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子ども達から教えてもらった大事なこと

こんにちは。

今日から数年間所属した
小児科病棟で経験したことについて
書いていきたいと思います。


経験する中で、
子どもたちが私たち大人にとってどんな存在なのか
それを痛感させられた数々の出来事がありました。


それらの経験によって、
今後私自身が何をしていきたいか
という大事な指針にも辿り着くきっかけ
の出来事達です。


長くなってしまうかもしれませんが
読んでいただけると、嬉しく思います。


まず今日は
私が小児科病棟看護師として配属され
今まであまり関わってこなかっあ
子どもたちとの関わりを通して学んだこと
について書いていきたいと思います。


今でも忘れられない衝撃的な経験だったので
書きながらグサグサと心がなりながらも
この出来事は
改めて大切なメッセージだったんだ
と感じられました。


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私は新卒で地元の病院へ就職しました。


私が配属されたのは、小児科病棟。
同期は6人。
うち経験者が1人、新卒は5人でした。


当時はチーム制で、
乳児期と幼児、学童期の2チーム
で分かれていました。


正直なところ、
私は学生時代の看護実習で
看護師という仕事に
自分自身が適応できないと自信をなくしていました。



実習を休まざる終えないほど、
自己嫌悪に陥った時もありました。

人間はいろんな人がいる。

怒りを直接伝えてくる人もいれば
陰で、聞こえるように、じわじわと
心をえぐってくる人もいる。

様々な心境を抱えているからこそ、
その苦しみを誰かに当たりたいと思うのか…
もしくは元々の性格なのか…

看護学生になって改めて
社会、
世の中の厳しさ、
大変さ
を思い知らされた気がした、
そんな看護学生生活でした。

だからこそ
看護師として、
この環境で働くことは、
自分にとって過酷すぎる
と判断し
学校を辞めることも考えました。


しかし許されなかった。


なぜか私を拾い上げてくれた先生が、
私が崩れるたびに現れてしまった…

今思えば
これは有難いことであり、
さらに
今の私の夢につながる
重要ミッションのようなものだったのですが
当時の私は、
どうして辞めることができないんだろう?
の連続でした。


看護師になる決意はできていないけれど
とりあえず受けてみようと書いた履歴書。



希望病棟を3つまで書き込むよう書かれており、
第3希望に小児科病棟という文字を書きましたが
そこに大きな意味はありませんでした…



配属先が決まり
病棟ごとに集合した際、
話題に持ち上がったのは
希望病棟はどこだったかという話。


話を聞いていくと、
私以外はみんな
第1希望が小児科であり、
小児科病棟希望の人がダントツ多かった中で、
なぜ第3希望の私が選ばれたのか、
という話に…


聞かれたところで私にもわかりませんが

のちのち面接を思い返してみると…


私の面接官は
看護部長と小児科病棟経験のある副部長でした。


看護師に絶対なりたいと思っていなかった私は
周囲の人が緊張している中
その2人を目の前にしても、
緊張せず、饒舌に話していました。


内容は、今思い返すと、
アホ!!!!
と赤面するほど。_| ̄|○

ままならない敬語で
でも自分が大切にしていることが
ストレートに伝わり
かつ他の人と違った
と今振り返ると思います。

あのバカっぽく真っ直ぐな考えが、
もしかしたら決め手となったのかもしれません…


話は戻り
小児科病棟へ初出勤の日。

今から始まる看護師生活に、緊張していました。

看護師とは無縁の仕事をしようと思っていたのに、
今いる場所は数々の挫折を味わった病院。

緊張と複雑な思いを抱えながら、
師長さんと同期と共に
病室を1つ1つ挨拶にまわりました。


賑やかな病棟。


近くに行くとニコニコ笑顔の子もいれば
誰だろうと不思議そうにじーっと見つめてくる子
寂しくてナースコール連打の子や
元気すぎて、ベッド上をぐるぐる回り、点滴のルートが足元に巻き付いている子


とにかくめちゃくちゃ。
落ち着いた時間なんて1秒たりともなく、
走り回っている看護師さんの姿がそこにありました。

これがこれから毎日始まる…
ゴクっと息を呑んだことを
今でも覚えています…


初めて先輩と共に子どもを受け持つ日。


まずは子どもたちに慣れていこうということで
私がその日受け持つことになったのは、
2歳のRくん。


人見知りであり、
心を開くまでに時間がかかる子である
ということを
事前に聞かされていました。


病室へ行くと
夜勤明けの担当看護師の方とRくんが
一緒にいました。


子どもと関わることは苦手ではありませんが、
とてつもない緊張感。


先輩にRくんとの関わりを見られているし、
そもそも本当に看護師としてやっていけるのか
自信なんかないんだと
そんな思いが心の中で渦巻いていました。

笑顔でRくんに近づき挨拶をした瞬間
私の笑顔は
完全に固まりました…


Rくんの目つきは鋭く、
完全に私を拒絶した目つきで睨んできました…



その目つきに、
私は過去の看護実習で味わった辛さが重なってしまい
身動きができず
恐怖心で心がいっぱいになってしまいました。


だめだ!
ちゃんとしなきゃ!
逃げられない!
先輩も見てる!
どうにかしなきゃ!


