも厚生年金とは?
厚生年金は、会社と折半で国民年金に上乗せした額を納めます。受給する時も、国民年金に上乗せで給付されることになります。
そのため厚生年金は、国民年金のみの人と比べて、納める金額ももらえる額も大きくなります。
厚生年金は、配偶者を扶養に入れることも可能。納付額を社員と会社で半分ずつ負担するので、会社員は年金を半分だけ納めればよいことになっています。
「平成30年度 厚生年金・国民年金事業の概況」によれば、年金受給者の毎月の受給額平均は次のとおり。
・国民年金のみ…5万5,708円
・国民年金+厚生年金…14万3,761円
2倍以上の差ですね。
将来のことを考えると、厚生年金に加入したほうがお得であることは一目瞭然です。
フリーランスは厚生年金に加入できないの?
フリーランスは厚生年金に加入できません。
厚生年金は、厚生年金保険に加入している企業に属している人が対象です。フリーランスになったら、厚生年金の対象から外れることになります。
フリーランスは会社との年金折半はできず、配偶者を扶養にできないので、国民年金を自分と配偶者の二人分納める必要があります。
退職後、自分で国民年金への加入手続きをする必要があります。
退職から原則14日以内に離職票や身分証明書、年金手帳を持って市区町村役場か国民年金窓口に行き、国民年金への加入手続きをしましょう。
厚生年金に加入できないフリーランスには、国民年金に追加して活用できる制度があります。
次項で詳しく解説しますので、ぜひチェックしてください!
フリーランスが厚生年金の代わりに加入しておくべき4つの制度
フリーランスが活用できる制度は、下記の4つです。
・国民年金基金
・付加年金
・確定拠出年金(iDeCo)
・小規模企業救済
ひとつずつ解説しますね。
国民年金基金
「国民年金基金」は厚生年金と同じように、国民年金に上乗せで加入する公的な年金制度です。
フリーランスなど、個人事業主のための制度です。
国民年金基金は、基本的に65歳から一生涯受け取れる終身年金です。
掛金は加入した時の年齢によって決まり、その後収入額が変動しても掛金額は変わりません。
掛金上限は68,000円で、1口目と2口目以降で選択肢が変わります。年金受給前~保証期間中に加入者が亡くなった場合に遺族へ一時金が支給されるA型とI~Ⅴ型 がおすすめです。
掛金は全額社会保険料控除の対象になり、受け取る時にも公的年金等控除が適応になります。
掛金額は加入後に増やしたり、支払いが難しい場合は、口数単位を減らしたり一時停止も可能。
国民年金基金は「確定給付年金」、つまり受給金額が決まっている年金です。申し込んだ時の予定利率(現在の予定利率は1.5%)で掛金が運用されることになっています。
国民年金基金は一旦加入すると、基本的に途中でやめることはできません。インフレでお金の価値が下がった時にも受給金額は変わりません。
国民年金基金は後述の「確定拠出年金(iDeCo)」と併用することができます。掛金は2つ合わせて一月68,000円が上限です。
加入する時には、「全国国民年金基金所在地」に出向いて手続きする必要があります。
>> 所在地一覧はこちら
>> 国民年金基金について資料請求はこちら
付加年金
「付加年金」も公的年金のひとつです。
「国民年金を少し追加で納めると多めに受給できますよ」
という制度です。国民年金基金との併用はできません。
令和2年の国民年金保険の一ヶ月あたりの保険料は16,540円です。
付加保険に加入する場合、この保険料に毎月400円プラスして納めます。つまり、年金納付額は一ヶ月16,940円になります。
付加年金に加入していた場合、受け取る年金には毎年「(200円×付加年金保険料納付月数)円」が加算されます。
例えば、25歳にフリーランスに転向して、付加年金に加入し60歳まで不可年金保険を納めた場合、付加年金保険料納付月数は35×12で420ヶ月。付加年金納付総額は168,000円です。
受給する時には、納付月数に「×200」で84,000円を毎年基礎年金に追加で受け取れます。
基礎年金を2年受給すると納付した分の元を取れますが、付加年金の毎年「+84,000円」というのは年金受給中ずっと続きます。
付加年金に加入する場合は、最寄りの市区町村役場で加入手続きできます。
確定拠出年金(iDeCo)
確定拠出年金には、個人型と企業型の二種類あります。ここでは個人型確定拠出年金(iDeCo)について解説します。
確定拠出年金は、「自分で決めた金額を出して金融商品を運用した利益を年金みたいに受け取れます」
国内債権、海外債権、国内株式、海外株式などの金融商品の中から、どれにいくら当てるかを自分で決めて運用できます。
iDeCoの場合、フリーランスを含む自営業者は一月5000円から68,000円の中で1000円単位で掛金を設定できます。
掛金は全額所得控除の対象になります。掛金額は年1回変更可能です。
通常金融商品を購入して利息を得た場合、その利息に対して課税されます。iDeCoの場合は運用益が課税対象外なので、利益をそのまま受け取れます。
受け取る方法は、分割で年金の形で受け取る「分割受取」と退職金のように受け取る「一括受取」から選べます。
年金形式で受け取る場合は「公的年金等掛金控除」、一括で受け取る場合は「退職所得控除」が受けられます。
原則として、60歳までの間に途中で引き出したり脱退はできません。60歳から70歳の間の好きなタイミングで受け取りを開始できます。
iDeCoは、運用実績次第で元本割れのリスクがあります。給付金が変動しない国民年金基金と併用もできます。
iDeCoは金融機関を通して、加入申し込みができます。金融機関ごとに取り扱っている運用商品やサービス内容が異なります。
代表的な金融機関のiDeCo情報はこちら。
・SBI証券
・楽天証券
・三菱UFJ銀行
小規模企業救済
小規模企業共済は、小規模企業の経営者や個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。
1か月1,000から70,000円までの間で、500円単位で月々の掛金を設定できます。掛金は全額所得控除になります。
共済金に満期や満額はなく、掛金の設定額は加入後自由に増減可能です。6ヶ月以上積み立てると、廃業した時に共済金を受け取れます。
12ヶ月以上積み立てると、共済解約の時に解約手当金を受け取れます。
受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」の中から選べます。一括受取の場合は「退職所得」扱い、分割受取の場合は公的年金等の「雑所得」扱いになり、課税対象になります。
共済金の納付期間が6ヶ月未満または準共済金の納付期間が12ヶ月未満の場合、共済金は掛け捨て。加入期間20年未満で小規模企業共済を解約する場合、解約手当金は受け取れますが、掛金総額よりも下回るので元本割れのリスクがあります。
加入期間が20年以上でも、途中で掛金を増額したり減額したりした場合、解約手当金が掛金を下回ってしまいます。
しっかり納付すれば、納付期間に応じて最大120%相当が戻ってくるので、加入後20年間納付し続けられるか、よく検討することをおすすめします。
小規模企業共済に申し込む場合は、小規模企業共済を運営している「中小機構」が業務委託している団体、または金融機関の窓口に出向いて手続きをする必要があります。
>> 加入窓口はこちら
まとめ
フリーランスが厚生年金に加入することはできません。その代わり、下記の4つの制度を活用できることを解説しました。
・国民年金基金
・付加年金
・確定拠出年金(iDeco)
・小規模企業救済
このような制度を活用すれば、所得控除として節税しつつ、老後のために積み立てができるので一石二鳥ですね。
「備えあれば憂いなし」です。しっかり備えて参りましょう。
なお、フリーランスになるための情報については、ブログでも詳しく解説しています。
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