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はじめての起業を行う前に知っておいてもらいたい9つのこと

あなたは一度でも起業を成功させたことがありますか?
この質問にいいえとお答えした方だけ読み進めてください。

なぜあなたが起業してしまう前にこの情報を手に入れる必要があるのか。それは、誤った方法でビジネスを立ち上げてしまったら、一瞬にして設立資金が溶けていってしまうからです。

きっと起業を志して、この日のために懸命にお金を貯めてきたことでしょう。何十年も務めて退職金も得て、相当準備をされてきたはずです。生活も切り詰めて、すべてはこの日のためにと苦しい生活にも耐えてきたことでしょう。スクールやサロンで学びを得てスキルも手に入れたのではないでしょうか。

その長い間築き上げてきた苦労がたったの1年で消えてしまうことほど、ショックの大きいことはありません。一念発起してビジネスをやろうと思ったあなただからこそ、今すぐ起業してしまう前にちょっとこの情報に立ち寄ってもらいたいのです。

私だけはそんなことはしないから大丈夫?皆さん同様に自分だけは大丈夫と自信を持って起業します。自信を持つことはとても重要なことです。しかし、それと同じくらい現実を見て向き合うことも大切なことです。それでもまだ私は大丈夫という気持ちは変わりませんか?

では、少し私の知人の話をお聞きください。

その知人は大学を卒業してから十数年同じ企業に勤め、2018年にあるサロンを起業しました。立派なフロアを賃貸し、設備にも潤沢な資金をつぎ込み、ウェブサイトもとてもきれいで見やすいものを作っていました。

企業ロゴもこだわりぬいて作り、サイト内の文章にも力を注いでいることがとても分かりました。その知人はITに強い人ではなかったので、どれも外注して作ってもらったものだと思います。

さすがプロが作っただけはあるなと惚れ惚れする納得の仕上がりでした。提供していたサービスも仕事の合間に2年間スクールに通って手に入れたスキル。おそらく販売方法までコンサルタントしてくれていたのでしょう。

それらのスキルも持ち合わせていなかった知人はまるで別人。いいえ、その道のプロとして何年もやっているかのような安心感すら覚えるほど、見事な話術とスキルで私をもてなしてくれました。価格は少し強気の設定でしたが、本人は自信たっぷり。サービス後のアンケートも取り、壁に多くの声として貼り出されていました。

YouTubeやSNSもほぼ毎日更新し、チラシも作成して集客にも力を入れていることがわかりました。整えるべき内容はすべて整っています。サービス内容もしっかりしています。あとは集客して、自分の持っているスキルを全力で顧客に提供するだけ。全てはうまくいっているように見えました。

ところが1年と経たずにそのお店は潰れてしまったのです。なぜこのようなことが起きてしまったのでしょう。それは誤った方法でビジネスを始めてしまったからにほかなりません。私はその知人を救いたくても救えませんでした。せめて起業する前に相談してくれていたらと思うと、胸が締め付けられます。

私はこのような思いをこれから起業しようと志している方に味わってもらいたくありません。そのために、起業する前に知っておいてもらいたい情報を本書に詰め込みました。

その方法を学んでから勝負に望んでも遅くはありません。せっかく長い間、努力してきたのですから、最後にもう一度立ち寄って問題がないかだけ確認してから起業していきませんか?

本書は初めて起業を行う方を対象とした情報となります。また、大企業のように資金が使えるという方にも向いていません。そうした資金集めの方法を学べる内容でもありません。

あくまでも一人で始められるビジネス向けの、リスクを極限まで減らした戦略となります。まだ自分には関係ない内容だと思っていますか?

では、胸に手を当てて以下の内容に当てはまらないか確認してみてください。

【ビジネス初心者がやりがちな失敗事例】

・いきなり投資金の大半を使ってしまう
・デザインにこだわり続けてしまう
・綺麗だけど中身のないチラシを作ってしまう
・ターゲットを設定できていない
・すぐに真似できるビジネスをしてしまう
・スクールで教わった内容の通りにビジネスを行ってしまう
・良いことしか言わない詐欺師まがいに騙されてしまう
・お客ニーズとかけ離れた料金設定をしてしまう
・求められていない商品販売をしてしまう
・計画ばかりに時間を割いてしまう
・ネーミングをおろそかにしてしまう
・キャッチコピーがよく見かけるものになっている
・商品名だけしか書いていない
・顧客が感じる価値を押し出せていない
・ぱっと見何をやっているお店なのかわからない
・売り出そうとするあまり誇大広告気味な文章になっている
・売れない商品を売り続けてしまう
・待っていれば売れると思っている
・リスクヘッジ対策をしていない

