個人ビジネスを成功へと向かわせる9つの大鉄則:第6話「ターゲットを絞る理由」
第3の鉄則【具体的なターゲットを決める】
「さ~て、今日の業務もこれを送っておしまいだ。送信っと。ふう。今日も疲れたあああ」
「はい、お疲れさん。今日もおかげさまで忙しかったな。どうする?今日はやめておくか?」
「いえ!このために仕事頑張って終わらせたみたいなところありますので!」
「おいおい。しっかり仕事を終えてるから良いけどな。では今回からは具体的なターゲット設定からだ。しっかり考えてきたか?」
「もちろんです!師匠も驚くほど具体的なターゲットを作ってきましたよ!ずばり、僕のやろうとしているサービスのターゲットは30代から50代の男性です!!」
「どこが」
「えっ?」
「これのどこが具体的なんだ?」
「ええっ??だって、師匠のやっているビジネスのお客さんだってほとんど30代から50代の男性だし。いくら師匠と違うビジネスを行うことを考えても、メインターゲットはここら辺の男性だなって思うんです」
「言いたいことはわかる。しかしな、それでは商品・サービス設計を行うときのコンセプトがブレてしまうんだ。例えばちょっと考えてみろ。
31歳の仮にAさんは独身男性だ。一方のBさんは新婚1年目の31歳男性。さらにCさんは結婚5年を迎え2人の子どものお父さん。
この3人が取る行動はそれぞれ同じだと思うか?お金を使うタイミング・金額。レジャーに費やす時間…友人関係などはどうだと思う?」
「そうですね。少しざっくりと話しますけど、Aさんは自分のために使うお金や時間が多いですよね。Bさんは奥さんが好きだろうから、そこのバランスが大きそう。Cさんは自分を抑えて家族や子供を大切にしているって感じがします。あっ」
「気が付いたようだな。そう、同じ31歳男性でも家族構成が一つ違うだけで取る行動や使用できる金額は全く異なる。
つまりターゲットを考えるうえで30代~50代男性という幅で考えてもぼやけたコンセプトしか出てこなくなってしまうというわけだ」
「そっか、何もかも違う人たちを一括りにしてしまうと誰に何を訴えかければ良いのかわからないですね。そのためにターゲットを具体的にする必要があるのか。
あれ…でも、購入してくれるお客さんの購買データを見てみると幅広い層から買われているものがほとんどですよね?」
「同じ商品を購入してくれていても購入の理由は様々ある。そこをまとめてみんなに良い商品・サービスを作ろうと思っても不可能だ。
ではなぜターゲットを絞る必要があると思う?ヒントは……今まさに壱努が言ってたことにある」
「買う人の年齢層は様々。買う人の理由はそれぞれわからない。でも、ターゲットを絞るか…」
「実際に1人の人を想像してみると答えがわかりやすいぞ。たとえば自分が物を買うときのことを想像してみようか。そうだな、その服とかどうだ?」
「はい、そうですね…僕は服はそんなに詳しいわけではないので、なんとなく良いなって思って買ってますね。うっ…答えにならない」
「なんとなく、でもみるポイントがあって買ってるはずだぞ。もう少し考えてみろ」
「あっ、言われてみれば…。まず服の素材が心地よいか触って確認してます。で、その次にデザインを見て、価格が手頃かを考えて、買うか判断してます」
「つまり壱努にとって大切なことは素材ということだ。それにデザインという付加価値と価格を見て購買を決めているわけだな。
同じ価格帯で同じデザインで、もし素材が好きなものでなければどうする?」
「買わないですね。むしろ必要なら少し高くても、着心地の良い素材のものを買うと思います」
「それでどんなことがわかったかな?」
「……僕が大切にしていることは素材だということです」
「それはつまり?」
「えっと、つまり。大切にしているものがわかる」
「商品やサービスを提供する側から考えると?」
「大切にしているものがわかる…お客さんが求めていることがわかる……何を提供すれば良いかわかる!」
「そうだ、実は説明する時にうっかり伝えてしまっていたんだがな。つまり商品・サービス設計を行う時、どのようなコンセプトで売り出せば良いかのヒントに使えるというわけだ」
「コンセプトがぼやけるってそういえば言ってましたね!!しかし、それでコンセプトを決めてしまったら他の人に売れなくなってしまうんじゃないですか?」
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