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桜の塩漬け

乙女な感じのタイトルですが、残念ながら私は乙女っぽい料理はしません。いや、出来ません、です。ごめんなさい。飾りに使うことはたまにあるけれど。桜の塩漬けは刻んでちょこっと使うことで隠し味として非常に重宝するので、調味料として作っています。
季節的には随分前なので今から仕込むのはもう無理ですが、来年は空気の綺麗な場所にある、収穫しても問題のない八重桜(自分の家の庭とか)を見つけたら是非。人様のものを勝手に取ったりしてはいけませんよ。念のため。
それから、白梅酢を使うので、来年のために、今まさにこの時期に梅漬け(白干し梅)を作って置くことを強くお勧めします。梅に重量の20%程度の塩をして容器(ジップロックでも可)に入れよく混ぜて水分が上がってくるのを待つだけ。そしてそのまま放置で保存可能。その水分が白梅酢です。本体が梅漬け。食べたい時に実を取り出して水分はそのまま保存。白梅酢は香りの良いお酢として調理に使えます。で、中身の梅漬けは干せば梅干し。でも干さなくても梅の香りがして十分美味しいし、ちゃんと梅干しの味です。いや、干してないけど。ややこしいわ。
干すとフルーティな香りがとんでしまうので、私は干さない派です。

梅の前置きが非常に長くなりましたが、本題は桜です。
ざっくり、材料です。
●7〜8分咲きの八重桜の花(房ごと)  適量
●塩     桜の重量の20%くらい
●白梅酢   適量
桜の花は摘んできたらすぐに水でさっと洗って塵を取り除き、ザルに広げてペーパーで優しく水分を取る。清潔な容器に花と塩を交互に重ねて入れ、上から重石をして一晩置いておく。
翌日、容器から取り出し、花から水分が出ていたら優しく絞って別の清潔な容器に並べて入れる。上から白梅酢を注ぎ再び重石をする。白梅酢の量は、重石をした時に花が水分で隠れるくらい、です。4〜5日して、再びザルに広げて陰干しして良い感じに乾燥してきたら完成。
ビン等に入れて、上から分量外の塩を振って保存します。

保存食なので、賞味期限はあってないようなものだと思うのですが、例として、遥か昔、私が大学生だった頃に作った17年ものの塩漬けが現役で使えます。さすがに色は退色して薄い桃色になり、乾燥が進んで干からびたようになってしまっていますが、香りと味は変わらず。乙女な感じで飾りに使うには厳しいですが、調味料としては全く問題ないです。塩と酢の底力を見ました。

当時、お世話になっていた教授のお庭に立派な八重桜があったので、お願いして採らせてもらいました。大きめボウル3杯分とかなり遠慮なく収穫し、業者かよという量の塩漬けができたのを覚えています。まあ、その残りが今もこうして使えている訳なので、あの頃の私よくやった。そしてその前年の私、入学したにも関わらずよくぞ梅を漬けていたことよ。


こういう、10年や20年、さらにもっと先の自分へのプレゼントとして、暇さえあれば今日もせっせと保存食を仕込むのです。


もしよろしければ、こちらも。 少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。