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生成AIを社会実装する。AI研究者が新規事業開発に参画

こんにちは!ファンタラクティブPRのannaです。
丸山さんに続き、現在開発中の新規事業「EXTO」の顧問を務めていただいている牛久祥孝さんにもインタビューしました。牛久さんのキャリアやEXTO・ファンタラクティブに対して共感してくださっているところなどお話しいただきました。


牛久さんのプロフィール

牛久 祥孝(うしく よしたか)
東京大学大学院で博士号課程(情報理工学)を修了後、NTT研究員、東京大学講師などを経て、オムロン サイニックエックスに入社。2019年、株式会社Ridge-i Chief Research Officerを兼任。画像キャプション生成などのAIによるクロスモーダル認識/生成およびAI for Scienceの研究者。2021年ヤマト科学賞受賞、2023年文部科学省科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)「ナイスステップな研究者」選出、など。

学生時代はロボットを作り、研究の道へ

井村: まずは学生時代から今までの経歴を聞かせてください。

牛久: 小学生の頃から運動は苦手で勉強する方が好きでした。将来の夢は大学の先生か、あるいは社長として企業を牽引していくかのどちらかでした。井村さんとは、小学校3年生の頃に塾で知り合いましたね。

井村: 懐かしいね。もう大分長い付き合いになるね。

牛久: 中高時代は部活でプログラミングやロボット作りに興味を持つようになり、自分の個人サイトやロボットを作ったりしてました。これが人生を決めていく上での大きなターニングポイントになったかなと思います。

井村: 高校生クイズにも参加して優勝してたよね(笑)。

牛久: 触れていただいてありがとうございます(笑)。僕のチームはみんなパソコンやインターネットが好きで、ググり力が異様に高くて勝てたみたいなところがありますね。
大学では人間の知能に興味があって引き続きロボットの研究をしてました。卒論を作るにあたって研究室に所属する必要があり、さまざまな研究室の中から僕は人工知能(AI)や脳科学の研究室に入り、そのまま博士号まで取りました。それから、絶対に大学の教授になりたかったわけでもなかったので、企業の研究所や大学を行き来していましたね。当時から世界にはAIの研究をしている企業がたくさんありました。
今は企業研究所の研究員がメインの仕事ですが、研究を社会に還元して次の研究のリソースを得るシステムを作ることが大事だと思っているので、色々な企業のAI開発や研究のお手伝いもしています。

井村: 研究を社会に還元していく、ビジネスや実用に活用していくのをやり始めたのは結構後の方だったんですね?

牛久: マイクロソフトの研究所での経験が衝撃的でした。そもそもマイクロソフトの研究所は強くて、その中で最先端の研究を研究員が持ってきて発表したものが素早くプロダクトに反映される環境はとても魅力的でした。研究者には2タイプいて、自分の好奇心など内発的なものが研究の動機になるタイプと、誰かを喜ばせたいという気持ちが動機になるタイプ。僕は後者だったので、世界中の人たちに使ってもらうプロダクトに研究成果がすぐ反映されるというのを会社としてできているのはとても印象的でした。未だに日本ではそういう企業は少ないと思っていて、どうやったらマイクロソフトのようなことが日本で再現できるのかをずっと考えています。

井村: その2タイプはデザイナーにも言えることかもね。

AIと専門家の役割分担が重要

井村: 開発中のプロダクト「EXTO」について、牛久さんが感じていることや期待することを聞かせてもらえますか?

牛久: EXTOはすごく楽しみなプロダクトです。オムロンでも「人と機械の融和」をテーマにしていて、ソフトウェア・AIの開発を通じてどうしたら人(使用者)と機械(被使用者)お互いの成長を促すような互恵関係を作れるかを研究しています。まさにEXTOも同じような哲学だと思っていて共感しています。アプリケーションのデザインやUXの専門家の意見を取り入れながらどのようにプロダクトを自動改善するのか、あるいはファンタラクティブの持つデザインや情報処理の能力を活かしながらどうやっていくのか、うまい落とし所を見つけながら融和を探していくことなのかなと捉えています。プロダクト開発や改善は全部自動化できるわけではないので、どこまでAIに頼ってどこまでを専門家が責任を持って進めるかの分担が重要になってきます。EXTOのようなことをやっている事例はあまり聞いたことがないので斬新だなと思っています。

井村: ありがとうございます。自分たちがやっていることを改めて外から見るとどういう捉え方をされているのかがわかりましたし、そう言ってもらえて嬉しいです。

前職の上司のコミュニケーションに学ぶ

井村: ファンタラクティブ・EXTOの顧問として、どのようなことが提供できそうだと考えてくれていますか?

