ニュースペイパージャンキー

 モーターサイクルガレージにプラネタリウムを映してみた。幻覚みたいな妄想とアレさえあればいいさ。保健所から逃げ回る動物みたいに俺たちは森のなかでもいつでもどこか怯えてる。今更、神様に祈ってる。ウェイトレスのあの子の背中に隠れてみるんだ。ちっとも痛みが治らないから。紛らわすために暴れてみるんだ。アタマを振って気も狂って騒いだらすこしなら忘れられるから。薬漬けの孔雀みたいなタチの悪いジョークだよ。

 日曜日にレストランで会話をしたいだけ。そんなことがずっと叶わないだけ。感情がまたどっかに逃げてった、ただそれだけ。悲しくても涙が流れない、ただそれだけ。こんなところには喜びもなくて、幸せもなくて、嘘つきばかりだから、遠くまで行かなくちゃいけないんだ。いくらアタマが悪くて空っぽでもね。

 なにもなくて平和でずっと幸せなだけのところ手に入れたって、そんなところあるのかな? ガソリン燃やしながら思い描く道のりのほうが楽しいのかもね。海辺のココナッツチェリーのアイククリーム屋のドア、ノックする。ちょっと俺もなかに入れておくれよ? どこで道を踏み外したか知ったこっちゃないけど革命家にでもなれたのかもしれない。それが良いことか悪いかは別にして。

 たぶん、こんな海は前世でも見たことあるさ。綺麗でもなく汚くもないけど呼吸してるのがわかるみたいな。退廃的な心の病気が美しく見ようとする頭を洗い流すような声がする。例えば、都会を恨んで爆弾に火をつけたとしても、そんなことじゃ、なんにもならないし、どうしようもないから。

 頭蓋骨が割れるぐらいの恋心でブレーンバスター。それがホントかウソかなんかかどうだっていいよ。心拍数・血管ビリビリでおかしくなってるから。賭けでもなんでも甘える黒猫、抱き抱えるよ。行く末は幸か不幸か、結末なんか、どうせ笑うしかないぐらいのこと。

 世界の終わりの気分なら毎朝ポストに届けられる。もううんざりしすぎて飽きちゃったんだ。欲しいのは新しいニュース、どこにも無いなら書いちゃおうよ。記事がここにないなら宇宙に電話して持ってこいよ。世界に広げるんだ、安っぽくて繊細な再生紙で。

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