いかがでしたか?当てはまるものがあるのなら、それぞれの対策法をまとめましたので、続きをご覧ください。それでは参りましょう。

初心者でも負けないビジネスを作る9つの戦略

負けないビジネスの鉄則その1
【小さく始める】

まず大前提としてお伝えしたいことは資本金は命ということです。資本が尽きてしまえば、その市場から退出しなくてならないということを覚えておいてください。融資という選択肢もありますが、それはビジネスが軌道に乗ることが見えてきてから出来るようになること。

たとえできるようになったとしても、個人的には借金経営はお勧めできませんので、自己資金内で行えるビジネスにすることが望ましいです。

では、その命であるお金をどのように使っていくのか。それはとにかく使わないように心がけることです。使うとしても小さく、より小さく投資できるように使っていくこと。全く使うなということではありませんが、基本的には使わないように、使うとしても必要なところに最小で使うようにしましょう。

600万円使って1回しかチャレンジできないのと、10万円使って60回チャレンジできるのとでは、どちらが成功しそうな気がしますか?60回チャレンジした方が確率が上がるので、成功できそうですよね。

少しわかりにくいですか?では、ルーレットで考えてみましょう。毎回1点賭けをして大博打を狙うか、それとも赤OR黒の成功率の高いポイントで勝負を行うか。前者ではよほどの運がないと成功しませんが、後者であれば成功は現実的に見えてきます。成功は金銭の額ではないのです。

ビジネスはトライアンドエラーの回数を何回重ねることが出来るかのゲームでもあるということを覚えておいてください。あっさりその場から退場しないようにするためには早い段階で成長の種を見つける必要があります。

また、起業当初は驚くほど売れないので、運転資金として備えておくことは有効な手段です。運転資金があるうちに、何度も試行錯誤してビジネスを軌道に乗せることが出来るかどうか、ここに明暗が分かれています。後ほど書きますが、ビジネスが一度で成功することはほとんどありません。

ほとんどの企業がピポットと呼ばれる事業転換を繰り返して成功へと歩んでいきます。

この歩みを止めないためにも資本金は常に蓄えておいた方がいいのです。とはいえ、ビジネスを始めたらお金は必要でしょ?お店をやろうと思ったらそれは賭けに出るしかないのでは?という疑問を抱くかもしれません。

しかし、そんなことはありません。知恵と工夫次第で、初期投資は限りなく0に近づけて活動を行うことが出来ます。まずは小さく始める。これがビジネスを成功へと導く第一の鉄則です。

では、具体的にどのようにして小さく始めるのかをお伝えします。

仮に先ほどの事例で取り上げたサロン運営をしていた知人で考えてみましょう。その知人は初期から

・仕事をやめて1本でサロン運営に乗り出した
・お店を借りた
・機材を整えた
・ウェブサイトを外注した
・チラシやロゴなども外注した

などなど、初期の段階でかなりの資金を投入しています。これでは、このビジネスがうまくいかなかったときのリカバリーが効かず、リスクが大きくなってしまいます。どのようなビジネスがヒットするのかはわかりません。

ですので、成功の種が見つかるまでは小さなステップからはじめて反応を確かめましょう。先の例で投資を抑える方法としては

・お店を借りる・機材を整える→訪問サービスにする→ネットでアドバイスにする
・サイトや販促物の外注→自作で作る→そもそも作らない。SNSで集客する

という手が考えられます。また、需要を探るという点ではヒアリングから始めるということも労力と資金がかからずお勧めです。この時のコツとしては、どのようにしたらスケールやコストを小さくして反応が得られるかを考えておくことです。

初めは需要があるかもわからないので、反応を探るところから始めることをおすすめします。そこで良い反応が得られたものを次なるステージへとコマを進め、ビジネスを成長させていけば、安心してビジネスを育てていくことが出来ます。

また、この方法で行えばいきなり会社を辞めて起業するという大きな賭けに出なくて済むということも最大のメリットです。起業したくてうずうずしているかと思いますが、収入が途絶えてしまうと運転資金にプラスして生活費がかかりますので、急速に資金が減っていきます。

この状態では、冷静な判断も取りにくく、精神的にも追い詰められてしまうことでしょう。

ビジネスの芽が出るまでは仕事を辞めず、副業から始めて少しずつ範囲を広げていってください。副業として稼げる金額が本業と同じか上になるほど稼げるようになってから、本腰を据えて起業するようにしましょう。

