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個人ビジネスを成功へと向かわせる9つの大鉄則:第2話「第1の鉄則を学ぶ」

前回の話はこちらから

第1の鉄則【ビジネスは小さく始める】

「では、早速第1の鉄則【ビジネスは小さく始める】から教えていこう」

「はい、よろしくお願いします!実際未だに小さく始めることに関して、納得しきれていない所もあります」

「そうか、どういうところが納得いってないんだ?」

「だって、やっぱりビジネスはでかくやり始めたほうがかっこいいし、すごいと思うんです」

大吉は腕を組み、片方の手で顎を抑えてこう言った。
「気持ちはわかる。よし、そうだな。じゃあ、ちょっと例え話をしよう。

とある人は大学を卒業してから十数年同じ企業に勤め、2018年にあるサロンを起業した。

立派なフロアを賃貸し、設備にも潤沢な資金をつぎ込み、ウェブサイトもとてもきれいで見やすいものを作った。企業ロゴもこだわりぬいて作り、サイト内の文章にも力を注いでいた。

その人はITに強い人ではなかった。外注して作ってもらったものだろう。さすがプロが作っただけはあるなと惚れ惚れする納得の仕上がりだった。

提供していたサービスも仕事の合間に2年間スクールに通って手に入れたスキルだ。販売方法までコンサルタントしてもらっていた。

まるで別人のようだった。

その道のプロとして何年もやっているかのような安心感すら覚えるほど、見事な話術とスキルだった。価格は強気の設定で、本人は自信たっぷりの表情を浮かべていた。

サロンの壁には多くのお客様の声が貼られていた。

YouTubeやSNSもほぼ毎日更新し、チラシも作成して集客にも力を入れていた。

整えるべき内容はすべて整っていた。
サービス内容もしっかりしていた。
あとは集客して、自分の持っているスキルを全力で顧客に提供するだけ。

全てはうまくいっているように見えた。

ところが1年と経たずにそのお店は潰れてしまった」

「えっ?!!なんでですか!?うまくいってたんじゃないんですか?!」
話に聞き入っていた壱努が驚いて、目を見開く。

「いや、間違った方法だったんだよ。やり方を間違えれば一瞬にしてこうなってしまうこともある」

「そんな…せっかくここまでがんばってきてたのに」
唖然とする壱努。

「壱努は自分のビジネスが成功すると思うか?」
「この話を聞いたらとてもじゃないですが、自信ないです」
「そうだよな。じゃあ、この話を聞く前は?」
「自信満々でした。絶対成功すると確信してました」

「そう、みんなそう思ってしまうんだ。そこがな、間違いなんだよ」

大吉の答えにまたも驚く壱努。
「どういうことですか?成功を目指してやるんじゃないんですか?!」

「なぜ一度で成功すると思ってしまうんだ?なぜ初めに考えた案がうまくいくと思ってしまうんだ?」
大吉は静かな口調で問いかけた。

「えっ、それは…」

言葉に詰まる壱努をよそに大吉は続けた。

「世の中はな、ビジネスはな。そんな都合よくはいかない。だからこそ、日々の積み重ね。試行錯誤が必要なんだ。そのために必要なもの。それがお金だ」

「お金が必要なことはわかりますけど、それとビジネスの大きさって何か関係あるんですか?」

「もちろんだとも。先ほどの話をもう一度よく思い出してみたまえ。その人はどんなことをしていたかな?」

「えっと…店を作った?」

「仕方ない。初めてだから大ヒントを出そう。その人は

・仕事をやめて1本でサロン運営に乗り出した
・お店を借りた
・機材を整えた
・ウェブサイトを外注した
・チラシやロゴなども外注した

ということした。お金はどうなったと思う?」

「そうですね、結構使っている気がします」

「そう、その人は準備していた資本金のほとんどをそこに使ってしまった。そして、上手くいかなかった」

「えっと、すぐお金を使ってしまった…。あっ!一回で成功すると思ってたってことか」

「ということは?」

「ちょっと待ってください…つまり一発勝負をしちゃったんだ。ってことは、試行錯誤する力が残っていなかった?」

「そのとおり。命である資本金が尽きてしまったために、ビジネスの奔流に乗る前に辞めざるおえなかった」

「お金が残っていれば、試行錯誤は出来た。それはつまり……どういうことですか?」
壱努は頭を抱えて大吉の方へ目をやる。

「わかっているようでまだわかっていないようだな。試行錯誤を重ねるとはチャレンジを重ねるということでもあるということだ。

例えば、600万円を1回のチャレンジに使うのと、10万円を60回のチャレンジに使うのとでは、どちらの方が成功の可能性は高くなるだろうか?」

「それは60回です」

「そうだな、単純に回数を重ねたほうが確率は上がっていく。ビジネスを加速させていくのは金銭の額ではなく、トライアンドエラーの回数ということだ」

「なるほど」

「ただし、チャレンジすることは少なからずコストがかかる。そのコストを小さく抑えるためには…」

「小さく始める!」

「そう、そのとおり。初期投資は設備などを揃えるためではなく、チャレンジするために使うものと覚えておくといい」


大吉の言葉にまだ納得できていない様子の壱努。
次回、小さく始めることをより深掘りして解説していきます。

このストーリーは【個人ビジネス、はじまりの教科書: 個人ビジネスを成功へと向かわせる9つの大鉄則】を元に作成しています。鉄則が気になる方やご興味ある方は下記よりkindle書籍をダウンロードください。

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