そんな言葉を自分の心に叩きつけ、
もう一度笑顔で話しかけました。


ドキドキと速くなる心拍数。


目の前のRくんの目つきは変わりません。


自分の笑顔がどんどん引き攣っていくのが
自分でもわかりました…

騒がしかったはずの病室が
急にシーンと静かになった
そんな感じがした瞬間


あ…私やっぱり向いてない。
だめなんだ。
私なんかやっぱりだめなんだ…

そんな言葉達が頭の中を駆け巡り
気づいたら涙が溢れ始めていました。



静かに見守ってくれていた先輩が、
助け舟としてRくんを抱っこしますが、
Rくんが見つめる先は

私…

鋭く、
警戒する目つきに、
耐えることができませんでした…


2歳の子から睨まれた経験など今までなく
その衝撃と共に
私自身の全てを見透かしているような
そんな感覚に襲われました。


涙を流している私を
とりあえず
と言って病室から別室に先輩と共に移動しながら
私は自己を振り返りました。


そしてここで私は気づきました。

私には
先輩を意識している感情
看護師としての自信のなさ
ばかりを考えており、
目的意識がないまま
Rくんと関わろうとしている
その感情がRくんに届いたんだ。

Rくんにとって
両親と離れて過ごしている今の環境は
相手がどんな存在なのか
必死に見極めようとしている状況なのかもしれない。


だからこそ急に現れた人間を警戒し
Rくんの感覚が
私に対して危険信号を発してしまった。


その危険信号は
純粋にRくんと関わろうとする感情がなかったことが
要因ではないかと思ったのです。

『よく動物嫌いの人は
動物が懐かない』
という話を聞いたことがあります。


それと同様、
子どもは5感が鋭いんだと思います。


上部の笑顔なんか通用しない。


しっかり心を向けて関わらないと
真剣に、
あなたと仲良くなりたい
という意思がないと、
見破られてしまう、
そう感じました。



このまま受け持つことは可能か師長さんに聞かれ
私は継続させて欲しい旨を伝えました。


私が今するべきこと
それは
心からRくんと仲良くしたいんだ
その思いを大切にし
伝え、表現しながら関わること。


私は心を改めて病室に向かいました。

患者さんを受け持った初日。
しかも病室に行って
数分の中での出来事です。

私はすでに子どもたちから
素晴らしい気づきを教えをもらった
そんな出来事でした。

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この経験を通して
上部なんて通用しない。

自分の心と向き合い、
どんな心持ちでその場に存在するのか
この部分が大事であると学びました。


これは子どもと関わるときに大事なこと
というわけではありません。


今の時代、
感覚が優れている大人もそう少なくありません。


例えば
相手と話していて、


今私の話聞いてなさそうだな


とか


なんかいつもより元気なさそうだな

とか


この人注意しないと危ないかも

とか…


言葉では説明できない
【なんとなく】
という勘
に救われた方もいらっしゃると思います。


ではこの学びを得て
私が実際どうだったのかというと…_φ(・_・


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私は、自分の自信のなさを認め
でもそんなのはRくんに関係ない。


私は看護師になりたての身。


私にできることは、
寂しい瞬間を無くすこと。


そしてRくんの いつも を知ること。


看護師にとって、
その人の いつも を知ることは重要な手掛かりです。


それも5感と大きく関わりを持ちます。


心を開いてもらうこと、
安心してもらうこと、
看護師ではなく、
人として信じてもらうこと

が大切なんだ
と、この時の私は強く思いました。


とにかくRくんを知りたい
仲良くなりたい
難しいことや私自身のことなんか全て置いて
ストレートな感情で
病室に向かいました。

Rくんは担当看護師さんと共に一緒にいました。
目つきも何もかも、
そうだよね
と受け止めました。

そして
まず初めに私はこう話しかけました。


ごめんね
急に来てびっくりさせちゃったよね。
これから少しづつ仲良くしてくれたら嬉しいな。


そんな言葉と共に
少しづつ
少しづつ
Rくんを知ること
から始め、
距離を縮めていきました。

どのくらい時間を要したかは
もう十何年も前のことで覚えていませんが
一緒に遊んだり、
抱っこさせてくれたり…

Rくんと笑顔で過ごした日々は、
私にとって喜びと感謝の瞬間でした。

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私がまず子どもたちから教わったこと
それは
子どもたちは自分の心に、
直感に、
忠実
ということ。


なぜかというと、
生きていくため。
自分の命を守るため。


大人になると、この世の中は
特に日本は安全な世界だと知ります。


そして
両親
次に
それ以外の人を
信じる
ということを学んでいきます。


どんなことがあっても
自分は愛されている存在なんだ
と学ぶため、
愛を知るため、
イヤイヤ期がある
ということも聞いたことがあります。


今回の私の経験のように
子どもたちは、
忘れてしまっている大事なこと
を思い出させてくれる存在です。

わかっているようで
わかっていないこと
それをグサっと教えてもらった
経験談でした…(−_−;)


自分自身の心と向き合う

私自身、
この経験をしたことで
わかっていたつもりでしたが…
わかっていなかった。

というか忘れてしまっていた…_| ̄|○



この十何年後に、
再度心と向き合うことの大切さを
深く理解せざる終えない経験をし、
今に至るのですが
そのことについては
また今度書かせてください。


では
長々と書いてしまいましたが
読んでいただき、ありがとうございました。

何かみなさんの生活に、
お役に立てる部分があれば嬉しいです*・

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子どもに教えられたこと

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