このようにリスクを回避しながらビジネスの種を育てていきます。当初予定していたビジネスで全く反応がない。ということなら、別のやり方や方法を考えるところからやりなおしましょう。

これをひたすら繰り返していくうちに自分が求めているものや顧客が求めているものがより鮮明になっていきます。その試行錯誤の果てにビジネスのスタートラインが見えてきます。そこからがようやくビジネスの始まりです。何度も何度も仮説と検証を繰り返して、ビジネスの基盤を整えましょう。

●ポイント
とにかく初期投資を抑えること
何度もチャレンジできるようにするため、0円で出来る方法を知恵と工夫で、いくつも用意すること
仮説と検証の繰り返しで反応を見つけていくこと
副業から始め、本業と同じくらいに育ってから副業を本業へと変えていくこと

負けないビジネスの鉄則その2
【失敗しても良いようにヘッジ策を考えておく】

ビジネスを小さく始めると決意したら次に行うことは、リスクヘッジについてです。背水の陣でここまで来たので、今更戻ることなんて考えていません!その決意は非常に大切です。

ですが、ビジネスは当然決意だけでどうにかなるものでもありません。何度も何度も失敗を繰り返して前に進めていくのですが、リカバリーできるポイントを持っているかは心の安定を図るためにも欠かせません。最低でも以下の内容は先に考え、資金難に陥った時に命綱として備えておきましょう。

・勤め人に戻っても食べていける業界を探しておく
・働き口を紹介してもらえるような人脈を確保しておく
・集客できないときのためにフリーで働ける状態にしておく
・ランサーズやココナラなどの場で繋いで行けるようプロフィールなどを整えておく
・また、それらの場でライスワークとしてでもいいから収入源を確保しておく
・投資などを行って労働以外の収入源得ておく

戻れる場を確保しておくこと、体一つですぐに稼げる場を確保しておくこと、労働以外での収入源を確保しておくこと。

これらを活用することで、たとえビジネスが失敗に終わってしまったとしても、すぐに再起することが出来るようになります。また心理的安全性を確保しておくことで、切羽詰まって怪しげなビジネスや手法に手を出すという危険からも回避することもできます。

無難なものに留まるのではなく、チャレンジングなことを行う支えにもなります。

こちらの活動ばかりになって起業がおろそかになってしまっては元も子もありませんが、起業を成功させるためのサブとしてうまく活用していきましょう。

●ポイント
どうにもならない絶望で打ちひしがれないように心の安定を確保しておく
労働以外でのキャッシュポイントがあればなお良い
あくまでも起業をアシストするための手段

負けないビジネスの鉄則その3
【具体的なターゲットを決める】

あなたのビジネスを最も必要としている人は誰でしょう?
その人はあなたのビジネスのどこを気に入って使ってくれているのでしょう?
他の商品やサービスと違うところはどこでしょう?

小さく始めることを決めたら、その次はターゲットを明確にしていきましょう。いやあ。そこまで絞り込まなくたってお客さんは大勢いるから大丈夫だよと思っていますか?

今は昔と違い、商品やサービスが溢れるほど多く存在しています。その中であなたのサービスを選んでもらうためには、他とは違うきらりと光るものが必要です。光る特徴を作るためにも、特定の個人に刺さるサービス設計が必要なのです。

そのためには、ターゲットを具体的な一人になるまで絞ること。ターゲット設定を行うというとやってしまいがちなのが、30代男性などのように抽象的にしてしまうことです。他にも20~40代を対象としてしまいがちですが、これはもってのほかです。まるで意味がありませんので絶対にやめましょう。具体的に説明します。

たとえばお隣に住む、仮に同じ性別と同じ年齢の人がいたとします。当たり前ですが全くの別人だとわかりますよね。物を買う理由も、考え方も買う時間帯も、使える金額も、期待することも、何もかも違います。独身と既婚でも行動の仕方は大きく変わります。

それなのに設定するときには、同年代だからとターゲットを一括りにしてしまうのです。これでは、どちらの人にも喜ばれないものが出来上がってしまうことは明白です。誰からも求められるものを作ろうとすることは、誰からも求められないもの。だということを忘れずに認識しておきましょう。

では、どのように特定の個人をターゲットとして作り上げるのかですが、実際に作ってみると想像しやすくなるかと思います。これがすべてというわけではありませんが、これらの項目に答えていくことで明確な人物像が出来てきます。これ以外でも必要だと感じるものは付け足して明確にしていきましょう。

