協調性も無さすぎて楽園

 神様に祈ったら現実にあっかんべーされた。景色が粉々に壊れそうで嘘みたいで。嘘なんじゃないかって思いたくなるけど。なんだ、ただこれだけが本当なんだね。過去を否定することは、未来を失うこと?得ること?好きなほうの話を選べはいいよ。こんなのは明晰夢でもないから、きっと思い通りになんていかない。

 喫茶店の窓ガラス越しに見える世界は水族館のようでいろんな人の見本が泳いでるように見えた。誰とならちゃんと話し合えるんだろう?
 「ちゃんと他人に"伝わるように"話さないと"わからない"んだよ。」あなたがくれた言葉は、やさしくて甘い言い回しだった。
 「ちゃんと他人に"わかるように"話さないと"伝わらない"んだよ。」それじゃ、なんだか冷たくて味気ないから。

 誰かが女の子に夢を塗り重ねた。重い愛のを押しつけあって幻覚も投影しようとしたんだけど、いつのまにか光も濁った色に歪んでいたから逃げちゃった。夢の失敗作。結局、お互いに孤独なだけだった。
 あなたはわたしの分身、わたしもあなたの分身?
 ずっとわたしのものだけでいてほしい。
 なんだそれだけのことだったのか。
 
 海にほうり投げた手紙入りの瓶は、いつかどこかにたどり着くのかな?あなたの心の深いところを一滴だけ潤せればいいな。
 瓶のなかの手紙はこう思っています。「また孤独のなかにいます。泳いだつもりが波に飲み込まれて溺れてしまいました。」
 手紙を書いた人が最後に言いました。「悲しくても怖くても甘い誘いに着いていっちゃダメだよ。」
 みんな、自分勝手で都合いいもんだなぁ。

 誰かにだけやさしくしてみたい。ずっとずっとそう思ってたの。なのにずっとずっと誰も思い浮かばない。僕も自分勝手なもんだなぁ。

 もう帰ろうよ、ここは呼吸も重くて立ってるだけでやっとの。ちゃんと心が通じるところまで行こう。いいの、そんなとこなんか無くたってさ、そんなひとなんか居なくたって。地図を描くためだけに楽園がいるだけだから。あの日、踏み出した一歩で世界は回ってるんじゃないかな。

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