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カツオの町へ、おひとり様。

2023年7月15日。
三連休初日、梅雨空どこぞやら、殺人的な酷暑の土曜日。

突然の思いつきで九州の端っこ、『枕崎』へと向かった。

下道で6時間もかかる。近いようで遠い。
九州にかれこれ27年住んでいるが、初めて訪れる土地だ。



下道で南九州の西海岸沿いを行く。格好良く言えばウエストサイド。


南さつま市を抜けると、枕崎の文字。
道路標識にはカツオ。
高知県と並んで日本有数のカツオ名産地なだけはある。


カツオ漁船を前に。


夕方16時45分、とりあえずカツオを食べねば。
『枕崎お魚センター』へ。


想像の15倍廃れている。

センター内に入ると『蛍の光』。17時閉館らしい。

レジ締めをしているおばちゃんにカツオの腹皮焼とお土産(自分用)の鰹節をオーダー。

嫌な顔もせずにこやかに応じてくれた。ちょっと安心。


カツオの腹皮焼 ¥200

カツオはタタキと鰹節くらいでしか食べたこと無かった。
いい塩梅の脂がしつこすぎない。白飯が欲しいところだ。

味わうのも束の間、閉館時間になる。

センター後ろの枕崎港に並ぶカツオ漁船。
誰もいない埠頭をうろうろしながら漁船の仕掛けや、
船艇についたフジツボを眺める。


無造作に置かれている仕掛けを見るのが面白い。

重すぎてなかなか持ち出さずにいた一眼レフで写真を撮った。
やはり写真は楽しい。


13年選手の愛機『NIKON D7000』

というか一人旅の楽しみは、美味しいご飯と写真に限るのではないか。

現地の人と仲良くなるのも良いが、一人になりたくて旅をしているので余計に気疲れするのは避けたい。


海のよく見える場所へ。


18時、といえど夏至から日が浅くましてや九州の最南端ともなればまだ当然のように明るい。

漁港から5分ほどの場所に海を見渡せる展望台があるとのこと。

早速車を走らせる。


辺り一帯キャンプが出来るようだ。Windowsみたいな景色。

絶海に浮かぶ岩を除けばそこには島影一つないまっさらな水平線。

時間を忘れ、しばらくボーッとしていた。


不気味。

展望台の横には遥か下の海岸への道が続いていた。
看板と相まって不気味だ。

下へ降りようと道を進むも階段は草というか木々で覆われており、
とても降りれない。諦めた。

歩いてきた道を引き返す。

岩に打ちつける白波が美しい。
演歌のPVみたいだ。

高明な焼酎、『白波』はここ枕崎で造られている。
海を見ながら一杯やりたいところだが、生憎車で来ている。

めぼしい宿も無いのでお預けだ。

帰り道、薩摩半島の端にある『開聞岳』を望む。

綺麗な成層火山。思わず撮るよな。


夕日が沈むのを見届けて去ろうかと思ったが、まだまだ太陽は高い

いい時間なので、小腹を満たし鹿児島市内へ行くことにする。


地方旅行の醍醐味。


さて、小腹を満たすべくやってきた地元スーパー。
地の物を安く美味しく味わうのには最適解だ。

狙うは新鮮な地魚。


鶏のタタキ ¥135、買わずにはいられない。

結果、カツオは売り切れていたものの、地物のカジキマグロの刺身と霧島の鶏のタタキを購入。

ノンアルコールビールを含め総額¥500以内に収まった。
なかなかに優秀じゃないだろうか。

同じものを鹿児島市内で食べるとなると¥3,000はくだらないだろう。
ハンドルに最近買ったテーブルを設置し、ささやかな宴だ。

この銀色の缶の0.0%という数字が無ければどれほどよかっただろうか。
麦ジュース片手に、食べ進める。

カジキ、味が無い。無味だ。

醤油もワサビもついていないのに食べる前に気づき、素材本来の味を楽しむつもりで口にした。が、無味。

無駄に大量にあるので、鶏のタタキの甘だれと頂く。
悪くは無いが、九州独特の甘い刺身醤油が恋しい。

もはや刺身は刺身醤油を味わうためのものと言っても過言ではない。
魚はオマケだ。

デブ論

そろそろお気づきかもしれないが、とても「小腹」を満たす量ではない。
味のしないカジキで不本意ながら「満腹」になってしまった。

鹿児島市内で数軒ハシゴする算段だったが取りやめ。

市内までの1時間の道のりで、予定を立て直すことにしよう。



帰り道の廃墟が良い味出していた。


続く____




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