ターゲットを明確にする項目

・名前
・基本情報
・年齢
・性別
・家族構成
・家族の性格、職業、思考
・家計状況
・主人公の年収
・主人公の職業、背景
・主人公の性格。学びへの姿勢
・趣味
・好きなテレビ・映画・マンガなど(ビジネス書でもOK)
・主人公の交流相手や頻度
・週末の過ごし方
・口癖

ここまでがその人個人の基本情報としての要素です。ここから先はその人の社会的情報や日々の情報の接し方、行動についてです。より内面を探っていき、人物に深掘りを加えていきましょう。

・勤めている会社情報
・日々の行動
・仕事でのゴール
・人生のゴール
・解決したい課題
・情報との接し方
・購買に関して
・もしうちの商品を買うのなら、動機や理由
・このサービスから何が知りたい?
・どういった体験がしたい?
・あなたからどんな言葉をかけてもらいたい?
・ではそんな人に向けてどう発信して行ったらいいのだろう?具体的な行動とサービス内容、方針を決める。

項目に答える前と後では、抽象度に違いが出たのではないでしょうか?ターゲットを明確にすることができたら、もう一度質問に答えてみてください。

あなたのビジネスを最も必要としている人は誰でしょう?
その人はあなたのビジネスのどこを気に入って使ってくれているのでしょう?
他の商品やサービスと違うところはどこでしょう?

より具体的になりましたか?先ほどよりも強いメッセージ性になったのではないでしょうか。明確になったら次のステップへ進んでいきましょう。

●ポイント
ターゲットの絞り込みを行おう
具体的であればあるほど、光る特徴を見つけ出せる
刺さる設計にしなければ誰からも求められないものになる

負けないビジネスの鉄則その4
【他のだれもやらないことを見つけ出す】

ターゲットを決めたら、次は参入障壁が高くなるサービス設計に移りましょう。企業で勤めるのなら、教えてもらったことをそのまま行うだけで何も問題はありません。ただし、起業となると少し話は別になります。

というのも、スクールやサロンで学んだことをそのまま実践するということは、単純にそれを学んだ人の数だけ同じサービスを行うということでもあるからです。そのライバルの中で、対策しないままあなたが選ばれるようになるのは、相当な運が必要となります。

例えばこんな場面を想像してみてください。

美容室に行こうと思ったとして、立地や金額がほぼ同じな店舗が3つあったとします。それぞれの店舗のオーナーは全て男性で年代も同じです。さあ、あなたはどのお店に行きますか?少し情報量が少なすぎていますが、きっと選べなかったのではないでしょうか。

立地やサービスが他とは違うと言いたくなると思いますが、今はネットでいくらでも探せる時代です。多少遠くても高くても良さそうなところがあれば、そちらへ流れていってしまうのが当たり前です。

このように、ほとんど条件が同じであれば、選ばれるのは運となってしまいます。残酷に聞こえるかもしれませんが、他者と同じサービスを行うということはこういうことなのです。

スクールやサロンで全て無駄になったと感じたかもしれませんが、そうでもありません。学んだことをそのまま使ってしまうから差別化にならず、ギャンブルになってしまうのです。もっと確実に他のサービスと差別化できる方法があります。それは他人と違うことを行うこと。

まるっきりオリジナルにできれば最高なことですが、ハードルが高すぎますね。そこまで行かなくとも、他のものとの組み合わせや軸を変えることで、他の誰もがやっていないものへと変化させることが出来るようになります。

つまり、スクールやサロンで教わること自体は悪くないのですが、それをビジネスとして一つ上のものへと昇華させる必要があるということです。焦る気持ちが先行して、安易な決断をしたくなると思いますが、ぐっとこらえてしっかりと考えていきましょう。

また、すぐにビジネスを始めたいからと魔法の杖のようなものを探そうとするのも厳禁です。残念ながら魔法の杖は存在しません。必ずこうしたら儲かる、うまくいくと謳うビジネスは山ほどあります。しかし、ほぼ使えないと思ってください。見せ方が上手くとても魅力的に見えます。

ですが、冷静になって考えてみてください。そもそもみんな儲かるのなら自分だけでやる方がいいし、もし仮に本当だとしてもみんながやっているのなら陳腐化していると思いませんか?

