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【偏愛日記】 青春18きっぷについて。
JRが毎年春夏冬に発売する「青春18きっぷ」。私がこよなく愛するこのきっぷについて自身の体験を踏まえつつ語っていきたい。
「青春18きっぷ」とは
・JR全線の普通列車の普通自由席が5回乗り放題(グループ利用も可)
・金額 ¥12,050
・有効期限は春夏冬の一定期間
というものだ。
名前からして18歳までしか使えないように見えるが誰でも使うことが出来る。
青春18きっぷとの出会い
私と18きっぷとの出会いは高校1年生の冬休み。旅行好きの父からいきなり『18きっぷ』と国語辞典並みの分厚さの『JR時刻表』をもらったことから始まる。これが私の記念すべき最初の一人旅だ。
この時刻表、正直重くて邪魔なのだが旅程を構築する上では大いに役立つ。
スマホで簡単に時刻表が検索できて、Google大先生に聞けば最短時間での乗り継ぎを教えてくれる今、なぜ紙の時刻表なのか?
普通列車を利用する18きっぷの旅において、どの駅で乗り継ぎするかは非常に重要になってくる。
日本の鉄道は時間に正確なので遅延のリスクは無いが、あまりにも乗り継ぎ時間をキツキツにしてしまうと、ホーム間の移動に予想以上に時間を取られる可能性があるのだ。特にターミナル駅などは気をつけたい。
紙の時刻表は1ページに始発から終点全ての駅・列車の発着時刻が記されている点で効率的に旅程が組みやすいのだ。ターミナル駅は太字、停車ホームも分かる。
私の場合、北陸本線で新潟方面へ向かう途中、福井駅で寝台列車『トワイライトエキスプレス』とバッティングすることが分かった為、敢えて途中下車することにした。こういった普段は見ることの無い特急や特別列車と出会えるのも18きっぷの醍醐味。
話を戻そう。
2012年、高1の私の旅程をざっくりまとめるとこうだ。
1日目:水前寺駅(熊本)→長岡駅(新潟) 列車泊
2日目:長岡駅(新潟)→新宿駅(東京)
ホテル泊
3日目:山手線 ホテル泊
4日目:東京駅→弁天町駅(大阪府)フェリー泊
5日目:小倉駅(福岡県)→熊本駅
1日目 「列車泊」
この「列車泊」に利用した列車は、「ムーンライトえちご」である。
この「ムーンライト」という列車、他にも東海道本線 東京-大垣(岐阜県)間を走る「ながら」、新大阪-博多間の「九州」などがあった。(2021年春季ダイヤ改正をもって全線廃止)
18きっぱーにとっては宿代節約、夜間移動という点で馴染み深く、名物とも言える列車であった。特に「ながら」の終点である大垣駅での乗り継ぎ時における始発列車の座席争奪戦 通称大垣ダッシュは有名だ。
厳密にいうと寝台特急ではなく、夜行快速という括りになる。勿論寝台車では無いので完全に横になるのは難しい。運行される車両は国鉄時代の特急車両が多く、肘掛けの灰皿に時代を感じつつも座席幅、リクライニング、クッション性は申し分なかった。
「ムーンライト」は全席指定。そのため予め指定券を購入しておく必要があった(¥510)。
特に利用者の多い「ながら」などは早々に売り切れることもしばしば。快眠のために2席分を購入する人も少なく無いため注意が必要だ。
LCC、新幹線の台頭で寝台・夜行列車は相次いで廃止。クルーズトレインという形で残ってはいるものの、サンライズを除き一般庶民には手の届かない存在になってしまった。夜行列車のワクワク感は何物にも変え難い。
4日目 東海道本線
大晦日。皇居を尻目に丸の内口から東京駅へ。
始発で沼津まで。快速であったが特急車両。寝起きでフラフラなので助かった。この日は大阪まで行き、南港からフェリーで年越し、明けに新門司港に到着する流れだ。
行きの北陸本線は聳え立つ雪山に日本海、新潟の豪雪地帯と見慣れぬ景色で新鮮であったが、東海道本線に関して言えば、太平洋と富士山が一瞬見えるくらいで退屈であった。
故に尻も痛い。静岡はこんなにも長いものかと思い出す。(18きっぱーあるあるある)
早めに大阪へ到着する予定であったが、空腹と尻の痛みに耐えきれず途中下車。こういう急な変更ができるのが18きっぷ。
降り立ったのは豊橋駅。愛知県ということ以外に何も知らない。途中下車と言っても30分程度。改札を出ず、向かいのホームの立ち食い店へと向かう。
そばかうどんの気持ちであったが、「名物きしめん」の文字につられオーダー。横の人のうどんの出汁の濃さを見て改めて地方の差を実感した。寒空の下、吹きざらしのホームで食べる温かいものは身に沁みる。正直きしめん自体の味は覚えていない。もう8年前だもん。
こんな退屈で(尻が)痛い思い出も18きっぷでなければ経験できない。
途中の飲食代、宿代、時間等考えると決して新幹線や飛行機と変わらない、むしろコスパはかなり悪いのかもしれないが、それはあくまで列車を移動手段として考えた場合のことだと思う。
社会人になると、一人で18きっぷを使った旅行はなかなか時間的に厳しい。ゆっくりと移り変わる景色、見慣れぬ通勤列車、乗客の方言。学生時代に経験させてくれた父に感謝したい。ありがとう。
最後に今年度の18きっぷの販売・使用期間を載せておく。
https://railway.jr-central.co.jp/tickets/youth18-ticket/
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