牛久: AIの分野で研究室や企業コンサルでの経験や知見を活かして、事業開発に貢献できると思っています。上手くいかないことなど課題に直面した経験もあるので、そう言った点も先回りしてお知らせするなどサポートできたらいいなと。広く浅く色々なことをやるのが好きな性分なので、あらゆる面で適切なアドバイスができると思います。

井村: ありがとうございます。メンバーともお話ししてもらう機会を持てたらいいなと思ってます。

牛久: そうですね。特に目的がなく色々と話を聞いてみたいなど形式ばらないミーティングも大歓迎です。ファンタラクティブのラジオ(Podcast)を聴いていると、「雑談の重要性」も語られていましたしね。とはいえ「(牛久さんにとって)無駄な時間にしてはいけない」と気を遣ってしまう方も多いと思うので、顧問の方からもハードルを下げていく挑戦をしていかないとなと思いますし、機械的に雑談を生む設計をするなど、皆さんと一緒に考えていけたらいいですね。

井村: いいですね。ファンタラクティブは今年度、「挑戦」をテーマに掲げているんですよ。メンバーには手を挙げることを奨励してるので、ぜひお相手していただけると嬉しいです。僕たちそろそろ40歳近くなってきて立場もあるし、どうしたらみんなが話しかけやすい人でいられるかって考えるんですよね。

牛久: 前職でとても丁寧に話す上司がいて。すごい研究者なんですけどなんでこんなに物腰柔らかく話すんだろうと思って、自分のロールモデルになってますね。相手が話しかけやすいような雰囲気を作るよう心がけていたら内面も後からついてくるものだと思っています。例えば内心憤るようなことがあっても、穏やかに伝えるようにしていたら、その内そんなに自分自身憤らなくなってくるのではないかなと思いますね。

井村: カルチャー的にもファンタラクティブの目指すところと思想が近い気がしますね。組織作りのところでも相談させてもらえるとありがたいなと思います。

牛久: そうですね。直接お話をしたりnoteを読んだりラジオを聞く中で、カルチャー面でもシナジーを感じるところはありました。

階層性のない研究組織を目指す

井村: カルチャー面で共感してくれてるとのことですが、研究組織としてはどんな組織を目指したいと考えていますか?

牛久: 業種や規模感によって階層性が必要な組織とそうでない組織があると思いますが、研究所としてはなるべく階層性のないフラットな構造を目指したいと思っています。ただし階層性を低くするとマネジメントが難しくなるので、ファンタラクティブさんのようにカルチャー作りなども必要になってきますよね。

井村: ファンタラクティブでは、困った時に誰に相談したら良いかが明らかになっていた方が良いと思っていてマネージャーを置いているんですよね。なので一応階層はあります。ただ階層構造があっても命令系統がトップダウンというわけではなく、ボトムアップもあるし個人の裁量を持って動ける形が今の所良いかなと思ってます。

牛久: 僕たちの組織と似ていますね。


AIの社会実装を日本で挑戦していく

井村: 最後に、日本の未来について牛久さんが考えていることや今後の展望についてお聞かせください。

牛久: AIを社会実装しサービスとして提供する企業を作りたいと考えています。色々な企業をサポートする中で、国からの需要も感じているんですよね。これは今の仕事や活動を辞めるわけではなく、スピンアウト的にまずは小舟として始めて徐々に大きくしていく、今の所属にとっても一つのモデルケースになればお互いWin-Winになるのではと思っています。なのでファンタラクティブのお手伝いをさせていただきながら、組織作りや井村さんの社長としてのご経験から学んでいきたいです。日本でもユニコーン企業を増やしていこうという動きや生成AIブームもありますし、情報技術を社会に還元してそれによりまた技術力が上がっていくことを素早く回していきながら、少しでも日本を元気にしていきたいです。

井村: 研究者から起業する人ってそうでない人の起業とはまた違うアプローチができると思うので、日本の中でAIを代表するユニコーン企業になる可能性もありますよね。楽しみです。

牛久: ありがとうございます。少しでも僕らの事例がディープテックの業界を盛り上げることに貢献できたらと思います。
あと僕は社会人になったのが遅くて、今年で社会人10年目なんです。今までは研究者としてキャリアを歩んできましたが、これからの10年は会社経営を軸に頑張っていけたらいいなと考えています。

井村: ファンタラクティブもちょうど今年創立10周年なんですよ。お互い節目のタイミングでこうして一緒にお仕事できるのはありがたいですね。引き続き色々とよろしくお願いします。


牛久さんがよく聴いてくださっている「ファンタラジオ」はこちら↓



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