職探し奮闘記 〜 その5(就活続行&心の迷い編 )

(この文章は2015年の10月に、就職が決まって初出勤を待つ間に書いたものです)

とは言え、まだリクルーターさんから口頭でこれからオファーがあると聞いたのみ、実際給料がどのくらいなのか、いつ正式なオファーがあるのか、何も見えないので、本当に確定するまでは、就活はやめない事にしました。

そう思ってたら、こちらからメールを返したうちの何人かのリクルータさんが、クライアントが私の履歴書に興味を示している、と、また連絡を取ってきました。
一応ディズニーのオファーは正式ではないとはいえ、相当確実なようには見えるので、そのリクルーターさん達には、
「もし今面接に赴くとしたら、今あるオファー見込みが何らかの理由でダメになった時の為の、
保険のような感じで行くと思いますが、それでもいいというなら面接行きます。」
と、断りを入れました。
驚いた事に、それでもよいので会いたい、と言ってきた会社が、結構あってビックリ。

一つは、実は会社ではなく、先ほども書いた、Directors Guild of America(全米監督協会)という、NPO。
OKしたらすぐ電話が掛かって来て、10分位の特急の電話面接をしました。
「じゃあまた連絡します」
と言われて電話を切り、また5分位後にリクルーターから電話が掛かって来て、
「クライアントが是非会いたいと言ってます」
という。速いww ていうか、そんなら私に直接言ってくれたっていいのに、とか思ったりww
それで、次の週の月曜日に面接が決まりました。

そこからもうちょっとこの団体について調べたんですが、要は、ハリウッドの映画監督と助監督と、その他の監督関連の為のユニオンなのでした。
基本、このユニオンに所属していないと、ハリウッドで監督業はできない。
へ~、面白い所から話が来たものだ、と思って、友人らにその話をしたら、
DGA (Directors Guild of America)と名前を挙げるだけで、皆仰天してました。
その業界で働いている友人は、
「凄い金持ち団体だよ~。移動は常にファーストクラスだよ~。」
と言っていました。その友人の奥さんは
「素晴らしい。私たちもそこでやっている映画のワールドプレミアに招待される事もあるわ。」
と言って、そこが単なる労働組合のオフィスでなく、映画館も併設されている、映画関係の特別施設も兼ねているのだという事が分かってきた。
別の友人は、
「アカデミー賞を主催している団体よ。ベネフィットが凄くいいわよ~~」
と言っていましたが、リクルーターの話では、多分ディズニーよりもベネフィットだけならいいと思う。
何だか聞けば聞くほど凄く思えてきて、面接が楽しみになってきました。

そんなしてたら、今度はこないだ面接を受けた3Dモデルのソフトの会社から、次の面接の招待をいただきました。
え、、本当に二次面接したいの?数学もできないし、C++も初心者レベルなのに。。?と益々わからないw
そのリクルーターさんにも、既にオファー見込みがあるので、それを先方に了承してもらいたい事と、
月曜は別の面接があるので、月曜以降のスケジュールで組んでほしい事を伝えました。
そしたら、突然そのリクルーター、ゴネ始めた。
「その面接の為に、月曜全て開けるって事?なんだかそれだと、この会社にもう興味がないように聞こえますね」
とか言ってきた。
「別に全く興味が無いとは言っていないけども、比較するなら、技術のマッチする他のポジションのほうが、より興味があるだけです。」
って言ったけど、もちろん彼の聞きたい返答ではない。
「興味がないならやめますか?」
とか、何か感じ悪い。。そんな上から目線で脅すように言うくらいなら、別にいいよ、イマイチ希望ともマッチしてないし、と思って、
「仲介役はあなたで、この面接に関して私には何の力もないですから、あなたがそれがベストだと思うならそうしてください」
と言ったら、ちょっとひるんで、結局水曜日に面接の予定を入れました。
ここにきて、リクルーターの本当の顔を見た感じ。。
「どこの会社?誰と会ったの?正式オファーはいつ来るわけ?」と、まるで尋問されているかのように質問を浴びせかけられ、もう話すのも嫌になった。
今ここで私が彼らの利益にならなくとも、またジョブ・マーケットに戻ってくるかもしれないのだから、そんなに感じ悪くするのは賢くないと思うんですけど。。

