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効くセトリ MAPA ライブ10/9 下北沢シェルター

ライブ前から「どうせ今日も最高なんでしょ?」って気持ちで臨んだけど余裕で裏切られないからさすがだった。

シン・仮面ライダーの庵野監督ドキュメンタリーの池松壮亮


MAPAの他に2組のアイドルがいるスリーマン。企画メインのLiVS、Zeppでのワンマンまで決まってるSOMOSOMO。

SOMOSOMOの最初から観ることができたけど、赤い衣装に身を包んだ彼女たちはその赤み同様に情熱的なパフォーマンスだった。速くてノリの良い曲をノンストップで展開し、途中でMCを挟まず熱気を途切らせまいとする疾走感だった。

一番手でフロアは完全に温まりきってなかったし、3連休ラストの雨の肌寒いお昼とか決して恵まれた条件じゃない中で、徐々にフロアを巻き込むライブも観ていて楽しかった。

最後3組目のLiVSもそうだったけれど、ファンのヲタクがフロアでぶちかます鬼気迫るヲタ芸コールは見てるだけでも楽しかった。隙あらば差し込まれるコールはテンション上がる。

最初他のメンバーとフロアから観ていたLiVSの子(コンニチハクリニックさん)が「え、行っちゃおっかな」という感じのやりとりをメンバーとしていたのが視界に入り、その後駆け出してフロアのヲタ振に混ざってそのままずっと最後まで全力でコールをノリノリで楽しんでたのは微笑ましかった。対バン相手がフロアから普通に共演者のライブを楽しむ光景もライブハウスらしくていいよな。


SOMOSOMOのセンターで特にハスキーな関西弁が印象的なコトコさん(後からヲタク仲間が名前を教えてくれた)の煽りの上手さと喉の強さには惚れ惚れし、エッジのある見た目も好きで途中からずっとコトコさんを見てた。


Zeppワンマン控えてるアイドルはさすがだな。
てか、いいな。Zeppワンマンで推しを観られるなんて。


そんなSOMOSOMOの余韻も冷めやらぬ中、2組目に登場したMAPA。

1曲目の『蒼夜ミルキーロード』のイントロにもヲタ芸コールが入って(茉世ちゃんのヲタクさんだったらしい)、その重なりも美しかったけど、茉世ちゃんが「泣かないで」と歌い出した瞬間、SOMOSOMOのステージに残っていた余韻は綺麗に吸収、回収され、一瞬にしてMAPAの空気に切り替わった。笑顔が可愛い茉世ちゃんだけどおれは彼女のどこか醒めた視線や郷愁のある表情のときが好きで、今日は表情でもたくさん魅せていた。

他のアイドルと対バンになるとよりMAPAの異質な魅力は際立つ。いちごと猫の新曲2つも、夏の2曲もやらずに情緒や世界観に振ったセトリ。

Callig box〜Satie〜Nirvana〜怪獣GIGAまでの流れには震えた。4人の原風景を見た。曲もパフォもアイドルの枠を超えた、この舞台的な表現力を主としたライブも出来るのがMAPAの強みだと思う。


アイドルに過去ハマったことがなかった自分が、なぜMAPAにはハマったのかがよく分かるライブだった。こんなアイドルいないもん。
誰にも似てない、どのグループっぽいとかもない、唯一無二で異彩。

今日はセトリがよりMAPAの本質に拠った曲で構成されていたから余計に実感した。

特典会のとき他のヲタさんが「MAPAのファンは女性が多いんだなあ」と驚く声が聞こえて、「まじでそこね!」と思った。
靖子ちゃんが源流にいるからその比率になるのは自然とはいえ、アイドルで括ると実はそこ超すごいポイントだよね。ふつうはどのアイドル現場でも男性比率が圧倒的に高く、年齢層ももっと高い。

衣装も髪型も髪色も、見た目は別に統一感ないのに、音楽では一体になる複雑な魅力。他の2組がいたから余計相対的に浮き彫りになったけど、衣装なり髪色なりキャラクターのベースなり、普通はグループのカラーに揃えているじゃん?

だから雰囲気も曲も見た目もファン層も、MAPAってマジで異色に捉えられるはず。

だからこそ刺さる人には刺さって仕方ないし、それこそこれまでアイドルを推したことなんてない人たちも開拓できる余地は果てしないはず。

紫凰ゆすらと犬耳ポーズ


今日の情緒溢れる詩的なセトリは紫凰ゆすらにぴったりで、Nirvanaなんか特にキーや声質も合っていて、この曲の体現に欠かせない。

ライブハウスだからこれまでもよりも近くでゆすらのパフォーマンスを見ることができて、情感たっぷりの表情やダンスのキレを時差なく誤差なく堪能できたのが幸せだった。カッコよかった。

MCのとき、えむちゃんが今日のイベントの名前を手の甲にメモしてたっぽくてそれに一度視線を落としてイベント名きちんと言い切ってたの可愛かったな。手に何か書いてあるの見えるが距離感って贅沢。
もはや彼女の代名詞のひとつ『怪獣GIGA』にも惹き込まれたし、BE BY BE BYEのときも特にえむちゃんに目を奪われた。

今日はえむまっぱに行ったヲタクから直接感想も訊けた。えむちゃんはおれが生で見た人間のなかで過去一の美白と美肌だと思ってるんだけど、そんな天性の美しいアイドルっぷりに、なんか今日はまた逞ましさが乗っていた。進化し続けてるんだろうね。

Calling〜はコショさんのポエトリーが大好き。
ポエトリーが続く中で茉世ちゃんのリフレインcallingが重なって、えむちゃん、紫凰ゆすらと続いて厚くなっていくところは揺さぶられる。
コショさんは蒼夜での「君が好き」のところもすごく近くて、直線上に浴びられて幸せだった。前髪が揺れながら覗く彼女の流し目はいつだって麗しい。


今もまだ『Satie』の余韻が凄まじい。

すこし寒い雨模様の東京の地下にふさわしい雰囲気。なんて聴き応えのある名曲。「雨が刺さるみたいな」の歌詞もあるしね。
茉世ちゃんの「なんて素敵な狂気なんだ」のフレーズもたまらない。4人がコショさんを軸にもたれかかる曲終わりの残像も目に焼き付いている。

ステージ上で揺れたり重なったりする4人が照明を浴びて影になったり美しく光ったり、どこまでも曲の世界観を引き出してフロアのみんなを引き込んでいくMAPAは、今日もやっぱり最高だった。

シェルターは20代のときバンドのライブでめちゃくちゃ通っていて、イメージはいつも満員で酸素がとにかく薄くて階段にまで客がいるイメージ。

紫凰ゆすらにも話したけど、もっとたくさん下北沢で観たくなった(個人的な理由で純粋にアクセスが近い。ゆすらはシャングリラも好きだと言っていた)

やっぱりライブハウスはステージ近くて最高。

それに対バンのライブだといつもとまた違う発見や刺激もある。相対的な客観性も得られる。
LIVEってこうでなくっちゃ!を味わえる時間だったよ。


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