つまり、みんながやっているということはやるだけ費用対効果が薄いということの裏返しでもあるということなのです。人気にあやかりたい気持ちはありますが、それよりも他の誰もやっていないことを武器として尖らせましょう。

この時、気を付けなくてはならない点が、結局他の人に埋もれてしまう戦略を取ってしまうということです。例えば、販促の手段としてYouTubeを使うなどです。業界内でやっている人が少なければチャンスですが、今はどの分野でも誰かしらがやっています。

つまりやり始めた当初は効果的でも今となっては差別化とまではいきません。やらないよりはやった方がいいですが、差別化はビジネス自体で行うようにしましょう。

メンタリストDaiGoさんはビジネスを始めた当初、メンタリストという日本で誰一人として行っていなかったメンタリズムを取り入れて、差別化を図っていました。

また、心理学を用いた分析やパフォーマンスに組み入れるという別の軸を取り入れることで、他の人と違う使い方を行い活躍していったのです。それからは知識を提供するビジネスへと更なる進化を遂げ、そこでも他人と違うことで差別化を図っています。

動画コンテンツをYouTubeというチャネルを使うのではなく、有料コンテンツとしてニコニコ動画。さらにサブスクの未来を予想して独自配信アプリへと成長を遂げ、他者と圧倒的差別化に成功しています。

ここまでの差別化はかなりハードルが高いですが、すでにあるものを別の視点からとらえたり、軸を変えてみることであなただけのオリジナルは作ることが可能となります。

やり方としては

・スキルを組み合わせてみる
・他で成功しているものを取り入れてみる
・他の業界に持って行ってみる
・ニッチな市場から攻める

などです。

例)
・スキル×自分が得意なスキル
・スキル×他で成功しているモデル
・スキル×未開拓な業界
・サービス×ニッチなマーケット

また、質や量で他の人が追い付けないほど、注ぎ込むことが出来れば、それも立派な差別化です。スキルが圧倒的に他の人より勝っていれば大きな力となります。ですが、狭き門になるので、まずは組み合わせや横展開で差別化ポイントを見つけていきましょう。

●ポイント
どうしたら他の人が真似できない仕組みを作ることが出来るのか
誰も行っていないことで自分が得意にできることは何か
大手やライバルが参入するには小さいけど、それなりに大きな市場を見つける

負けないビジネスの鉄則その5
【適正な商品価格で販売を開始する】

販売するものが決まったら次は価格です。独立や起業アドバイザーに価格のことを聞くと、自分のビジネスだから好きな値付けをしていい。自分が欲しい金額を設定すると言われることもありますが、正直おすすめしません。

周りに競合がいないとか人気のある人でしたら、その値付けをすることも可能ですが、それでもおすすめはしません。また、安ければ良いのかというとそれも継続困難に陥ります。

やはり適正価格がいいということになります。しかし、原価や労力を考えるとこの金額くらいは欲しいよな。と思いますよね。そう思ったらこう考えてみてください。

もし仮に自分が利用者だったら利用するだろうか?

高すぎるな。と思ったらそれはユーザーも同じように感じている。ということです。なぜこのようなことが起きてしまうかというと人は保有効果というものを持っているからです。

保有効果とは、1970年代に、経済学者のリチャード・H・セイラー氏によって提唱された心理効果のことで、別名『授かり効果』とも呼ばれています。

これは自分が所有しているものに対して元々の価値よりも高い価値を感じて、手放せなくなる心理現象のことを言います。行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が行った保有効果に関する実験を例に説明していきましょう。

実験では、被験者の学生グループを売り手と買い手の2つのグループに分け、売り手グループの被験者に、通常6ドルで販売されている大学のロゴ入りマグカップを1人1つずつプレゼントしました。

売り手グループには自分の目の前にマグカップを置いてもらい、いくらならマグカップを売るかという問いに答えてもらいました。一方、買い手グループにはいくらならマグカップを買うかと答えてもらいました。

その結果、売り手グループがつけた値段は平均7.12ドル。買い手グループは2.87ドル。と売り手グループは買い手グループより2倍以上高い価値をつける結果となりました。

なんとマグカップを一度手にしただけでその価値が元々より高くなってしまったのです。

これは愛着を感じること、他の人も同じように思うだろうと思ってしまうこと、失うことを避ける傾向があること、から一度手にしたものは前よりも価値があると感じてしまうためです。

つまり、あなたのサービスや商品にもこの効果が悪さをしてしまうので、高めの設定となっているはずです。

また、実験の買い手グループは半分以下の価値しか感じていません。そこを目指すと赤字になりますが、初めに値付けした金額から20%ほど安くしてあげることで適正価格に近づくことが出来ると思っています。

●ポイント

売りたい金額よりも適正価格を目指すこと
保有効果で20%は高く設定していること
原価とのバランスを考えるのも忘れずに
原価が高ければ下がる工夫も

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