週末の間、就活サイトなどを再びリサーチ。オファーを受けたらどうしたらよいかを調べると、
「交渉無しにオファーを受けるのはアホ、みんな交渉がある事を想定して金額を低めに設定しているのだから、欲しいサラリーを言いなさい、交渉しなさい、十分なオファーだと思っても、すぐにはOKせずに、ホールドしなさい」
みたいな事がどこにも書いてある。
うーん、また苦手な交渉事だ~~、やだなー、失敗したらどうするんだろう?と思って、また教授にメールしました。
彼は以前ディズニーで働いていたので、彼の時はどうやったのかな、、と思って。
そしたら、「ディズニーでサラリー交渉して、成功したって例は見た事がない。」と言う。
「君の状況は分からないが、他の誰が何を言おうと、君がオファーに満足なら、受ければいい。それで終わり、それでハッピー。普通交渉する場合は、自分が安全な位置にいる場合だけ、つまり今現在良い仕事があって、"$oo貰えないならもう結構です、さようなら"とそこを立ち去れるだけの状況にあるならやれるかもしれない。でもそうでないなら、サラリーの交渉は最も避けるべき事だ。」
それを聞いて(読んで)、相当ホッとしました(笑)。
ディズニーみたいな大きな会社で、向こう側が提示するサラリーを変えるとなると、仮にできたとしたって、また承認だなんだって、一週間くらいかかる。
そう思ったら、彼らの出す金額がファイナルだと思ってよいと思う。
それを受けるか受けないか。
また、どのくらいのサラリーを期待してよいのか、ポジションの募集要項を見せて聞いたら、
「そのあたりのポジションは、$oo以下ならフェアじゃないし、$oo以上は非現実的」
と、大体の予想サラリー範囲を教えてくれました。これも凄く助かった。

そして週が明けて月曜日、ハリウッドヒルを越えてすぐの所に建つ、DGAのビルに行きました。
円柱を崩したような変わった形のビルで、後で面接官に聞いたら、映画のフィルムのリールをイメージしてデザインされたんだそうで。
おしゃれ~w 中も、天井の高いロビーに大きなシャンデリア、めちゃめちゃ高級感あり、ファンシーだな~~、という感じでした。
指定された階にエレベーターで昇って、そのフロアも天井がとても高くて、きらびやかで豪華。
受付の兄さんは、多分俳優志望なんだろうな~、という感じのカッコイイ人でしたw
しばらく待って、電話で話した開発チームのマネージャーのクリスが出迎えに来てくれました。
こちらは小太りの普通のおじさんだったけど(笑)、ニコニコしてて人が良さそうなのがにじみ出ている感じ。
じゃあこちらに、と通された会議室は、キッチンとスナック付きの、役員会議でもしそうなすごく広い豪華な部屋でした。。
そこで座って、履歴書を見ながら一通りの経歴を話しました。
向こうから何個か質問はあったものの、そこまで技術的に深い質問は沢山されませんでした。
逆に、こちらかの質問のほうが多かったくらいで、どちらが面接をしているのだ??という感じになってきた(笑)。
DGAのこのビルで働いているのは大体150人くらい。ITチームは9人、うち4人がプログラムをする開発者。
使っている技術はバリバリ.NETで、MVCとEntity Frameworkを使って、昔々のコードを書き直している最中なのだとか。
.NET屋さんとしてキャリアを伸ばして行くならば、理想的な環境でもある。
そしてNPOなので、基本的には締め切りが無く、とてもゆったり仕事できるらしい。
この仕事をしていて良かったと思う事は、と聞いたら、自分の時間が沢山持てる、という事らしい。
非の打ちどころがないね。。

クリスと一通り話した後、CTOで名前は何だったか忘れたけどクリスのボスに当たる人にも会ってほしい、と言われ、部屋を移動しました。
その途中、壁に沢山飾ってある、ハリウッド監督たちの、監督現場の写真を見ながら、
「ほらスピルバーグだよ、トムハンクスだよ、ほら、クリント・イーストウッドだよ」と解説してくれましたw
世界のクロサワの写真もちゃんと並んで入ってました。
CTOに「クリスと技術的な良い話し合いはできたかい?」と聞かれて、
「そう思います」ってクリスのほうを見たら、満面の笑みでウンウンうなずいてくれてましたw
で、クリスに話したのと似たような話をしたのだけど、クリスは私の事を気に入ってくれたのか、CTOに私が話をしている間、色々必死に助け船を出してくれたりもして、まるでボスに私を売り込んでくれているかのようでした。
CTOはこの団体の説明も沢山してくれて、色々その業界ならではのユニークな事情を学ぶことが必須な事や、前年のソニーへのサイバー攻撃の時は大変だった事なんかを話てくれました。(Fax使ってコミュニケーション取ったとかw)

それで話し合いは良い雰囲気で終わり、帰りにクリスがロビーまで送ってくれて、
「では、そのディズニーのオファーの件の状況が変わり次第、また教えてくださいね」と言われて握手して別れました。
という事は、有力候補者の中には入っている、という事なのだろう、と予想。
就活初めて一か月半、ここにきて、初めて、「良い感触」で面接を終えました(笑)。

もしここからオファーを貰ったら、恐らくディズニーに負けていないかそれ以上だろうし、ベネフィットも相当良いと予想される。
クリスは10年ここに勤めていて、今プログラマーを探しているのも、25年働いたプログラマーが定年退職したからなのだそうだ。
プログラマーで定年退職、って初めて聞いたかも。。(笑)。
つまりは、 そう簡単に皆やめたがらない、つまりは、もの凄く居心地の良い職場である事がうかがえました。
そして、そう頻繁に募集はしない。
技術的にも、ディズニーほどのチャレンジはないかもしれないけども、低すぎて困るという事もない。
仮にディズニーとDGAと、両方からオファーを貰ったら、、と、ここに来て、迷いがw

つづく

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