語源から単語を知ろう:ジェネラリスト vs. スペシャリスト
ゼネラリスト、スペシャリスト、の2つの違いが近年よく取りざたされる。
日本企業が専門を持たないオールラウンドな、ゼネラリストを育て、
外資系企業は専門のスキルをもった、スペシャリストを育てる、
ゼネラリストだけ育てる日本企業は時代遅れ、とよく言われる。
本当にそう?
確かに、
Generalist = ゼネラリスト
Specialist = スペシャリスト
と、英語でも使い分ける。
これらの語は、元々医療の業界からきている。
日本では、歯が痛いときは歯科医へ、妊娠したときは産婦人科へ、耳鳴りがするときは耳鼻科へ、と診療を受けたい科へダイレクトに赴く制度。
でも、海外では、どの部位が痛くても、まず気心知れたゼネラリストへ。
そして、そのゼネラリストが、総合的に患者の身体を見て
「あなたはXXX科に行ったほうがいい」とスペシャリストに紹介する。
つまり、ゼネラリストは、エンドユーザーである患者と心の距離を近づけるスキル、患者の身体を総合的に診療するスキル、正しいスペシャリストへ適格につなげるスキル、そういったスキルすべてを持ち合わせている必要がある。
そういった意味でいうと、ゼネラリストはある意味、スペシャリストより、マルチなタレント(=才能)をもっていると言える。
つまり、日本企業が育てるのがスペシャリスト、外資系で育つのがスペシャリスト、というそんな単純な話ではないのだ。
あなたは、どちらを目指す?
ここでちょっとブレイク 語源と一緒に覚える英単語:
<General>
※ 'generalis' (すべての種族、家柄) というラテン語から。
人間の核となる部分、でこれを使うことが多い。
また、新しく始めるという単語にもこれを使う。
例)
gene = 遺伝子 →germ = 細菌、gender = 性
※ 昔のドラマ「不機嫌なジーン」は、「不機嫌な遺伝子を持った(主人公)仁子」を文字った言葉。
generation = ジェネレーション、世代
genius = ジーニアス、天才
genuine = 本物の、ジェニュイン
indigenous = 土着の('インデジェナス')
gentle = (生まれつき)良い身分の、やさしい、ジェントル
※ 「やさしい」= "kind"と思う人が多いが、"gentle"はもっと格調高い表現。育ちが良い、気品を持った穏やかで優しい、という意味合い。
だから、「やさしくキスをする」の英語には、"He kissed her kindly."よりも"He kissed her gently."がしっくりくる。
generous = やさしい、寛大な →generosity = 寛大さ
gentleman = ジェントルマン、紳士
to generate = 発生する
generator = ジェネレーター、発動機
<Special>
※ 'specialis' (特有の)というラテン語から。
普通とは違う、見ただけで他とは違うことがわかる、というニュアンス
例)
specialist = スペシャリスト、専門家
to specialize = スペシャライズする、専攻する
species ('スピーシーズ') = 種
※ ダーウィンの「種の起源」は"origin of species"
specific = 明確な
specification = 仕様書、トリセツ
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